ハレノクニでワイン

11年間の島暮らしから、ワイン農家を目指して山暮らしへ。
グッドライフを探す旅と美味しいものを綴ります。

小便器の存在意義

2022-12-24 | 暮らしの日記

齢43にしてようやくわかった小便器の存在意義、の話。

 

新しい家にはトイレがたくさんある。

大便器×3,小便器×1。

4人家族なので、全員が同時にもよおしても大丈夫だ。

引っ越してきたときにはこの小便器が故障していたので、

前オーナーの手による木製ケースによって覆われて使用禁止となっていた。

引越して3か月目、水道屋さんに見てもらってただの詰まりであることがわかり、使えるようにしてもらった。

というのも、これまでの暮らしの紆余曲折を経て

小便器の存在意義について深く理解することができたからだ。

 

私は小さいころから「マンション暮らし」しかしたことが無かった。

福岡→綾瀬→鶴見→保土ヶ谷→西宮→保土ヶ谷までが家族での生活、

一人暮らしをした目黒、家族をもってからの不動前、綱島、すべてが集合住宅だった。

そして30歳の時に移住した島根県の離島、海士町で初めて戸建て生活を経験することになった。

しかし、海士町では「下水道」が施設されている町営住宅に住んでいたので、排水について特に意識することなかった。

 

今年の4月から約半年間生活させてもらった吉備中央町の「お試し暮らし住宅」は、戸建ての「汲み取り」だった。

トイレはいわゆる「ボットン」ではなく、簡易水洗なので普通の洋式トイレとそう変わらないが、

人生で初めての汲み取り。

いろいろ、衝撃的だった。

まずは、何がしかのトラブルで500ℓの便槽がすぐにいっぱいになった。

この時は海士町で汲み取りに携わっている友人のアドバイスでなんとか乗り越えることができ、

「汲み取り」世帯別平均使用量や注意点などについて学ぶことができた。

その後はざっくり4人家族で月に3~4千円が処理費用としてかかった。

流したものがすべて費用に変わるので、無駄に流さないことを学んだ。

便槽から空に向かって伸びているパイプが「臭突」と呼ばれるもので、先端のファンが壊れていると

匂いがなかなか悩ましいということも学んだ。

 

そして、現在の我が家は「単独浄化槽」式である。

(ほんとは「合併処理浄化槽」だと聞いていたので、「あれっ?」という感じだったのだが、それはまた別の話。)

汚物を浄化槽が処理してくれるのでランニングコストは年に一度の点検費用くらいと思っていたのだが、

業者から聞いてみると、日常の点検とメンテナンスに結構コストがかかるのである。

ここでもこれまでの方式とは理論も設備も費用も異なり、海士町の友人に助けを求めて一から学んだ。

 

生活していくうえで必ず出る排水をどのように処理するべきかは、

住んでいる地域の条件によって規定される部分が大きいと思う。

都市に生活していれば、排水について意識することもほとんどなかった。

しかし、いろんな条件で生活してみた現在では、排水を「減らす」ことと「汚さない」ことが

もっともコストが低い暮らしにつながるという当たり前の考えに至った。

 

その上で、我が家は男子3人である。

一日にするおしっこの回数たるや、かなりの数に上る。

大便器で流す水量は、節水タイプでも5ℓ以上。

小便器では1ℓ程度。

 

なるほど、だから田舎の家や民宿に行くと小便器が必ずあったのね、と合点がいった。

ゆくゆくはバイオマストイレなどの選択肢も視野に入れつつ、

今は小便器の存在意義を噛みしめながら湯気の立ち上る冬の寒さを噛みしめています。

そして、家の中に有るのに凍結防止ヒーターを設置しました!

この投資もきっといつか回収できるはず。。。

  

 

 

 

 

 

 

 

 



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