「お尻の筋肉」を鍛えるべき理由
臀筋は、お尻の中にある大きくてパワフルな筋肉で、骨盤を支えたり、
股関節を安定させたり、腰臀部の動きをよくしたりといった大切な役割を担っている。
【写真】下半身を鍛える「ランジ」100回を1ヶ月やり続けてみた結果
SNSにはスクワットなどのエクササイズで臀筋を鍛えることのメリットを
熱く語る投稿が無数にあるけれど、大抵の“ジムフルエンサー”は、
見た目のために臀筋を鍛えている。 でも、お尻を強く大きくすることが大事なのは、
見た目のためなんかじゃなくて、臀筋が筋骨格系の健康に欠かせないから。
今回は、オーストラリア版ウィメンズヘルスからお尻の構造やお尻を鍛える
おすすめのワークアウト4選を見ていこう。
※この記事は、オーストラリア版ウィメンズヘルスから翻訳されました。
臀筋は、体を支えて股関節を守ってくれる
臀筋は、解剖学的な構造と機能が異なる3つの筋肉から成っている。
お尻のもっとも深い場所にある小臀筋は、その名の通り3つの中でもっとも小さく、
股関節に隣接している。その上にある中臀筋は小臀筋より大きくて、
骨盤の外表面全体に広がっている。 最後の大臀筋は3つの中で、
もっとも大きく、中臀筋と小臀筋の両方を覆っている。
お尻を“お尻らしい形”にするだけでなく、体を正常に動かすうえで非常に重要な筋肉。
<イラスト>臀部 ・Gluteus Medius 中臀筋 ・Gluteus Maximus 大臀筋 ・Sacrum
仙骨 ・Pelvis 骨盤 ・Gluteus Minimus 小臀筋 ・Piriformis 梨状筋 ・Obturator
Internus 内閉鎖筋 ・Quadratus Femoris 大腿方形筋 ・Thighbone
大腿骨 ・Superior Gemellus 上双子筋 ・Inferior Gemellus 下双子筋
臀筋は、連動して働く筋肉の集合体。大臀筋、中臀筋、小臀筋は
連動して股関節を多様に動かし、ウォーキングやランニングで生じる衝撃を吸収する。
この3つの筋肉は脳とも連携し、重力に逆らって体を立たせるためのパワーを生み出す。
また、臀部の筋肉は、長期的なダメージを与えかねない衝撃や
せん断力(物体にズレを生じさせる力)から股関節を守ってくれる。
変形性関節症研究学会発行の学術誌『Osteoarthritis and Cartilage』掲載の論文によると、
腰臀部に痛みがある人の中には、臀筋の機能障害もある人が少なくない。
このような機能障害は、関節を長期的なダメージから守る臀筋の能力や、
自分の体重を自分で支える能力(片脚で立ったり、階段を上ったりする能力)
を弱める可能性がある。
また、大転子疼痛症候群(臀部腱障害)のような腰臀部疾患の患者には、
臀筋の縮小と脂肪をはじめとする非活性組織の増加が見られることも報告されている。
これは、変形性股関節症にもいえること。
オーストラリアの変形性股関節症の発症率は上昇しており、
人工股関節置換術を受けた人の7人に1人は55歳以未満。
でも、レントゲンやMRIで股関節炎のサインが見られたからというだけで、
必ず痛みが出るということにはならない。
スポーツ医学専門誌『British Journal of Sports Medicine』掲載の論文によると、
若者の変形性股関節症の発症リスクには、その人の体の動かし方が関連している。
そのため、豪王立総合医学会のガイドラインは、股関節が痛い場合の一次治療として
臀筋の強化を挙げている。 臀筋が強くなれば、(変形性股関節症の場合はとくに)
日常的な身体機能が改善することも分かっている。 変形性股関節症でも臀筋が強い人は、
臀筋が弱い人より歩くペースと階段を上るスピードが速く、歩く距離も長い。
臀筋のワークアウトは、みんなするべき?
臀筋機能を強化して損をする可能性は低い。
そのため、医師や理学療法士、ヘルスケアの専門家は、
臀筋を鍛えて腰臀部周辺の痛みを和らげるためのエクササイズを処方することがある。
臀筋が弱いことによって起こりうる問題は:
1.腰痛
2.膝蓋大腿関節症(ヒザの皿の下に痛みが出る)
3.大転子疼痛症候群(臀部腱障害)
また、さらなる研究が必要な分野ではあるけれど、臀筋の強化は、
骨盤底筋を健康な状態に保つうえで重要という説もある。
もちろん、問題の要因はケースによって異なるので、
臀筋を鍛えれば、このような疾患が自動的に治るというわけではない。
でも、パワフルな臀筋が股関節や骨盤の安定性と機能に重要であることは間違いない。
だから臀筋のワークアウトは、ジムフルエンサーにも、
プロのアスリートにも、ごく普通の私たちにも必要。
臀筋の強化にオススメのワークアウト
どのエクササイズも40秒。
1つ終わったら、20秒休んでから次のエクササイズへ。
チャレンジ期間の初日に各エクササイズが40秒で何回できるかを数えておいて、
最終日の回数と比べれば、臀筋の成長度合いが分かるはず。
ラテラルランジ&バランス
直立の姿勢から片足を横に大きく1歩出す。
お尻を後ろに引いて、反対の脚を伸ばす(ラテラルランジ)。
曲がっているほうのヒザを伸ばして直立の姿勢に戻りながら、
伸びているほうのヒザを引き上げて片脚で立つ。
その状態を20秒キープしてから脚を下ろし、反対側でリピート。
マウンテンクライマー・スプリント
ハイプランクのポジションを取り、肩の真下に手首を置く。
尾骨をたくしこみ、かかとを上げて、おへそを引き込む。
片方のヒザを胸に近づけたら、戻すと同時に反対のヒザを胸に近づける。
40秒間、左右交互にヒザを素早く動かして。腰を左右平行にして、
お尻を上げないことが大切。かかとはピンと天井を向くように。
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