よりみち散歩。

日々の暮らしのなかで心に浮かぶよしなしごとを、こじんまりとつぶやいています。お役立ち情報はありません。

局部を撫でたら、運気が上がる?

2016年09月21日 | 運気アップ
チェコに「黄金の小路」と呼ばれる場所がある。
往時、錬金術師たちがそこに起居していたことが、その名の由来だ。

カフカの生家があることでも有名である。


その道の先に、少年像がある。
ある部位を撫でると、幸せになれるという伝承があるらしい。



手擦れにより一箇所だけ輝いている部位があることに気づく。

そもそも、この像にはいろいろなイワクがつきまとっている。

最初「何と破廉恥な。それを切り落とせ」とある権力者に命じられた作成者がそれに従い、
その後「やはり大事なものがないのは奇妙だ。元通りにせよ」と指示が逆転し、
最終的に接着して、現在に至っているという。

そこから触れれば「失せモノが戻る」「大事なものが手に入る」という
パワースポットに昇格したのだというが…。


実際訪れた私は、近寄る気さえ起こらなかった。

見れば、触れて楽し気なのは、概ね若い女性ばかりで、
好奇心旺盛なお姉さま世代は、一瞥するのみ。

当然、男性はひとりも近づかない。
像を背景に、写真を撮ることすらしない。さもありなん。

同じツアーに参加していた女性(60代)は
「逆に、何かを失くしそうで嫌だわ」と苦笑していた。



日本人は、夫婦喧嘩をした神様を「縁結び」として崇め、
晩年は左遷された人を「学問の神様」と信奉する。

恋慕に目がくらみ大火事を引き起こした女性の墓が
「恋愛運アップのパワースポット」となる。

兎でも蛇でも蛙でも猫でも狐でも、あらゆるものを崇敬する、
ある種の懐の深さがある。

つまり、この像の経緯が気になるのではなく、
あの部位がよろしくないのだと思う。




この後訪れたカレル橋のパワースポット(聖人レリーフ)は、率先して撫でてきた。


数多の人が撫でるので、光沢を放っている。


(レリーフの伝説)

聖ヤン・ネポムツキーは、王に「王妃(妻)の告解の内容を告げよ」と命令された。
最初は拒んだが、王が執拗に迫ったため
「この中で最も清らかな魂の持ち主に告げましょう」と答えた。

王は従者たちに退出を命じ、ヤンと王、そして犬が残った。
するとヤンは、犬に近寄り、その耳元で何かをささやいた。
この侮辱に憤った王は、ヤンを惨殺し、カレルに遺棄した。

その数日後、川からまばゆい光があふれ、ヤンが昇天した姿を現した。



かなり残酷な伝説だが、こちらは抵抗なく触れることができるのだ。
やはり磐余よりも、部位が肝要だ。



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