あともう少しだけ

日々の出来事綴ります。やらずに後悔よりやって後悔。

対話 勿体ないお化け

2014-09-09 22:13:14 | コラム
「読書用の椅子が欲しい」
「買えばいいじゃないですか」
「つっけんどんな言い方だな」
「今時つっけんどんて」
「じゃあ釣れない言い方だな、で。ともかく、本を読むのにちょうどいい椅子が欲しいんだな僕は」
「どんなキャラで行くつもりですか貴方は。椅子ならあるでしょ。大学時代に買った立派なの」
「結構古くなってるよあれ。クッション部分が反発しなくなってせんべい布団みたいになってるし」
「中に綿でも詰め込めばいいじゃないですか」
「それはさすがにケチくさいというか・・・」
「まだ使えるものを粗末にしたら勿体ないお化けが出ますよ」
「大の大人捕まえて勿体ないお化けって・・・。んじゃ椅子じゃなくていい。クッションが欲しい。寝ころぶような体勢で背中が地面に対し45度位起きている様な状態で本読みたいんだ」
「それなら安いのあるでしょうね。まあ、本読む時の姿勢は大事ですよね」
「そう、あんまりグダーっとすると眠くなるし、かっちりした体勢だとストレス溜まるし。微妙なバランスが必要なんだよね」
「ストレス溜まってるときの貴方は一目でわかります。貧乏揺すりしてるじゃないですか。あれ止めるべきです」
「ほっとけ。長い事同じ体勢維持してると、血が足に溜まって気持ち悪くなるんだよ」
「その時はちょっと席を外して屈伸するとか」
「おっさん臭い」
「お言葉ですがそろそろおっさんと呼ばれても仕方ない年齢ですよ」
「そうなんだよなー。最近小学生以下からはおっさんとしか呼ばれない」
「子供は正直ですから仕方ないですって」
「けどあれだぜ?俺の体今が全盛期だぜ?」
「知ったこっちゃありません」
「鍛えてるってだけじゃ駄目かー。老化は肌からって言うし、プロアクティブでもやるか」
「話が極端です。あれ月1万とかしますよね。まぁ、お試し初回セットとか安いですが」
「以前注文した事あるからそれはできないと思う」
「あるんですかそうですか」
「ついでにその頃美顔ローラーも購入した」
「どこを目指していたんですか」
「あ、ローラーは母さんに貸したままだった。もう無くしただろうな」
「激しくどうでもいいです」
「何の話してたっけ?」
「勿体ないお化けについてです」
「違う。クッションの話だ」
「布団丸めればクッション代わりになりますよ」
「埃が立つんだよあれ」
「案外細かいですね」
「あれをなめちゃいかんよ。部屋につけてる空気清浄器のシグナルが一気に真っ赤になるから」
「やった事あるんですか」
「うん。ちなみに埃の舞う中寝るとさ、起きた時埃でできた棒を喉の奥まで突っ込まれたような感覚に陥る」
「ごめんなさい、共感できないです。そういえば空気清浄器は幽霊にも反応するなんて与太話もありますね」
「勿体ないお化けか」
「別にそれに限った話じゃないですが」
「空気清浄機に勿体ないお化けが反応したとして、何を勿体ないと思うんだろ」
「・・埃とか」
「純然たるゴミに勿体ないもくそもないでしょう」
「電気代」
「電化製品全否定ですか」
「空気清浄器で得られる清潔な空気」
「プライスレス」
「その流れはおかしい」
「そもそも勿体ないお化けは何しに出てくるんだ?」
「誰かが何か勿体ない事をした時にその人を懲らしめる為、ではないですか?」
「じゃあ空気清浄器をかけている部屋の主たる俺が、何か勿体ない事をしてると」
「ああ」
「わかった?」
「時間の無駄使い」
「どうせネット中毒ですよ」

最新の画像もっと見る

コメントを投稿