女性作家の本を読むのが好きです。男の自分には無い感性というか、考え方、価値観を追体験できてすごく新鮮。前にちらりと書いた「累」もそうですけど、ドッロドロした人間模様、心理描写は女性作家ならではの魅力です。コラム、小説、漫画等、ジャンルは関係なく時折発作的に手当たり次第読んでいます。
今日読んだのは「白ゆき姫殺人事件」。著者は湊かなえさんで映画化もしているとの事です。知人に勧められて読んでみました。この本を紹介してくれた知人は内容の説明に苦心していたのですが、読んで納得。これは説明が難しい、と前言い訳を書いておいたり。
先にあらすじを書くと、とある化粧品会社の女性が殺される事件が発生します。週刊誌の記者が被害者の周囲の人に話を聞いていく中で、それぞれの目線で事件に関係する人たちの人物像、人間模様が語られていきます。作中に地の文は無く、ほぼインタビューを受けた人の台詞だけで物語は進みます。この仕掛けの恐ろしい所は、読者は彼らの主観でしか情報を得られない事です。地の文、つまり作者の言葉による客観性が担保されていません。よって各人物の話を照らし合わせると、でるわでるわの矛盾。こいつらの話は野次馬根性や嫉妬、悪意や保身や独善や思い込み等が混ぜこぜになってて本当の事がわかりません。基本出る人みんな自分勝手。今こいつが言っている事は正しいか、それとも嘘か、読者はずっと怪しみながら本を読み進めていく事になります。日常生活で誰もが感じるであろう、自分の手元を離れた所で自分に関する情報が無責任にどんどん捻じ曲げられていく嫌らしさがしっかり表現されています。凄いです。自分は目の前にいる人の言っている事は正しいものだと思って聞いてしまう困った性質なので、この展開にはすっかりやられました。そしてこの本にある仕掛けはこれだけでは無いのですが、先は自分で読んでみてください。とりあえず、前半と後半を何度も読み返す羽目になると思います。
ところでこの本とは全く関係無いですが、似た系統の名前で「アリス殺し」というこれまた物騒な本が出ています。確か「このミステリーが凄い」で4位になっていたはず。この勢いで読んでみようかな。
今日読んだのは「白ゆき姫殺人事件」。著者は湊かなえさんで映画化もしているとの事です。知人に勧められて読んでみました。この本を紹介してくれた知人は内容の説明に苦心していたのですが、読んで納得。これは説明が難しい、と前言い訳を書いておいたり。
先にあらすじを書くと、とある化粧品会社の女性が殺される事件が発生します。週刊誌の記者が被害者の周囲の人に話を聞いていく中で、それぞれの目線で事件に関係する人たちの人物像、人間模様が語られていきます。作中に地の文は無く、ほぼインタビューを受けた人の台詞だけで物語は進みます。この仕掛けの恐ろしい所は、読者は彼らの主観でしか情報を得られない事です。地の文、つまり作者の言葉による客観性が担保されていません。よって各人物の話を照らし合わせると、でるわでるわの矛盾。こいつらの話は野次馬根性や嫉妬、悪意や保身や独善や思い込み等が混ぜこぜになってて本当の事がわかりません。基本出る人みんな自分勝手。今こいつが言っている事は正しいか、それとも嘘か、読者はずっと怪しみながら本を読み進めていく事になります。日常生活で誰もが感じるであろう、自分の手元を離れた所で自分に関する情報が無責任にどんどん捻じ曲げられていく嫌らしさがしっかり表現されています。凄いです。自分は目の前にいる人の言っている事は正しいものだと思って聞いてしまう困った性質なので、この展開にはすっかりやられました。そしてこの本にある仕掛けはこれだけでは無いのですが、先は自分で読んでみてください。とりあえず、前半と後半を何度も読み返す羽目になると思います。
ところでこの本とは全く関係無いですが、似た系統の名前で「アリス殺し」というこれまた物騒な本が出ています。確か「このミステリーが凄い」で4位になっていたはず。この勢いで読んでみようかな。
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