「俺って短髪じゃん」
「なんです藪から棒に」
「今日温泉行ったんだけどさ、ちょっと発見があった」
「何を見つけました?」
「髪が短いとさ、シャンプーしても泡立たないでしょ?」
「それが発見?あなたの髪が汚れてるだけじゃないですか?」
「これが発見じゃないし、髪は毎日ちゃんと洗ってます。で、髪洗ってたら、隣にいる人がはげてたんだよ」
「いいじゃないですか別に」
「はげてたおっさんが髪を洗ってたんだよ」
「無いものをどうやって洗ってんだ、と?」
「いやいや、完全にはげてたわけじゃなく、後頭部が少しだけ残ってんの」
「ちょっと言葉遣いが乱暴ですよ?もうちょっとオブラートに包みませんか?」
「おハゲあそばせられた」
「慇懃無礼って言葉ご存じ?」
「つまり俺が気になったのは、髪が少ない状態で髪を洗ってたのにシャンプーの泡が立っていたってことだ」
「ど・・・どうでもいいことだ・・・」
「どうやって泡立ててたのか観察してみたんだ。最初脇毛とかち〇毛とかを泡立て器のごとく活用して泡を作って髪に塗りたくってたのかと思ったんだが」
「最初に思いつく発想が早速気持ち悪いんですけど」
「体についた泡を流した後に髪を泡立ててたんだ。だからこの線は無しだ」
「そもそもおっさんの体洗ってる所観察してる所でドン引きです」
「んじゃ何かなーってよく見たら、答えがわかった」
「話を盛り上げようとしてるのは感じますけど、私全く興味持ててませんからね?」
「髪をすんごいゴシゴシやってんだ。しかも爪立てて。そう、単純に力と速さで無理やり泡立ててたんだ」
「頭の皮膚痛めるでしょ、そんな洗い方してたら」
「うん、だからこそあの頭頂部の無毛地帯が出来上がってるわけで」
「髪が少なくなってシャンプーをガシガシやって、頭の皮膚を傷めて髪が少なくなって。悪循環ですね」
「卵が先か鶏が先か」
「その例えってどう考えても卵が先ですよね。鶏を鶏足らしめるのはどこかで遺伝子の変化が起こったからで、遺伝子の変化は卵の時に起こるんですから」
「つるっとしたむき卵のような頭頂だった」
「うまいこと言えてません」
「毛が少ないのは遺伝子の変化」
「まぁ、額が広いのは前頭葉が発達している証拠ともいいますから、いい変化なんじゃないですか?」
「それでフォローしてるつもりか馬鹿者!!」
「なんで私が怒られるんですか!!」
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