脳死判定12月6日

今日明日中にどうしても読み上げなければならないテキストがあり、じっくりとパソコンの前に座っていられない。音楽CD還流防止措置に関する文化庁のガイドラインも、結局、今日は発表されなかった。

昨年8月、仮死状態で生まれた赤ちゃんを「脳死」と判定し、両親の意向で生後18日目に、延命措置が中止されていたことが判明した。小児における脳死判定基準に法的拘束力はなく、曖昧な状態が続く中での措置ということになるが、臓器提供を目的とはせず、あくまでも緩和ケアの一環としての措置ということだ。

脳死を人の死とするか否か、20年近く前の脳死臨調でも活発な議論が行なわれていた。梅原猛氏を座長に、当時の厚生省で行なわれた公聴会の席で、私は、臓器移植を是とし、脳死を人の死と認める立場でスピーチをさせていただいた。その後の急激な医学の進歩により、今や、たとえ脳死状態であろうとも、近い将来、再び脳は生き返ると、誰もが思える時代となり、取り巻く環境は、がらりと変わった。

今回の乳児のケースのように、身内が望む緩和ケアとしての脳死による死を、容認するためにもまだまだ議論は必要だ。しかし、こと人の生死に関わる奥の深い倫理観を論ずることのできる日本人は、今の時代、非常に少ない。現代にふさわしい脳死臨調あるいは生命倫理に関する調査会が必要であり、委員には、梅原猛氏、養老孟司氏、大江健三郎氏を私は推薦する。
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