新型コロナウィルスのため、会期が遅くなりやっと始まったロンドン・ナショナル・ギャラリー展に期日時間指定を取って出掛けました。
こんなに人がいない上野公園は初めてです。
美術館の入り口には、2人のスタッフが期日時間指定の確認をしていました。
指定のため、開場はとても空いていました。
イタリア・ルネサンス絵画の収集
パオロ・ウッチェロ
『聖ゲオルギウスと竜』
『死ぬまでに観ておきたい世界の絵画1001』に選らばれています。
意外と小さな絵でした。
今のアニメにも見えてしまいます。
この絵はどうみても、王女が毒竜を怖がってないように見えます。
聖ゲオルギウスが毒を吐く竜の口を一撃でふさいで、そのあと、王女の帯を竜の首に巻きつけて、王女と竜を連れ帰ったという話を一緒に描いたみたいです。
竜は、邪悪な物の象徴にもなるので、今だと毒竜=新型コロナウィルス
で、早くこの状況が収まってもらいたい限りです。
また、聖ゲオルギウスは、イングランドの守護聖人にもなっています。
そのためか、ロンドン・ナショナル・ギャラリーには、数点同じテーマの絵画があります。
どちらも『死ぬまでに観ておきたい~』に選らばれています。
ヤーコボ・ ティントレット
ドメニキーノ
カルロ・クリヴェッリ
『聖エミディウスを伴う受胎告知』
こちらも『死ぬまでに~』に選らばれいます。
奇蹟の来日とまで言われるこの絵は、華やかさがずば抜けています。
照明の関係で離れたり、近づいたりして鑑賞しました。
キリスト教の慶事の受胎告知と、アスコリの町に自治権が認められた日が同じ3月25日なので、慶事の両方を描いています。
アスコリの守護聖人の聖エミディウスが、大天使ガブリエルの横で町の模型を持っています。
上には、自治権を承認する勅書を見つめる人物が描かれています。
理屈抜きで細かさ、美しさが堪能できます。
国立西洋美術館には、常設コーナーに、同じクリヴェッリの『聖アウグスティヌス』が展示されています。
ドメニコ・ギルランダイオ
『聖母子』
実物はこれよりずっと綺麗です。
マリアのヴェールが繊細でとても美しいです。
サンドロ・ボッティチェリ
『聖ゼノビウス伝より初期の四場面 』
左から右へと時間が進みます。
ティツィアーノ・ヴェチェッリオ
『ノリ・メ・タンゲレ(我に触れるなかれ)』聖書の一場面で、復活したイエスが最初に出会ったマグダラのマリアに言った言葉で、多くの画家が農具を持つイエスを描いています。
山から、犬と坂をかけ降りる羊飼いも描いています。
ヤコボ・ティントレット
『天の川の起源』
中野京子さんが『名画の謎 ギリシャ神話篇』で、この絵におもしろい吹き出しをつけています。
描かれたのは、赤ちゃんを抱えたゼウスとゼウスの妻のヘラ、ヘラのお乳を力強く吸う赤ちゃん(ゼウスが他の女性に生ませた。ヘラのお乳を吸うと不死になれるので、ゼウスは、我が子に飲ませたい!)がヘラクレスで、寝ていたヘラ(他の女性が産んだ子には、絶対にお乳を与えたくない!)が飛び起きて、ベッドからずり落ちそうになるほど強くお乳を吸ったため、上に飛び散ったのが天の川(ミルキーウェイ)になり、また、下に落ちたのがユリの花を咲かせたという話です。
おもしろい、賑やかな絵になっています。
美貌自慢の妻がいながらに、浮気しまくる夫、それでいて、離婚しないカップルとは、最近聞いた事があるなぁ。
この絵は、下半分が切り取られたそうです。
なお、音声ガイドの古川雄大さんはユピテルとユノで解説しています。
常設展には、ティントレットの『ダヴィデを装った若い男の肖像』が展示されています。