ビタミンおっちゃんの歴史さくらブログ

STU48 音楽、歴史 などいろいろ

◎楽しいピアノの作り方 5

2012-10-21 18:08:58 | HKT48 AKB48
◎楽しいピアノの作り方 

グランドピアノ製作のおおまかな流れは

1 側板(がわいた)・支柱の製作
2 響板の貼込
3 フレームの取付、張弦、調律
4 鍵盤・アクションの取付、調律
5 シーズニング、整調
6 仕上げ

4 の続1

最初のピアノが誕生するまでの鍵盤楽器について

チェンバロ

弦をはじくことによって音を出す

・チェンバロは音の強弱の変化をつけることができない、と言われるがそれは正しくない

・聞き手には、音量が変化しているようには意識されないことが多い
・しかし、鍵盤をいくら強く押してもほとんど強弱がつかない

クラヴィコード

・タンジェントと呼ばれる棒状の金属片で弦を突き上げて音を出す
・押し方で音の強弱の変化をつけることができる
・ビブラートをかけることもできる(ピアノではできない)

・クラヴィコードの音はアコースティックギターの音によく似ている印象を受けました(すべての種類のクラヴィコードの音を聞いたわけではありませんので一概には言えないでしょうが)


クリストフォリ・ピアノ

・1700年ごろ、イタリアの楽器職人バルトロメオ・クリストフォリによって最初のピアノが発明された

・クリストフォリが弦をハンマーで打つ方式のアクションを発明した

・「クラヴィチェンバロ・コル・ピアノ・エ・フォルテ」(弱音と強音を伴う大きなチェンバロ)と呼ばれた

・ピアノもフォルテも出せる改良された最新式のチェンバロであった

・短縮されて「ピアノフォルテ」さらに「フォルテピアノ」、「ピアノ」と呼ばれるようになる

・現在では、「フォルテピアノ」は18世紀~19世紀初頭にかけて作られたピアノを指す

◎「ピアノ」の出現によって、「チェンバロ」や「クラヴィコード」が駆逐されてなくなってしまったかというと、そんなことはない

◎「ピアノの誕生」について、音の大きなダイナミックな表現のできる楽器を求めた結果、ピアノが生まれた、というのは間違いである

◎クリストフォリ・ピアノはクラヴィコードの音より大きい音が出せるがチェンバロの音よりは小さい

大きな音より、むしろ、ピアノを出すことができる楽器、繊細な表現のできる楽器が求められたのである

◎クリストフォリ・ピアノは3台のみ現存するという(1720年、1722年、1726年に製作されたもの)

◎クリストフォリ・ピアノの音色(復元したもの)の印象(CDで聴きました)は、アコースティックギターの音と現代ピアノの音との中間のような感じがしました

現代ピアノの音より軽いタッチのやわらかい音で、素晴らしい音色で、古臭くはないし、不完全な楽器ではありません

フォルテピアノの音もいくつか聴きましたが、すべて違った個性があり、例えば「ワルター」の音色は軽やかで華麗で素晴らしく魅力的な音色で気にいりました

現代ピアノは音色ではフォルテピアノの音色にはかなわないのではないかと思います

・クリストフォリ・ピアノの時代から300年たっても、ピアノは進化したのでしょうか

・フォルテピアノの素晴らしい音を聴くと、ある意味で退化したように思います


◎楽しいピアノの作り方 4

2012-10-21 18:04:33 | HKT48 AKB48
◎楽しいピアノの作り方 4

グランドピアノ製作のおおまかな流れは

1 側板(がわいた)・支柱の製作
2 響板の貼込
3 フレームの取付、張弦、調律
4 鍵盤・アクションの取付、調律
5 シーズニング、整調
6 仕上げ


4 鍵盤・アクションの取付、調律

・鍵盤をのせるための棚板など外装を取り付ける
・鍵盤とアクションを本体に取り付ける

アクション

・音を出す仕組み

・グランドピアノは弦を下からハンマーで打つことによって音を出す

・1つの音につきアクションがひとつあり、それがたくさん並んだものである
・グランドピアノのアクションは、キーの下方向への小さな動きをハンマーの大きな動きに変換する機構であり、80点以上の部品で構成されている

◎グランドピアノの標準的な鍵の数は88鍵(7オクターブ+3音)

・人間が音の高さを聴き分けられる範囲をほぼカバーしている

・例えば、太陽も振動しているが、人間はその音を聴くことができない

宇宙は音楽をかなでているかも知れないが、人間はその音を聴くことができないのである


◎楽しいピアノの作り方 3

2012-10-21 18:02:28 | HKT48 AKB48
◎楽しいピアノの作り方 3

グランドピアノ製作のおおまかな流れは

1 側板(がわいた)・支柱の製作
2 響板の貼込
3 フレームの取付、張弦、調律
4 鍵盤・アクションの取付、調律
5 シーズニング、整調
6 仕上げ


3 フレームの取付、張弦、調律

・ヴァキュームプロセスという方法でフレームが鋳造される
・フレームはかつて木製だったが、演奏される場所が貴族たちのサロンからコンサートホールにかわると、大きな音が出せる必要にせまられた
・大きな音を出すためには、弦の張力を上げる必要があり、そのためにはフレームを頑丈にする必要があった
・ヴァキュームプロセスという製法は、真空状態にして固めた砂型に、鉄とその他の金属を溶かし、流し込み、冷やし固める

・フレームを響板の上に取り付ける
・側板に取り付けられたピン板に開いた穴に、ブッシングと呼ばれる木製パーツを入れてから、チューニングピン(弦の一端を巻きつける)を打ち込む
・チューニングピンを打ち込む作業はロボットが行う

