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「アルテリオス」 レビュー (ファミコン)

2016-07-22 21:00:23 | ファミコンレビュー
シューティングRPG
ニチブツから発売
1987年11月年月13日発売

特徴
シンボルエンカウント方式でありエンカウントすると3Dシューティングに移行する。
3Dシューティングと言っても画面に照準が付いて上下左右で操作して
敵に攻撃するという疑似的なものである。
スターラスター」のような自機の移動はない。

登場キャラがゲーム中に研究所等の扉を開けたりする
4桁のパスワードを言うがこれは主人公の名前によって決定するとの事で
攻略サイトや動画で軽く数字だけ拾って来ても役に立たない場合あり。
メモ推奨

あらすじ

今から数十万年前、太陽系は高度な文明が栄えていたが
ブラックホールの接近により太陽系は危機に陥り、
そこでの人々は数千隻の宇宙船団を作り脱出しようとしたが
ブラックホールに飲まれ別の宇宙空間にワープさせられてしまった。
その人々は3つの惑星と小惑星帯を発見しその宇宙空間を

「アルテリオス」

と名付け、生活を始めた。
軍を指揮する「サーベラー将軍」は「アルテリオス」全体の支配をもくろみ
「ギャラックス」という恐るべき装置を始動させた。
「アルテリオス」は閉じ込められ人々は惑星から惑星に移動する事が出来なくなった。
将軍は「帝王サーベラー」と名乗り自分の部下の軍人たちを
次々に戦闘専用サイボーグに改造し洗脳した。
その部下たちを自由に移動できるように惑星や小惑星帯にワープホールを作って
部下を送り込んでいった。

「帝王サーベラー」の他に「ギャラックス」を止められるのは
平和の科学者「ラド博士」しかいない。
彼は娘の「レティシア」や仲間の学者たちと共に宇宙空間に研究所を作り
太陽系に変えるための研究をしていたが
「サーベラー」に研究所に知られてしまった。
危険を知ったラド博士達は新しく作ったワープホールを使って脱出し
研究所にいた何人かの博士は脱出に成功した。

このワープホールは「アルテリオス」と太陽系結ぶために作られた物であった。
その実験中に「ギャラックス」により研究所が閉じ込められてしまったので実験は失敗し
地球から一人の人間を研究所にワープさせたものの
不幸にもその地球人はワープのショックで死んでしまった。
「サーベラー」が既に迫っていることを知ったラド博士たちは
最後の希望をこの地球人に託すことにして
最強のサイボーグ戦士として復活させたのだ。
しかし、あと一歩で完成という時に「サーベラー」の部下達が研究所に侵入し
「ラド博士」と「レティシア」だけを連れ去ってしまった。

研究所で静かにコンピュータが動き出した。
ラド博士は連れ去られる前にコンピュータに
サイボーグ戦士を復活させるプログラムを組んでいた。



説明書からまとめるとこんな感じだ。
げーむのせつめいしょさんから参照しました)
恐るべき装置「ギャラックス」って何やねん。

しかも、地球人。
勝手にワープさせられたと思ったらそのショックで死んでしまい
その上、勝手にサイボーグにさせられて

「サーベラーを倒しアルテリオスを救え」

って理不尽やなぁ…
『ラド博士』も十分、倒すべき対象じゃないのかねぇ…




得点は25点

良い点
特になし

悪い点
・武装が共通
・エネルギーが兼用
・道幅が狭い所が多い
・メッセージ速度変更不可
・システム面、不親切

悪い点の解説
・武装が共通
「ビーム」「ライフル」「バズーカ」「ミサイル」
と、種類こそあれど使ってみると皆、見た目も使い勝手も皆、同じである。
違いは威力とエネルギーを使うかどうか…
だったらそんな種類いるかい?

・エネルギーが兼用
「ライフル」「バズーカ」「ミサイル」を使用する際にエネルギーを消費するのだが
(ライフルやバズーカは弾がビームと考えればいいが、ミサイルがエネルギーって…)
このエネルギーがワープポイントでワープする際にも必要なので
派手に攻撃できない。
連射するような3Dシューティングで弾数制限って結構ストレスですぜ…
ドラクエIII」でいえば「理力の杖」だろうか?
僧侶に装備させる武器であるが通常攻撃でMPを消費する。
但しその時点での攻撃力は高いが…
僧侶は「ホイミ」を使うという回復系ポジション。

「ホイミ>>>一発の物理攻撃」

である。
「アッサラーム」の時点で高い金を出して買ったにもかかわらず
使わないという結論に至る悲しい武器である。


・道幅が狭い所が多い
1~2マスの道が多く事実上エンカウント必至の所が結構ある。
このゲーム、「聖水」のようなエンカウント回避アイテムないもんなぁ…


・メッセージ速度変更不可
そのままだね。
で、メッセージが遅いんだよなぁ…

・システム面、不親切
いくつもあるので紹介する。
 ①所持金表示なし
  お店に入った時に所持金が表示されない。
  スタートを押す事でステータス画面に表示されるのだがたった一手間だが、めんどい。

 ②価格表示なし
  アイテムなどのお店では価格が表示されない。
  そのため、一々カーソルを合わせ、Aボタンを押す事で店主に
  「○○クレジット」と言わせなければならない。
  メッセージ速度の遅さもあって苛立つ…

 ③武装の切り替えがめんどい。
  武装はエネルギーを使うものが多く
  硬い敵には特殊武器を使う事は多いので切り替えは多い。
  切り替えするのにスタートボタンを押してON、OFFをしなければならないのは
  結構鬱陶しい…

