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【映画・レビュー】足掛け8年・全32巻の漫画をまさかの実写化~沈黙の艦隊

2023-10-13 08:56:35 | 映画・テレビ・アニメ
昭和生まれの男子で戦争マンガ好きなら誰もが一度は読んだことがある「かわぐちかいじ」氏の原作『沈黙の艦隊』
1988年から1996年まで『週間モーニング』で連載され単行本版は、全32巻発刊 自分は、若かったころ定食屋や床屋の待ち時間で読んだ記憶が蘇ります。(もちろん全巻読んでいないので多くを語る資格はありませんが)
そんな大作の漫画がここへ来てまさかの実写化!
 
映画『沈黙の艦隊』【予告】|9月29日(金)全国劇場公開!
 
【最新映像】映画『沈黙の艦隊』ファイナルトレーラー|9月29日(金)全国劇場公開!

予告編を見てこれは見たい!と、思った日本映画も久しぶり。
甲府市郊外にある映画館までは、車、電車バスを乗り継いで片道1時間半かけて行かないと観ることが出来ないので、重い腰をあげるにはそれなりの作品でないと!
期待を裏切らない作品であればいいな。などと思いつつもウィークデーの初回を鑑賞して来ました。
観客は、全員で10人ほど。休日の午後の回だとどの位入るんだろう?と、ちょっと気になってしまいました。
田舎のシネマなんて所詮そんなモンかと思っていましたが、以前良く通った東京府中でも大作の動員数は、毎回減っていた記憶があるので映画離れは、益々深刻なんだろうな。と、思いました。(以前はシニア割で1,000円で観られたのに今は1,300円に値上がり)

【観た感想】
32巻もの壮大な漫画のエピソードの中で、果たしてどこを切り取るのかが見物でしたがホントの序章だけを切り取った作品でした。
まぁ、この映画だけであればネタバレも無いのでそのまま書かせてもらいますが
「あらすじの紹介だけで終わった」
と、言った感じでしょうか。
もちろん漫画で描かれていた社会情勢を現代の状況に併せていたり登場する乗組員や内閣府に女性を起用していたりこの映画だけに登場する新たな役どころがあったり。
正直一見さんだと、エンドロールが流れ出して
「えっ!独立国家「やまと」って、潜水艦だけで?「日本」のこと?、海江田はこの後どうする気?この後の続きは?」
と、なると思います。
日本の核武装論、核抑止から核廃絶後、世界秩序と世界平和もまぁ良しとしましょう。
所詮、壮大な漫画で語られているものを2時間の映画にまとめるのは無理と言うものです。
ここまで、良いことは一言も書いていませんが、あえて言わせてもらえれば…。
邦画の中でも近年稀にみる良作だと思いました。
今は、邦画でもここまで描けるんだと正直思いました。
もちろん海上自衛隊や防衛省、米海軍第七艦隊など全面協力あっての作品ではあるのでしょうが。
米海軍第七艦隊の主艦船が大海原を航行 もうそれだけでも鳥肌モンでした。
海上自衛隊のホンモノの潜水艦でロケをしたそうですし。
もう艦船好きならそれだけでも観る価値アリ!
また、機密情報が多いことで有名な潜水艦内部の操舵や操作室などの細かな造り込み。艦ごとに異なる造り込みも使い回しでないわけで、特にシーバーッドは最新鋭艦らしくありがちなチープさは感じられませんでした。
(艦影が現在就航しているものから逸脱していないのは良かったと思います。もし、SF映画に登場するようなチープな艦影だったら一気に興ざめする事でしょう)
ソナーのエコー映像なども良くぞここまで再現してるなと思いました。
(軍規違反で持ち出した音声データがオープンテープって言うのも笑ってしまいましたが。)
戦闘シーンのVFX映像 特に魚雷発射の映像やトマホークの落下映像などありえないシーンは、全てCGなのでしょうが違和感なく観るものを引き付けてくれます。
従来の名作潜水艦映画のあるある「心理戦」も十分描いてくれていて面白かったです。
また、この作品に重厚感を持たせている一つに俳優陣の演技力にもあると思います。特に主役の「大沢たかお・玉木宏」両氏は、誰もが知る名俳優ですが適役だと思いました。
脇役の豪華俳優陣もなかなか適材適所で魅せてくれていました。
登場する内閣府のメンバー達も実際の人物像と重なり今の政府のダメっぷりを対比させて見せているところも中々面白かったです。
また、今回導入されたという撮影カメラ ドイツARRI社製“ALEXA35”+“Leitz Prime”言う最新鋭の機材も今までの邦画にはなかった画風がこの作品に重厚感を持たせる理由の一つになっている事でしょうか。

ここまで大風呂敷を広げてしまった以上続編を期待したいです。
現実問題は、いろいろと難しいものもあるでしょうが制作・配給会社のAmazonスタジオさんが何とかしてくれる事を期待しつつ次回作を待つことに致しましょう。


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