不定形な文字が空を這う路地裏

残骸、陳列する衰退の午前


唇に滲ませた血はもはや熟れ過ぎた果実酒のそれに似て
鮮明に鋭角する自己保存の独房の致命的なしきたり
眠気は眠ることそれ以上に意地の持続を軟化させて
俺は温いまま横たわる束の間の死体の振りで汚れた口腔の塊を吐き出す
心の奥にこちらを向いて倒れたままの出さずに済んだ手紙の文面
後悔はごめんだと執拗で乱暴な殴り書きがしてあった
呪文なんか無いだろ、敬虔な信仰なんかお門違いだ
振付通りに外に出られたらこんなに幸せなこたないや
俺の回収をしてくれ魂の塵拾い、直接神様に差し出せばもしか慈悲もあるかも
長い長い歌の後に十字架になんか掛けられたくはない
祈り?って首を傾けたらそれだけで狂信者の刃物に背中からやられそうだ
俺は形式なんか信仰しちゃいない、本物の神様に名前なんかつけられる訳がないだろう
聖書を破け鳥居を押し倒せメッカを破壊しろ、お前の覚悟と認識が本物ならきっと罰せられない
墓参りの度に誰かに引け目を感じるのは金輪際止めにしろ
多少粘ついた血液でも心臓が回してくれるうちは
自分以外の誰かを信じちゃいけないってのが本当のところじゃないのかね
前時代的な建築の回廊で長い長い詩を読んで革命なんて片腹痛いよ
真横で繫いだ手を離せよ、覚悟なんて一人になってから初めて語るもんだ
俺は野晒しの名前の無い死体で構わない、やりきれない真夜中がどんなに内臓を噛み破っても
一度選んでしまったものを捨てるなんて出来ないものなのさ
堪える為に唇を噛みちぎる癖がついたもう長い晩年、歳と同じ位汚れた便器には吐き出した血の轍
ご満足なんてそれなりの出来事の後ででも、訪れるのかどうかなんていささか疑問だぜ
噛みちぎれ横たわる力無き生き物、お前の意地はいつか誰かを貫くかもしれない
旗の下に集うのは臆病者ばかりだということを肝に銘じておかなければ
俺はこのまま腐敗してフロアーのシミになっちまう
俺の信仰は俺のしきたりは俺の覚悟は俺を身動きの取れない場所に追い込むけれど
今夜以上の夜はきっと何度も胸を痛めてきた、今度からは大丈夫
生命の蓄積がちょっとした自慢になる世代なんだ、何も無駄にはしてこなかった
血まみれで笑う亡霊、鏡を覗く必要は無かったけれど
その声はまだもう少し楽しさが足りない気がした
こちらを向いて倒れたままの出さずに済んだ手紙の文面
明日はひとつ遂行してみてやろうじゃないか今生の亡霊
笑顔は、もう少し、これからは
唇のはじをきつく歪めるこったな

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