・弦をフレームに張る(張弦)

ピアノ線は今でも完璧とはいえない

・ピアノ線の欠陥が「偽りのうなり」の原因になる(1本の弦だけでうなりを起こすことがある

交差弦方式

・弦が低音部の弦と中高音部の弦の2つのセットに分かれている

・低音部の弦が中高音部の弦の上にかぶさるような形で交差して張られている

・1音につき、最低音域は1本、低音域は2本、中高音域は3本の弦が張られている

・ピアノの全音域中の大部分の音は3本弦であるが、3本弦にすることで音が大きくなる

・実際は3本の弦の振動数をぴったり一致させることはむずかしく、近接する2本の弦の振動数がわずかにずれていると、うなりを生ずる(音が大きくなったり小さくなったりすることをくりかえす)
・例えば、1本の弦の振動数が440Hz(ヘルツ)でもう1本が438Hzで振動していると、1秒間に2回うなりが聞こえる(うなりの速度は振動数の差に等しい)
・3本弦の振動数がぴったり一致すれば、音が増幅されるが、わずかに異なっていれば、うなりが生じ、音量は低下する
・調律師の仕事は3本弦のうなりの速度を0に近づけることである

ピアノは常に緊張しているからいい音が出る

・ピアノの弦は80キロとか90キロとかの力で引っ張られている

・ピアノが疲れたといって、リラックスして弦をゆるめてしまえば、ピアノとしての役割をはたせない

人間はピアノの音を聴いてリラックスするけれども、ピアノ自身は、かわいそうに、生まれた時からずっと緊張を強いられて、壊れるまでリラックスできないのである


第1調律(チッピング)

・張弦が終わったら、人間が直接弦を弾いて、最初の調律を行う


◎楽しいピアノの作り方 2

2012-10-21 17:59:36 | HKT48 AKB48
◎楽しいピアノの作り方 2

グランドピアノ製作のおおまかな流れは

1 側板(がわいた)・支柱の製作
2 響板の貼込
3 フレームの取付、張弦、調律
4 鍵盤・アクションの取付、調律
5 シーズニング、整調
6 仕上げ



2 響板の貼込

・響板を支柱の上にのせ、接着する
○響板の上側には、弦の振動を伝えるための駒が取り付けられる
○響板の下側には、均一に振動を伝えるための響棒が取り付けられる

◎弦の振動→駒→響板→側板、支柱、などに伝わり豊かな響きとなる

○響板材は、ヨーロッパや北米から輸入されたスプルース材が用いられる

◎ピアノに使われる木材は、自然乾燥と人工乾燥を約1年間行い、含水率を約8%まで落とす

自然乾燥
・何年もの時間をかけて、天日干しで乾燥させる方法
・音色を優先させる方法

人工乾燥
・木材乾燥室で数時間か2日間くらいで急速に乾燥させる方法
木材を急速に乾燥させると繊維組織が劣化して、ピアノの美しい響きをそこなう
・温度や湿度の変化の影響を受けにくくなり、安定性を優先させる方法
・木材の人工乾燥はピアノの大量生産を可能にした

・湿度の低い国へ輸出する場合は、「乾地向け仕様」として、組立後は湿度の低いストックルームに2週間置いてから、出荷直前に含水率を再調整して品質を安定させているという


◎楽しいピアノの作り方 1

2012-10-21 17:57:23 | HKT48 AKB48
◎楽しいピアノの作り方 1

現代のグランドピアノ(YAMAHA)の作り方

はじめに

・私は30代のころ、数年間バンド活動をしていました
・打ち込みおよびキーボード担当でしたが、それまでピアノは弾いたことがなく、バンド活動をしつつ、しばらくピアノ教室に通って1からピアノを習いました

・キーボード(ピアノタッチでないもの)のタッチはピアノ(アップライトピアノ)のタッチに比べて軽すぎます
・グランドピアノ(学校とかに置いているもの)のタッチは習っていたアップライトピアノのタッチよりもかなり重く、とても弾けないと思いました

・ピアノの構造とか、歴史とか興味がありますので、「ピアノマニュアル」とか「ピアノはいつピアノになったか?」とか、ピアノに関するさまざまな本を読んで学んだことを、ピアノの製作工程に寄り道しながら、少し書いてみます
・ピアノの世界は奥深く、音階とか調律とかまだまだ知らないことだらけで、間違いもあるかと思いますが、そのときはごめんなさい


グランドピアノ製作のおおまかな流れは

1 側板(がわいた)・支柱の製作
2 響板の貼込
3 フレームの取付、張弦、調律
4 鍵盤・アクションの取付、調律
5 シーズニング、整調
6 仕上げ


◎ピアノのパーツは、木材、鋳鉄、フェルトなど1万個ほどある

ピアノは最も洗練された機械装置であるとともに、1つとして同じものがない「生き物」でもある

◎ピアノは鍵盤を借りて間接的に弦を弾く弦楽器である


1 側板・支柱の製作

・長さ約4.5m、薄さ約3mの板、6~17枚(木材の種類はモデルによって異なる)を接着剤で貼り合わせる
・ピアノ型でプレスし、側板(ボディとなる)の内側部分となる曲練支柱(まげねりしちゅう)を作る
・曲練支柱に直支柱をアリ組(木材の接合部に凹凸をつけて組み合わせる工法)で取り付ける
・側板を作る
・一定の温度・湿度で寝かせておいた側板と曲練支柱を高周波加熱で接着
・ロボットで下塗りしたあと、ポリエステル塗料で塗装
・研磨して、表面を仕上げる