髭を剃るとT字カミソリに詰まる 「髭人ブログ」

「口の周りに毛が生える」という呪いを受けたオッサンがファミコンレビューやら小説やら好きな事をほざくしょ―――もないブログ

「虹のシルクロード ~ジグザグ冒険記~」 レビュー (ファミコンソフト)

2010-11-14 22:12:24 | ファミコンレビュー
RPG
発売はビクター音楽産業
1991年2月22日発売


あらすじとしては
ゲームでのオープニングを漢字変換で送ろう。

 シルクロードの 片隅に
 リタルランドという 小さいけれど
 平和な 国が ありました

 ところが ある時 リタルランドは
 ズルーという 悪大臣に
 乗っ取られて しまったのです

 ズルーは
 生まれたばかりの 王子まで
 亡き者に しようと しました 

 そこで もう一人の 大臣
 ラドリーは 乳母に 王子を連れて
 逃げるよう 命じたのです

 ラドリーは 王の 証である
 虹の鏡を ひそかに
 お城から 運び出しました

 王子が大きくなるまで
 ズルーの 手から
 虹の鏡を 守るために

 そして
 長い 年月(としつき)が 過ぎました
 
画面が切り替わり乳母が伝えてくる。

 乳母「あなたは
  故郷の リタルランドを
  ズルーの手から 取り戻すために

  7つに 分かれた
  虹の鏡を 全て
  探し出さなくては なりません

  虹の鏡の ありかは
  ラドリー様の 巻物に
  記されています」

主人公は王家の証である『虹の鏡』を集め
『ズルー』の手から『リタルランド』を奪還する事ができるのか?


特徴は

このゲーム、RPGなのに
レベルがなく、経験値もなく、敵を倒してもお金が出ない。
だが、HPは防具を装備する事で上がる。
では、その重要な装備品を買う金はどうやって確保するのか?
それは、町々にある物の売買によって稼いでいくのだ。

簡単に言うなればお金を稼ぐには

A町 砂糖=50円  塩=100円
B町 砂糖=100円 塩=50円

という相場で物が売買されていたとしよう。
このゲームでは売値と買値は同じである。

A町で買った砂糖をB町で売り
B町で買った塩をA町で売って
その差額で儲けるという方式。


その買った商品を大量に積む事が出来る動物を連れて行く事が出来る。

水という概念があり
コマンドを開いた時、左上のゲージが水の量である。
町に着いた時などにこまめな補充が大事である。

それに仲間は存在せずお金を払って雇うという形式。
最大3人までOK。但し名前はなく
『へいし1』『へいし2』『へいし3』という感じ

一般RPGなら大体ある『呪文』や『魔法』に類するものはない。


得点は5点。


良い点
・道具の効果を説明するキャラが序盤で加入する


悪い点

・作業ゲー
・工夫無し
・乗り物壊れる
・終盤のイベント


良い点の解説
・道具の効果を説明するキャラが序盤で加入する。

 他のファミコンのRPGの多くは用量確保の都合上、説明書に書いてあるとか、
 使ってみて効果が判明するってのが殆ど。
 中古で買って説明書がなかった自分には物凄く親切だと思った。

 ただ、これで容量を使って後の事に響いたというのなら悪手だったとしか言えない…


悪い点の解説

・作業ゲー

 特徴で書いた通り
 このゲームでは普通のRPGと違い、敵を倒してもお金が手に入らない。
 町で買ったアイテムを別の町で売った差額で儲けるというシステム。
 好きな人にはいいのかもしれないけど、町の行き来を何度も行わなければならず
 実に面倒。


・工夫無し

 上記、作業ゲーになっているのにその作業感を薄める工夫はない。
 単純に苦労してお金を貯めたらそのお金を元手に特別な事が出来るみたいな要領でね。
 「がんばれゴエモン外伝」みたいに見世物小屋でショートコントが見られるとかね。
 女湯を覗けるでもいい(おい!!)
 何にせよ。
 話を進めるための作業&作業&作業でプレイヤーは全く報われない。