  Aボタン・・・通常兵器
  Bボタン・・・アイテム
  セレクトボタン・・・予め設定しておいた特殊武器との切り替え
  ぐらいにしてほしかったなぁ…


悪い点とまでは言わんが不満点はまだある…
他にも体力回復アイテムもないし、瞬間移動系のアイテムもない。
戦闘の敵は色違いの同種だとモーションが同じでステータスぐらいの違いしかない。
敵は必ず1機のみの出現の為に戦闘での戦い方でのパターン化してしまうなど…

まぁ、1987年というファミコン中期作品。
RPGの発展途上にいると言えるような作品なのであまりツッコミを入れるのも酷だけども…
だが、不便なものは不便だからな。そこは指摘はしておかんと…

「そう考えると
回復アイテム『薬草』回復呪文『ホイミ』
瞬間移動呪文『ルーラ』
雑魚敵消滅呪文『トヘロス』が既にある
ファミコン最初の本格的RPG。『ドラゴンクエスト』って優れたゲームだったんだな」

っていうのを再認識させてくれる。(とは言ってもドラクエⅠとて完璧ではなく不満点はあるが)


このゲームはパスワード探しゲーと言える。
ちなみに上記の通り、パスワードは名前で決定されるので何種類あるかは不明だが
攻略サイトにあるものと一致しなければ自力で探し出すしかない。(攻略サイトの方と同じ名前にしちゃえばいいのだが)
あらすじはしっかりと作りこまれているが中身は初期RPGにありがちな

「あれはあそこにある」「それはそこにある」

みたいな説明だけでその場所に行ってパスワードを拾ってくるようなものだ。
博士が何を考えているのかとかボスのそこまでに至った過程などの説明はないし
住んでいる人達の酷い実情などもない。感情移入出来ん~。
最初に

「狂った宇宙を元に戻せ」

みたいな事を最初に言われるが確かに宇宙としては狂っているかもしれないが
そこに住んでいる人達は特に不自由している訳じゃなさそうだし

「別にそのままでもいいんじゃね?」

って思ってしまうのだが…
『ラド博士』は捕まっていて可哀想だがね。ダメですか?博士?
そもそも勝手に改造してサイボーグにして「アルテリオスを救え」とか…
「狂っているのはあなたの発想も」だと思うのですがねぇ…違いますか?

元の体に戻してほしくば『アルテリオス』を救えって事なのか?
勝手…というよりもはや脅迫じゃん。
実験で死なせてしまった結果、サイボーグに改造して宇宙を救えって理不尽でしかないわ。


そうそう。この「アルテリオス」という語音が専門用語を思い起こさせるからなのか
「アルテリオス計算式」などと言われる。
他のゲームはダメージを算出するのに
ランダム要素を含んでいたり、オリジナルのダメージ計算式を用いる物なのだが
このゲームは完全に、攻撃力から防御力を引いた値がダメージとなるのだ。

「攻撃力-防御力=ダメージ」

それを『アルテリオス計算式』と呼称するのだ。

こちらの攻撃力が敵の防御力より低いと「1」しかダメージを与えられないが
それを超えるとそのままダメージが与えられる。連射してダメージを与えるゲームが
2~3の数値が違うとまるで与ダメージが大幅に異なり、すぐに決着がつくことが多い。

このゲームの最大の驚きは
何とセーブ出来るスロットが8つもあるのだ!!
このゲーム、データをコピーする事が出来ないので個人個人でセーブする事になる。
誰がこのゲームをみんなで回しプレイするんだろうか?

8人でプレイされた方がいたのなら是非ともご連絡ください。


ここからがネタバレ






















連れ去られた博士の娘ってのが「レティシア」っていうんだけどさ。
彼女が

「私は実は博士が作ったアンドロイドだったのです」

って何か衝撃的事実風に明かしてくるんだけどさぁ…

初対面なんだよね…

何のつながりも伏線もなく唐突に明かすから

「へぇ…そうだったんだ…(すこぶるどーでもいい)」

以外の感情が起きない。
自分が作ったアンドロイドを娘ねぇ…
自分が作ったアンドロイドにビキニにさせる「コナミ ワイワイワールド」の「シナモン博士」とどっちがいいのだろうか?

それはさておき、アンドロイドの彼女は主人公をパワーアップさせる為に自ら主人公に取り込まれるんだよね。
「アンドロイド」って「人造人間」という一応「人間」だろ?
サイボーグと同化出来るん?
ナメック星人的なものなんだろうか?

んで、ラストのラスボス「サーベラー」戦

「力こそ全て」

という脳筋丸出し。
宇宙を舞台にしたSF的世界でファンタジー世界な思考だなぁ…

この「サーベラー」。初見で気長ではあるが撃破出来る。
カーソルを動かして見切れさせると何もしてこないのだ。
人型の「サーベラー」は軽く動いて両手を上げる。
元気玉のように何か目のような弾を作り上げてから攻撃してくるので
その間に「サーベラー」を画面から半分見切れさせれば攻撃してこないのだ。
正確にはダメージを受けないという所だ。
んで攻撃のモーションが終わってからこちらから攻撃。
但し、敵はクッソ硬く通常攻撃では最低ダメージ「1」しか食らわない。
敵の最大HPは「255」
武器を兼用しての攻撃となるがガス欠となる。
気長にチマチマして撃破するしかない。

倒してからのエンディング「ラド」博士を救出する。

「私が君を改造してしまった。君を元の姿に戻してやろう。
 これで宇宙は平和になった。地球にも人々が戻って来るだろう」

それで終わるんだよね。
熱い展開とか良かった良かった感がない。
お前の娘であるアンドロイドどーなんの?
ラストはスタッフロ―ルが流れて

「END」もなしの黒画面のまま動かなくなる。

何だろうか…この激しい徒労感は?
そうか…




平和な宇宙とは「何もない漆黒の闇」って事だったのか…







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