芳野星司 はじめはgoo!

童謡・唱歌や文学・歴史等の知られざる物語や逸話を写真付でエッセイ風に表現。

安藤昌益の言葉

2016年09月03日 | 言葉

   速かに軍学を止絶して、ことごとく刀剣鉄砲弓矢すべて軍術用具
  を亡滅せば、軍兵大将の行列なく、止むことを得ず自然の世に帰る
  べきことなり
 
           (寺尾五郎/訳)

 昌益とジャン・ジャック・ルソー、イマヌエル・カントは、ほぼ同時代人である。
 昌益が謎の書「自然真営道」とそのダイジェスト版ともいえる「統道真伝」を書いたそのおよそ40年後に、カントの「永遠平和のために」が著された。軍備廃絶の思想である。
 カントはその著作に「人類一般に妥当するのか、決して戦争を止めようとしない国家元首らに妥当するのか、或いは甘い夢を見る哲学者のみに妥当するのかは未定としよう。」という言葉を添えた。
 カントの「永遠平和のために」は後世アメリカのウッドロウ・ウィルソン大統領に影響を与えた。ウィルソン大統領の理想主義は日本の若き外交官・幣原喜重郎らにも影響を与えていた。