・単調な戦闘

 戦闘の行動のバリエーションも少ない。
 (敵の特殊攻撃が事実上、『毒』、『眠り』のみ。
 このゲームには『経験値』や『レベル』もなく、『魔法』も無い。
 そういった主人公の育成要素が武器装備だけという
 ゲームバランス上、敵もいやらしい事をする敵もいない。
 攻撃を続け、体力が減ったら回復というだけの単調な戦闘が続く。


・乗り物
 このゲーム、主人公自身で可能な瞬間移動系のアイテムなどの手段がない。
 その代わり、町の間を行き来する乗り物がある。(行き先は乗り場によりある程度決まっている)
 『絨毯』や『船』。料金を払うと乗り込む事が出来るのだが

 絨毯:大量の商品を載せた『動物』を運べないからほぼ意味なし…
 船:『動物』も載せられるんだけど途中で壊れる可能性あり。
  『船』は沈没。
  一定確率に発生するのでプレイヤーはどうする事も出来ない。
  一応、持っている物などは無事だけどマップ途中で放り出される形となる。

 金払ってこの仕打ちは何?
 非常に腹立たしく、乗り物を利用する事はなくなる。
 となると結局、町間の移動は歩いていくことになるんだけど…
 エンカウント高めでだりぃ…


・終盤のイベント

 下記ネタバレ欄参照。
 起こった瞬間に

 「は?」

 と、髭人は暫く固まっていた。

 ゲーム性に沿わない最悪のイベントを入れた製作者はある意味、尊敬に値する。



まず、戦闘面について…
レベルがないから戦闘が単純化するのだ。
「ドラクエ」や「FF」なら『毒』『痺れ』『眠り』『暗闇』などの状態異常や
攻撃力増減、素早さの増減など
戦闘を支援したり厄介にする呪文や攻撃などあるものだ。
同じ敵であってもザコでなければ敵の動きで
こちらの対応も変えねばならず緊張感が続く。

だが、このゲームには無い。
道具で戦闘補助があるけど使いたくなる局面は少ない。
似通った戦闘の連続。ただただかったるくなるだけである。
あくびが出て、眠くなる。
だが、その割にエンカウント率は高いからイライラする。
逃げられる確率が異様に高いのがやや救いか?

仲間は兵士をお金を払う事で雇えるのだが台詞がないどころか
「へいし1」「へいし2」といった感じで名前すらない。
これでは愛着を持ちようが無い。


戦闘面はこれぐらいにして…
このゲームのウリとしている商売要素…

悪い点で指摘したように作業感が酷くそれを薄めるような工夫がない。
『虹の鏡』を7つに分けたって事もあって7つの地方に行くが
新しい地方に行って別の商品を売買するだけである。

このゲーム何も洗練されていない。
戦闘面は勿論、商人部分も差額で儲けるというぐらいが他RPGと異なるってぐらいで中身が皆無。
面白くする気あったんかな?
何と言うか作り手は商人RPGで面白くなるだろうと見切り発車したけど
何も面白くならず、そのまま知らぬ間にゴールを迎えてしまったダメゲーって感じかね。

『斬新クソゲー』あるあるに該当するわな。

作り手は他のゲームに見られない『斬新さ』を入れる事だけに注視して
肝心な『面白さ』の追求する事を忘れるという奴である。

『斬新さ』は大事だがそれはスタートラインである。
その斬新さを活かして面白さというゴールに向かうべきなのにな。

斬新さだけ出して後は「ただゲームを完成させる」ってことぐらいしか
このゲームの点は見受けられない。
考える時間がなかったのか考えるアイデアが足りなかったのか…

ただ、そのゲームで終わっていればまだ『30点』ぐらい付けていたが…
それをはるかに下回ったというのは…
ネタバレ欄をご覧くださいませ…


さて、この「虹のシルクロード」こう思う人ぐらいにオススメだろう。

「人間のレベルアップは限度があるもんだ!RPGにはそういったリアルさがない!」
「敵を倒したらお金が手に入るなんておかしい!
 人間であるのなら商売で金を貯めてこそだろ!」
「ファミコンのRPGを全部制覇したい!」


