よりみち散歩。

日々の暮らしのなかで心に浮かぶよしなしごとを、こじんまりとつぶやいています。お役立ち情報はありません。

もしヒットラーが画家を諦めなければ

2014年08月26日 | 読書
宮沢賢治は「どんぐりとやまねこ」で
一番馬鹿でみっともなくて立派でない者が、一番偉いと断じたように
記憶しています。

偉い人って、一体なんでしょうね。

塩野七海さんは
日本人は転落をした人間が復活すると奇妙なほど讃え褒めそやすが、
日常で多くの誘惑をかいくぐり、普通の生活をコツコツ営み、
多くに迷惑をかけず、人畜無害な小市民のほうが、どれだけすばらしいか!

と当たり前を踏み外さない人たちを高く評価しています。

確かに、一理ある。


たまに思ったりするのです。

あのヒットラーが画家志望の青年時代、彼の才能を献身的な愛で支える女性がいたら
どうだったろうか、と。

ユダヤ人虐殺もなかったし、第二次世界大戦も起きなかったかもしれない。

貧しいアパートで夢を食べて、幸せな生活を送っていたのかもしれない。


そう考えると、誰かの思いやりや親切で、歴史は随分かわるものだなと感じる。

見捨てられたと思っていたこどもが、温かい笑顔で少し心を開くように。
誰かのわずかな優しさが、そのひとと地球民族をまもっていたのかもしれない。


人生は、幾層の分岐点をもっている。不思議。




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