手足を治すと体が治ります
芸術家 岡本太郎さんの詩集から
生きる瞬間、瞬間に絶望がある。
絶望は空しい。しかし絶望のない人生も空しいのだ。
絶望は、存在を暗くおおうのか。
誰でも絶望をマイナスに考える。
だが、逆に猛烈なプラスに転換しなければならない。
絶望こそ孤独のなかの、人間的祭りである。
私は絶望を、新しい色で塗り、切り開いて行く。
絶望を彩ること、それが芸術(生きること)だ。
絶望するとき、あたりがくろぐろと淀む。
その虚しさを抱きながら、
私はまったく反対の世界をひらくのだ。
絶望のブルー。目の前に、
透明のブルーが流れている。
そしてその向こうに、
紫のニュアンスがすっと切り抜ける。
そして、キラッと真っ赤な線がひらめき、
そのなかを舞うのである。
それが、絶望の色。リズム。