という考えの人にはどうぞというゲーム。

作曲は「小林亜星」氏らしい。
ふぅ~ん。

残念ながら記憶に残る曲がない…
作業感酷すぎて眠かったしな…
ファミコンの音源じゃ、良い曲を作るのは困難って事か。
となると、「すぎやまこういち」氏は偉大だなぁ~。

PS)画像、何か「ハドソン」の『桃太郎』チックだよな。
 まぁ、作った人が「貧乏神」らしいからな。
 キャラデザインが一緒なのかは不明。



ここからがネタバレ




















当レビューご覧の皆さま、お待たせいたしました。

では悪い点の

・終盤でのイベント

を紹介しようではないか!!
このレビュー、最大のキモである。
ええ~。このゲーム。
ラストの大陸(ジパング)に行くために船に乗る事になる。
プレイヤーは

髭人「ラストの地か~。
 『ズルー』がラスボスなんだろうけど
 どんな奴なんだろ?
 今の所全く出てないけどね。
 それはそうとどんな結末を迎えるんだろうか?」

などと、胸を高鳴らせている瞬間だろう。
だが、その地のたどり着く前に…

何と船が沈むのだ。

その際に

『お金』『装備』『アイテム』『雇っていた仲間』

などが消滅するのである。
残るのはイベントアイテムの『鏡』のみである。
ドラゴンクエストII」で言う『紋章』って扱いだ。
上記の通常の船の沈没は町で船を利用したときのイベントであり確率で沈没するのだが
こちらはストーリー上のイベントでの沈没。必ず起こる。

髭人「は?」

思わず手からコントローラが零れ落ち、暫く茫然自失となった。

このゲーム、『レベル』がないのである。
『装備』を失うというのはレベル1にされたに等しい。(防具がHP上昇を兼ねているし)
今まで積み重ねてきたものを破壊しつくされるのである。
この時には地道に稼いだ数十万ぐらいの金が…

『0』である。

あまりにも酷い仕打ちである。

そんなプレイヤーを失意のドン底に突き落としたのだから
その後、終わりまでにかけて大逆転させるようなエンディングがあると思うやん?
あるに決まっていると思うやん?

うっ…ううっ……(涙)

では、語りましょう。
本作の驚きのラストを大いに語りましょう!!

取り敢えず鏡以外の『道具』『装備』などすべてを失い『ジパング』にはたどり着く…
着いた場所で歩き回り、その地で強い『装備』だけは見つける。
それからラスボス戦に行くのだが…
その前に言いたい。

『装備』で主人公の素体を強化するのがこのゲームである。
武器防具は大抵、町で購入するって事になるのだから
苦労に苦労を重ねた作業でやっと主人公自身を強く出来るのだ。
いわば『装備』はプレイヤーにとって自分自身の努力を形にした『勲章』と言ってもいいだろう。
それをなくしたから代わりのものを「はい。どうぞ」じゃ納得いかねぇんだよ。
愛着も何もあったもんじゃねぇ!!


ラスボス戦
急に増援として
HPが表示されないプレイヤーを支援するNPCキャラ(つまり死なない)が参加してくる。
ひたすらそいつが主人公を回復をしてくるので死ぬ事はない。

ラスボスも通常戦闘と同じ曲。
そしてラスボスは『ガロン』である。

髭人「『ガロン』?誰それ?
 『ズルー』じゃないのか?
 ああ…『ズルー』に代わる黒幕なのか」

って?
いや、黒幕でもなんでもなくこいつは国を奪った『ズルー』の『部下』である。
これと言って『ズルー』を蹴落として『リタルランド』を乗っ取ろうとして訳でもない。
普通の部下のようである(『ズルー』とのやり取りなどの描写はない)

その戦闘。
ダメージを受けてもNPCが勝手にHP回復してくれるので

寝転がってケツをかいたり、片手で鼻くそをほじりながらも
Aボタンを押していればラスボスを倒せる仕様。
緊張感の欠けらもない。

そして、部下である『ガロン』を倒したら
イベントとしてプレーヤーは話の流れを見守る事になる。
(ロクに操作する事はない)

元大臣の『ラドリー』が出て来て
7つの『虹の鏡』を台座に収める事で『虹の浮舟』を呼ぶ事が出来るのだという。
(その『虹の浮舟』が何なのか別に説明はない。ただの乗り物なのか?)
台座に鏡を収めた現れた『虹の浮舟』に乗る事で『リタルランド』に戻る事になる。

