よりみち散歩。

日々の暮らしのなかで心に浮かぶよしなしごとを、こじんまりとつぶやいています。お役立ち情報はありません。

やりがいを感じないのはチャンス

2016年10月09日 | コラム
北野武 著『超思考』の中に、こんな文章があった。

気が進まないくらいの方が、いろんなことが良く見える。

どんな仕事にだって、誰も気づかない盲点というものがあるのだが、そういうものに気づくのは
好きでたまらない人間よりも、むしろちょっと引いたところから眺めている部外者だ。

仕事を探すなら、自分のやりたいことは何かなんて考えてはいけない。

仕事にやりがいがないなんて悩む必要はない。

もし今の自分の仕事にやりがいを感じないとしたら、それは不幸なことではなくて、むしろチャンスなのだ。

自分はこの仕事を冷静に見る目を持っていると思えばいい。

冷静に考えれば、どんな仕事であろうとも、今よりは面白くできる。




本文とは関係ありません


なかなか素敵な思考である。

ただ、冷静さと俯瞰力を有するゆえに、かなり難しい局面の輪郭を
明瞭にとらえてしまうことも、人生には多々あるものだ。

しかし「やりがいを感じないのもある意味、長所」と思えれば、少しは気楽だ。

私も「好きなことは仕事にしない」タイプだが、
最近は「好きな事だけやりなさい」系の自己啓発本があふれかえっている。

いや、ちょっと待った。


働く人には4つのタイプがある。

A 好きなことで成功する人(例:ジョブズ、尾田栄一郎)

B 好きじゃないことで成功する人(例:林修、黒澤明)

C 好きなことで成功しない人(数多いる)

D 好きじゃないことで成功しない人(そりゃもう星の数ほどいる)


多分、Aタイプの人は「みんな、Aで行こう!自分はできたから!」というノリなのだろうが
それは万人に通用するものではない。

好きなことで糧を得るのは、畢竟、欲求(したいこと)が義務(しなければならないこと)に変容するということだ。

私はそれに耐えられそうもない。
一番好きなことは、義務から遠く離れたところに置きたい。


おそらくAの人が一番満たされ、Dが最も欠乏感を抱えていると推測する。

自己啓発系で取り上げられるのは、成功法則だからAかBということになる。

ただ、BとCのどちらが充足感をおぼえるかは、何ともいえない。


何を自分の中で優先とするかは、自分で決めるしかない。


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家族なのにどうして

2016年10月09日 | 韓国ドラマ
美術なら印象派を中心とした西洋絵画、 映画ならハリウッド系(※最近は映画離れをおこしているが)、
ドラマなら韓国、というふうに、私の中で識別されている。

韓国ドラマでも、あまりドロドロしたものは好きでない。
テンポが良くて、できれば悪い人が出てこなくて、笑えて泣けて、心温まるものがいい。

今まで観たドラマの中で№1を挙げるとすれば「家族なのにどうして」である。
韓国では最高視聴率44.4%を記録した大ヒットドラマ。




(ネタバレあり)



豆腐屋を営む父スンボン(妻は次男を産んで他界)と共に暮らすチャ家の三姉弟。

長女ガンシムは大企業の会長秘書、長男ガンジェはエリート医師、そして次男のダルボンは就職浪人中でバイト生活。

父は子どもたちに愛情を注ぐが、彼らは自分のことで忙しく、感謝もせず親に迷惑をかけどおし。

母親の命日に集まることもなく、父が入院しても誰ひとり見舞いにも来ない。

そんな中、父スンボンはある診断を受け、「親不孝訴訟」を起こす。

「これは子どもたちに対する最後のお仕置きなんです」 と…。

詳細は予告編を。



スンボン役のユ・ドングンさんはこのドラマの演技が高く評価され、
KBS最優秀演技大賞(1年を通じてKBSで作成したドラマの中で最高の賞)を授賞。
皆、演技が巧いのだが、本当に父親の悲哀が滲んでいてリアルだった。

私は彼の病院での演技が印象に残っている。

長男(医者)の健康が心配で、お弁当をもって大病院へ訪ねていくも 息子は彼女の手弁当を食べており、
見つからないようにこっそり、トボトボ廊下を引き返すシーン。

自分が入院したとき、同じ部屋の患者たちには家族が会いに来ているが、スンボンのところには誰もいない。

ひとり寂しそうにスープをすすり、その後携帯に娘から「行けなくなった」と電話が入ると
隣の患者に「うちの娘から連絡があったんですよ!大企業の秘書なんで来られないのだけど 電話をくれる優しい娘なんです」
と聞かれてもいないのに、得意そうに吹聴する、もの悲しいシーン。

あと、長男(腕のいい外科医)の病院に入院することになり、患者服を着て長男と歩くと、
皆が礼をつくすので「なっ、なっ、皆がお前に頭を下げるんだな!」と無邪気に喜ぶシーン。



抱腹絶倒のコメディー場面もたくさんで、笑って泣けて、ハラハラして
家族がだんだん心を通わせる温かいドラマである。

撮影終了後にご褒美旅行として関係者が済州島に行ったようで、
本当に家族のように仲が良かったんだなと思った。


このドラマで気に入った俳優が次男を演じたヒョンシク君。



顔小さくて、愛くるしい感じが何とも素敵。

ソウル役の女性と洋服のCMにも出演しているが、スタイル良くてカッコいい!



今、テレビで放映されている「上流社会」にも出演しているので
彼目当てで視聴している(ドラマのつくりはそこそこかな、と思う。)。



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