震災から今日で10年ですね。昨日の夜はなんだか眠れなかったです。
亡くなられた方のご冥福をお祈りするとともに、今だ避難されている方、復興途中の方、悲しみを抱えて頑張っておられる方にとっては、まだ途中であるということ、私達は忘れないということを今一度確認しておきたいと思います。
さて、私のあれから10年は、ヨーロッパツアーから10年。ドイツでリハーサルの途中でした。
「ニュースを見ろ、東京で大地震だ。」というホールの方の声。海外なので、特派員が東京にいたこと、最初に届いた映像が東京だったこともあり、東京が壊滅したという感じのニュースでした。一緒にテレビを見て、リハーサルどころじゃなかったです。
次の日には東北だと確認できましたが、同時に原発の爆発、もう帰国できないか?と思いました。
前日に「日本から来たウィーン歌曲の歌手がここでコンサートをする」みたいな楽しい放送を地元のテレビ局にしてもらったばっかりだったのですが、もう一度、コンサート5分前に地震についてインタビューさせてほしいと連絡があったり、ホールには「演奏者はすでに日本から来ているのか?」「明日のコンサートはあるのか?」という電話が鳴り、落ち着かない感じでした。
その後のツアーでも、ドイツ、スペイン、オーストリアと、行く先々で「お前の家は大丈夫か?」「日本から来たんだろう?家族は大丈夫か?」とスーパーのレジのおばさんや、ホテルの方など、多くの方に声をかけていただきました。
ウィーンのコンサートは「入場無料よければカゴにチップを」という形にしていたのですが、前回の倍以上の額をいただいて「これは私にじゃないな。地震の為に使えということだな。」と思ったので、帰国してすぐにそのお金でホールを借りて、チャリティコンサートの企画を練りました。
5年で5回のチャリティコンサートには、地元の演奏家にボランティアで出演していただいて、毎回20万円前後の寄付金が集まったので、合計100万くらいは寄付できたように記憶しています。
ここ数日、当時の映像がメディアでたくさん流れていますが、ここまで詳細な映像や、体験談は初めてなので胸が痛いです。
実は神戸の震災もウィーン留学中だったので知りません。どちらも、ある意味、なんとなく他人事だったりします。(そんなつもりはないのですが、実際そうなんだと思います。)
オリンピックが復興オリンピックから、いつの間にか「コロナに勝ったオリンピック」に変わりつつあり、その上、それさえもできず「コロナで上手く行かないオリンピック」になって、何のためのオリンピックかわからなくなって、今日の特集放送が終わったら、私はまた何事もなかったように過ごすのです。
何事もなかったように過ごせることに感謝していますが、今日でさえ、2時46分に黙とうしようと思っているけど、本当にちゃんとその時間に覚えているかどうか自信がなく、気がついたら時間が過ぎていたらどうしようと朝から緊張しているのです。それくらい、遠く、通過点が1点あるだけで、自分がなかなかつなげていけないことに、いら立っている部分があります。
先日の地震で、サバ缶工場の缶詰がたくさん落ちて凹んだというニュースを見ました。メールでその缶詰できる範囲で引き受けましょうか?とメールをしたら、どこかの指導が入って、凹んだ缶詰は売ることができないということでした。なので、今年はその工場の缶詰を買うことにしました。サバ缶の値段としては高級品になると思います。今の私のお財布でいくつ買えるかわかりませんが、少しだけ協力しようと思います。みなさんもサバ缶どうですか?お店のオンラインショップ案内しておきますね。
あとは、ヤフーの検索で「3.11」を検索してください。それだけで、あなたの代わりにヤフーさんが、10円寄付してくれるそうです。
昨日は夕日が大きくて、とてもきれいでした。