『リタルランド』に戻り
『ズルー』に対して最後に手に入れた『虹の剣』を振りかざすと
7色の光が炸裂し『ズルー』は逃げ去る。

『ズルー』が逃げた事により
『リタルランド』を『ズルー』から取り返して平和な世界になりましたという
ひねりも無く小学生すら不満を残すだろう普通極まりないエンディング

髭人「は?」

と、エンディングの呆気なさに固まってしまった。
このゲーム、2度目である。

肝心の『ズルー』には逃げられているし納得いかねぇ…
そのエンディング…
まぁでも、『リタルランド』を取り戻したというと
何か普通のハッピーエンドに思えるじゃないですか。

「本来の目的を果たせたのならよかったじゃないか」

ってね。
でも、コレ全然、普通じゃないんだよね。
何でかって?

『リタルランド』がゲーム中、一切出てこないのだから…

ゲーム中、町として登場するどころか…
例えば

町民1「『リタルランド』は『ズルー』って奴がが統治しているらしいんだけど
 かなりの悪政らしくて国民は苦しんでいるらしいよ」
町民2「私は『リタルランド』から逃げて来たんだ。
 あの王の『ズルー』の酷い事酷い事…」
町民3「前の王様に戻ってくれれば…」

みたいな町の住民の話さえない!!
全くない!!

あらすじに「シルクロードの片隅に」とか書いていたけどさ…
ゲーム中に出ていた太い道が『シルクロード』なんだろうけど
『リタルランド』なんてものは欠片も出てこない。
「シルクロードの片隅に(大嘘)」が正しい。

その結果、ゲームでのつながりが一切なく、
国の規模などが全く分からないオープニングに出て来ただけの
ポッと出の国の王になったなんて言われたって
実感、嬉しさ、達成感…全くの皆無なんだが…
と言うか、エンディング時、名前が出て来てやっと思い出すレベルである。
だから髭人の心境は

髭人「あれ?主人公の国の名前って…何だっけ?
 ああ…『リタルランド』だっけか…
 そんなクソ国どーでもいいから、稼いだ金を全て返せよ!!」

誰がこんなもんに納得するのか?
しかしゲーム内の中身が皆無だと

「(オープニングとエンディングだけ)すり替えておいたのさ!!」

って言われてもてんで違和感がない。
何でストーリーと内容が全く混ざらない内容にしたのか…

それで名前だけにしか過ぎない『リタルランド』の王になったという
全くテンションも上がらず、ただただ首をかしげている中
その後、エンディングはどうなるかというと…

「お し ま い」


と表示されるだけでスタッフロールすらない。

「は?
 マジでこれで終わりなん?
 う、嘘だろ?
 このまま放置していたらちょこっと続くみたいなパターンがあるんだろ?」

数分、待ち続けたが何も変わらない。
空けていた口は更に大きく空いていく…
口の渇きと激しい徒労感に襲われながら
髭人は静かに電源に手を伸ばしたのだった。


髭人がこのゲームを物を申すならまず

[シナリオ面]

 物を買って儲けるRPGなんだから
 追われた国は捨てて自力で国を興しましたって良かったんじゃないだろうか?
 髭人ならばこんなエンディングにしたかな?

 上記のイベントでの船の沈没イベントで集めた鏡を無くしてしまう。
 だが、お金は無事。

 「鏡が『リタルランド』の王家の証明になるのに…
  これでは『リタルランド』の王になれない…
  けど…まだボクが稼いだお金は無事だ…
  ならば!」

 そう言って、自分の稼いだお金を用いて小さい城を建城して

 「この小さな城からボク自身の国は始まるんだ…
  自分の力だけで『ズルー』が統治する『リタルランド』より
  大きく、それにいい国にして見せる!」

 みたいなエンディングの方が鏡要素否定しちゃったけどまだマシだと思うんだよな。
 主人公、希望に満ち溢れているでしょ。

 飽くまで『鏡』要素をなくしたくないのなら
 鏡を使ったら『ズルー』は実は悪魔が姿を変えていただけって感じで(『ラーの鏡』かい)
 そんで『ズルー』を倒して『リタルランド』の王様になった。
 で、ええやん。

 ただそれでも全財産無くすイベントを埋めることは不可能だけど
 永遠にハッキリしないこんな宙ぶらりんエンドよりマシでしょ?

