対話 「くしゃみ」

「人って孤独なんだな」

「なんですかいきなり」

「皆そうなんだと思っていたのに、実は少数派だった。それはまるで暗い海に放り出されたような気分だよ」

「そうでしたか」

「・・・」

「・・・」

「・・・」

「・・・話が以上なら私はこれで」

「構えよ」

「どうしたんですか真正かまってちゃん」

「お前さ、くしゃみってどんな時にする？」

「へ？・・・鼻がむずむずする時ですかね」

「他には？」

「他に？太陽を見たときとか」

「だよな！？だよね！？」

「なんですかその仲間を見つけたかのような反応」

「ネットで見て初めて知ったんだけどさ、日の光を見てくしゃみをする人って少数派なんだってよ！」

「・・・ご冗談を。光を見てくしゃみしたくなるのは万人共通でしょう」

「ほら、このページ見てみ？」

「・・・光を見てくしゃみをしたくなる人は４人に１人。・・・本当、ですね」

「皆がそうだと思ってたのに、少数派だったんだこれ。今年一番のショック」

「・・・へぇ」

「珍しい、普通に驚いてる」

「言われなきゃわからんもんですね」

「わからんもんだね」