「外は雨だね」
「雨ですね」
「こんな夜はひっそりと本を読むのが一番だ」
「ゆったりしたいですよね」
「ところで今読みかけの本があるんだ」
「何ですか」
「何の本かはどうでもいいんだが、部屋に持ってくるのを忘れてしまったんだ」
「どこに置いてきたんです?」
「車の中だ」
「いってらっしゃい」
「外は雨だね」
「いってらっしゃい」
「・・・いってきます」
「ただいま」
「濡れましたね」
「本は濡らさなかったけど」
「で、何を読んでるんです?」
「S・ナサーのビューティフルマインド」
「以前言ってたサイエンスノンフィクションですか。裏の紹介文に『本書は読み終えるのに3枚のハンカチを必要とする』とありますね。泣けました?」
「だからまだあまり読んでないって」
「しかしあれですね。読むのにハンカチを要するとか、いかにも海外の人って感じしますよね。悪い意味でなく」
「まあ、男でハンカチ目頭に当てる人は少数派かも」
「涙をぬぐうよりも鼻を噛むイメージがあります」
「あ、ある。汚いよね」
「日本人は清潔、悪く言えば潔癖ですから。ハンカチよりもティッシュで使い捨てが一般的ですね。だからこの紹介文も日本風に言えば『読むのに3箱のティッシュボックスを必要とする』が妥当です」
「使いすぎだろ」
「鼻炎が酷い夜とかは案外使いますよ」
「せめて3袋のポケットティッシュにしようよ」
「ポケットティッシュで思い出しました」
「本の話をさせてよ」
「あれって表と裏ありますよね。切れ目があって開く側と、口が折り重なっている側と」
「あるね。どっちが表か裏かは知らんけど」
「どっちから中身を取り出すのが正しいんでしょう?」
「切れ目がある方だろう」
「私もそう思うのですが、ならば何故反対側からもティッシュが取れるようになってるんですか?必要ないなら密封してしまえばいいのに」
「設計上の理由とか」
「解せないです」
「ググる?」
「安易に検索したら負けな気がします」
「あ、無料で配るやつだと小さい広告チラシが入ってるじゃん。あれを入れるためとか」
「入れるの難しくないですか?紙が折れてしまう気がします。うーん、よく考えるには現物が必要ですね。持ってませんか?ポケットティッシュ?」
「持ってません」
「私もあいにく持ってません。仕方ありません。これは持って帰って宿題にします」
「そこまでこだわる話題じゃなくない?」
「気になりましたので。用が出来たので今日は帰ります。その本の感想は後で聞かせてください。貴方がビューティフルマインドを読み終わるまでにティッシュの謎を解き明かしておきます」
「『ビューティフルマインド』と『ティッシュの謎』を同じ文章内で使わないでくれないか。なんか小馬鹿にされてる気がする。けど帰るならちょうどいい。集中して読書ができる」
「ハンカチもポケットティッシュもありませんが」
「ティッシュボックスがあります」
「一箱で足りますか」
「足りますから」
「わかりました。それでは・・・ん?」
「どうした?」
「ティッシュボックスの裏・・・点線がありますね」
「・・・」
「何故」
「もう帰れ」
「雨ですね」
「こんな夜はひっそりと本を読むのが一番だ」
「ゆったりしたいですよね」
「ところで今読みかけの本があるんだ」
「何ですか」
「何の本かはどうでもいいんだが、部屋に持ってくるのを忘れてしまったんだ」
「どこに置いてきたんです?」
「車の中だ」
「いってらっしゃい」
「外は雨だね」
「いってらっしゃい」
「・・・いってきます」
「ただいま」
「濡れましたね」
「本は濡らさなかったけど」
「で、何を読んでるんです?」
「S・ナサーのビューティフルマインド」
「以前言ってたサイエンスノンフィクションですか。裏の紹介文に『本書は読み終えるのに3枚のハンカチを必要とする』とありますね。泣けました?」
「だからまだあまり読んでないって」
「しかしあれですね。読むのにハンカチを要するとか、いかにも海外の人って感じしますよね。悪い意味でなく」
「まあ、男でハンカチ目頭に当てる人は少数派かも」
「涙をぬぐうよりも鼻を噛むイメージがあります」
「あ、ある。汚いよね」
「日本人は清潔、悪く言えば潔癖ですから。ハンカチよりもティッシュで使い捨てが一般的ですね。だからこの紹介文も日本風に言えば『読むのに3箱のティッシュボックスを必要とする』が妥当です」
「使いすぎだろ」
「鼻炎が酷い夜とかは案外使いますよ」
「せめて3袋のポケットティッシュにしようよ」
「ポケットティッシュで思い出しました」
「本の話をさせてよ」
「あれって表と裏ありますよね。切れ目があって開く側と、口が折り重なっている側と」
「あるね。どっちが表か裏かは知らんけど」
「どっちから中身を取り出すのが正しいんでしょう?」
「切れ目がある方だろう」
「私もそう思うのですが、ならば何故反対側からもティッシュが取れるようになってるんですか?必要ないなら密封してしまえばいいのに」
「設計上の理由とか」
「解せないです」
「ググる?」
「安易に検索したら負けな気がします」
「あ、無料で配るやつだと小さい広告チラシが入ってるじゃん。あれを入れるためとか」
「入れるの難しくないですか?紙が折れてしまう気がします。うーん、よく考えるには現物が必要ですね。持ってませんか?ポケットティッシュ?」
「持ってません」
「私もあいにく持ってません。仕方ありません。これは持って帰って宿題にします」
「そこまでこだわる話題じゃなくない?」
「気になりましたので。用が出来たので今日は帰ります。その本の感想は後で聞かせてください。貴方がビューティフルマインドを読み終わるまでにティッシュの謎を解き明かしておきます」
「『ビューティフルマインド』と『ティッシュの謎』を同じ文章内で使わないでくれないか。なんか小馬鹿にされてる気がする。けど帰るならちょうどいい。集中して読書ができる」
「ハンカチもポケットティッシュもありませんが」
「ティッシュボックスがあります」
「一箱で足りますか」
「足りますから」
「わかりました。それでは・・・ん?」
「どうした?」
「ティッシュボックスの裏・・・点線がありますね」
「・・・」
「何故」
「もう帰れ」
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