あともう少しだけ

日々の出来事綴ります。やらずに後悔よりやって後悔。

危険な誘惑

2015-03-09 21:42:46 | コラム
私の部屋は純和室だ。四方の壁のうち、一つが土壁、二つがふすま、一つが障子というこれでもかって位の日本式だ。床はもちろん畳で、ご丁寧にも日焼け防止にゴザが敷かれている。1年ほど前にベッドを配置してみたのだが未だにミスマッチの感が拭えない。
そして以前にも書いたがこの部屋にはエアコンが無い。防寒対策として用意しているのは無駄にでかい石油ストーブだけ。かれこれ6年ほど働き続けるベテラン選手だ。しかし家電製品において「ベテラン」という言葉はイコール「古い」という意味に他ならず、何の自慢にもならない。
そんなロートルだが、隅に置かれた机の前に座る私の背中向けて直接温風をぶつければ、隙間風吹くこの部屋にあってもなんとか暖をとる事ができる。今までの冬はそうやって過ごしてきたのだが、今年は少し事情が変わった。四方の壁のうち、ふすまの壁にひびが入ったのだ。原因はさっきから話題にあげているこの大ベテラン様である。
温風が直接私に当たるようにしたのは良いものの、私を通り越した風がそのまま壁、つまりはふすまにぶつかっていたのが問題となった。ふすまは紙で出来ていて、どうやら乾燥して表面が割れてしまったらしい。ひび割れの間から土色の中身が見えるのだ。カラカラに乾いた紙とはなんと脆いものだろう。なんとかひび割れを直そうと試み、液体のりを貼り付けようとするも、剥がれた薄紙に触ったそばからパリッとペリッと容易く壊れてしまう。どう繊細にやってもらちが明かない。元来諦めのいい私だ。「貼りつかなければ剥がせばいいじゃない?」の発想に転化するのも早かった。お蔭で今、ふすまは土色の壁と化していた。私の心には一点の悔いもない。あるのは反省点だけだ。もういっそのことふすまの張り替えを業者に頼んだ方がいいだろう。丁度今朝の新聞にチラシが入っていた。お値段はお手頃価格の2500円超「から」。「から」ってのが曲者だけど。背に腹は代えられない。今度の休みに直してもらうとしよう。と、ここまで書いてふと思う。これって、自分でふすまを業者に持っていかないと駄目なの?多分私の軽自動車に積み込めない。もし持っていけたとしても、店にふすま2枚担いで入る自分の姿を想像して、苦笑いになる。いつの時代の人間だよ。
うーん、業者に来てもらうか?しかし5000円もかからない修理でわざわざ出張してもらうのも悪い気がする。あちらも商売だから別に構わないのかもしてないけど。とにかく修理するのは確定だ。そうと心に決めた所、まだ剥がれていない部分を全部剥がしたくなってきた。危険な誘惑だ。けどそれはいい大人がやっちゃいけない事のような気がする。いけない。一度気になるとずっと気になってしまう。早く修理に出してしまおう。

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