 『ズルー』を逃がしたって事は続編示唆の意味合いがあるのかもしれない。
 続編示唆つったって出せば数十万や良ければ百万の数を超えて売れるファミコン初期ならともかく
 1991年2月発売の本作。
 って事は既にスーパーファミコンが発売されているのになぁ…
 (1990年11月21日発売)。
 ファミコン後期というか末期に片足突っ込んでいますというような時期である。
 スーパーファミコンが発売されると分かって
 制作意欲がなくなったんじゃないかとさえ思える。

 それにメーカーだってゲームメーカーとしては優良ゲームが乏しい
 「ビクター音楽産業」
 目を引く要因があまりにもない。ヒット作もねぇし。
 せいぜい有名な作曲家「小林亜星」氏ぐらいか?
 でも、残念ながら「小林」氏だけでゲーム買おうにはならんわなぁ~


次に
[システム面]

 折角お金を稼ぎまくるんだからそれにあわせたお遊び的特典要素も
 全くと言って取り入れられていない。
 ゲームの本筋とは全く関係ないような物を購入できるとかね。
 例えば家を買えたりとか…
 ドラクエで言う「あぶないみずぎ」みたいなめっちゃ高くて
 お遊びだけどコレ買ったら凄いみたいな物
 他には雇えるのが男ではなく
 ビキニアーマーの女になるとか面白い工夫は出来たはずなのに…

 このゲームはひたすら町を行き来するという作業の繰り返し…
 あまりにも遊び心がない。
 そしてその後に待っていたのは…
 そう!!地獄みたいなものである。

[イベント面]

 何故にお金を稼ぐRPGなのに
 何故、ラスト直前で無一文になるなどという言う
 このゲームの魅力を全否定するかのような
 異常なイベントを入れたのか製作者の神経を疑う。
 災害などで財産を失っても「命あっての物種」なんて言葉があるけど
 ゲームでそんなの教えられても困るんだけどな…
 そもそもお金を貯めるのが主目的なのにそれをぶっ潰すって…
 何がしたいの?何をしたかったの?

 検索してみたらこのゲームの製作者が
 「桃太郎電鉄」シリーズの『貧乏神』のデザインの元となった『榎本』氏という話
 そういわれればある程度は理解はできるが…
 (理解できるだけね。認められる訳は到底ない)
 『貧乏神』というよりただの『鬼』だわ。

 あのイベント時の虚無感は異常…
 何でプレイヤーに対して「賽の河原」みたいな事すんの?
 面白味皆無の作業をアホほど繰り返させて
 その積み上げた功績を破壊する必要が一体どこにあんの?


そして[エンディング。]

 苦労が水の泡と化しもはや放心状態のプレイヤー。
 勝手にNPCが回復しながらラスボスと戦い倒すという壮絶消化試合をさせられ
 ゲーム内で全く出てこない国の王になり、
 待っていると「おしまい」の文字。
 スタッフロールもないから余韻を味わう暇もない。

一体何なんだよ…
このそびえたつクソは…

個人的にスタッフロールのないRPGは総じてダメ。
(自分が知っているのは後、「じゅうべえくえすと」ぐらいか?)
あ、だからと言ってエンディングがスタッフロールのみのRPGもダメね。
自身のキャッチコピーでハードル上げ過ぎた某泣くんじゃないゲーのような。

容量がキツイにしてもまっ黒画面に名前ぐらい入れろ。
ファミコンRPGの初期の「ドラゴンクエスト」でさえやっていたのになぁ…

スタッフロールが流れていると同時に
今までの長い冒険の終わりの余韻に浸る間が欲しいんだよ。
いきなり「THE END」とか「おわり」では
いきなり高ぶった気持ちがぶった切られて空しくさえ感じられてしまうんだよ…

