対話 甘酒キャラメル

「昨日甘酒アイスを作るとか言ってたじゃん？」
「やったんですか？」
「残念ながら忘れてた。けど偶然にも、お客さんからの差し入れで甘酒キャラメルなるものをもらった」
「おお、奇遇でしたね。おいしかったですか？」
「うん。そうだ、キャラメルという手があった。以前流行った生キャラメルなら道の駅とかで売れそうだな」
「どうやって作るんでしょう？」
「ネットに書いてある。甘酒の生キャラメル自体は既にアイデアとしてあるんだな」
「まぁ、同じように考える人はいますよ」
「けど大々的には販売していない・・・。どっかで企画できないかな」
「設備も販路も原料もありません。頭の中でこねくりまわすだけしかできません」
「歯がゆいな・・・キャラメルだけに」
「はい？」
「キャラメルだけに歯がゆい」
「二度言われましたが意味わからないです」
「キャラメルって凄い歯に絡みつくじゃん。あれ凄い不愉快」
「最後までなめればいいのです」
「飴もキャラメルも途中で噛むものでしょう？」
「性格が出ますね。せっかちなんですよ貴方」
「待て待て。俺だけじゃない。と言うかそれが大多数のはずだ。お前が少数派だ」
「じゃあせっかちな人が多いだけの話です。早く消費して、次のキャラメルを口に入れて、その繰り返し。太りますよ？」
「あ、糖分を抑えたお米なんて売れない？」
「単においしくないお米って事では？」
「いっそ米じゃなしに他の野菜作った方が早いなぁ」
「諦めちゃいけません。諦めたらそこで試合終了ですよ？」
「わかった。取りあえず明日こそ甘酒アイス作ろう」
「そこは諦めていい所です」