フィールドにある太い道は『シルクロード』なんだろうから
その道をスクロールさせながらスタッフロールを表示するぐらいできれば
長い冒険を振り返る事が出来て
しかもタイトルの『シルクロード』というタイトル要素も
回収できるというまさに一石二鳥!!
容量がなかったのか、何なのか…
タイトル画面を省くまでの容量の節約をしたけど
エンディングをきちんと入れた「ドラゴンクエストIII」は評価に値するもの。
残念極まりない。

というかここまで酷いゲームだと容量の話抜きにして
作ったスタッフが自分がこのゲームに関わった事を伏せたかったんじゃないかとすら
疑惑に持ってしまう。


製作者は桃鉄の『貧乏神』の元になった方。
桃鉄の『貧乏神』は可愛げがあったのになぁ…
基本マイナスだが状況によってはプラスに転じる事もある。
そんな存在だった。

『所持金』『カード(アイテム)』『物件(装備)』を一気に捨てるなんて
『キングボンビー』ですらやらなかったことである。(1つずつではあるがな…)
それに『キングボンビー』に関しては相手に擦り付けるとかなんとか目的地に着くなどで
被害を回避する手段はあるのに対し本作はイベント不可避である。

キングボンビー「そこまでは俺様でも流石にやれんわ…」

と『キングボンビー』でさえドン引きしそうな勢いである。

「えのっぴどぅ!」(特に意味はない)


主人公が商売をしていくRPGであった本作。
そして肝心のゲームの出来は…
システムに関しては商品の売買を推したかったのだろうが
全く面白くなっていない。というか面白くさせようという意図すら感じない。
ひたすら仕様で面倒くささやプレイ時間の水増しを計っている悪質さ。
そして全てを失うドグソイベント。
ストーリーは『ズルー』取り逃がして宙ぶらりん。
あわよくば続編作ろうという意図なのだろう。
あまりにも消費者舐めすぎだろ。
製作者の皆さんよ。
あまりにも商才なさすぎだぜ。


「おしまい」の前の
ゲーム中最後のメッセージを漢字変換で書こう。

「〇〇〇〇(主人公名)の 辿ってきた
 シルクロードの 冒険は
 リタルランドの 人々に
 そして 君の 心の中に
 長く 語り継がれるに違いない」


このように書かれていたので
スーパーファミコン発売後でファミコン人気が下火になっている世の中でマイナーメーカーから発売され
そんなにプレイした人が少ない中、そんなか細いプレイヤーが匙を投げるようなような仕様にしたこのゲームを
クリアしたこの髭人が自分の心の中に語り継がれるだけではもったいないと思ったので
「虹のシルクロード」の凄さを余すことなくみんなに語り継ぎましたよ!!

製作者の皆さんは感謝してくださいね!!

世間には「毒にも薬にもならない」って言葉がある。
そんなすぐに忘れ去られるような無味無臭ゲームより
『猛毒』として存在感を示し続ける事には価値があるんじゃなかろうか?


さて長々と語ったこのゲームの締めといこうか…

あのイベントのように
プレイヤーが苦労して稼いで貯めた金銭と共に海の藻屑となるしかない…
永遠に海中に眠ってほしいところだね。

本作を『シルクロード』として例えるのなら…
果てしなく長く、途切れることなく続き、そしてぶっとい…

こっちは『一本グソ』だがな!!





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2 コメント

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お金って大事 (ぴっぴー)
2015-11-03 10:21:26
はじめまして。
当時気になっていたこのゲーム、最近始めたのですが、資金集めの作業が苦痛になってそろそろやめようかと思っていました。
詳しいレビューを読めて満足です。終盤の展開はすごいですね。心おきなくやめられます。
ありがとうございました(笑)
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ザ・作業 (髭人)
2015-11-03 20:12:38
ぴっぴー殿
コメントさんきゅーです。

絵柄が緩い感じがしたので
私は緩いのが好きですから買ってプレイしたんですがね…

本当、ラストの怒涛の展開に度肝を抜かれましたね。

「は?」

と…
是非ともこの私の体験を共有していただきたいのでやめるなんておっしゃらずプレイされてはどうでしょう?(悪魔のささやき)
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