親子でつながる子育て~抱っこ法~

抱っこ法の考え方をもとに、子育て中の親子やハンディを持つ方など、たくさんの方の心の支援を行っています。

障がいを持つ方の心のケア7 ~こだわり行動・儀式的行動~

2013年02月24日 | 障がいのある方の心のケア ネットワーク

障がいを持つ方の心のケア6では、

心のコップについてご説明しました。

心のコップとは、人の心には、ストレスをためるコップがあって、

一定量たまってしまったら、最後の1滴でコップがあふれてしまい、

パニックや問題行動が起こってしまうというお話しでした。

 

ところで、障がいを持つ方の中では、こだわり行動や儀式的な行動が強い方がいらっしゃいますね。

こだわりは、その行為をするのが好きであるとか、

安心できるという理由があります。

 

ただ、あまりにもそのこだわりや儀式が、脅迫的(抑えようとしても抑えられない状態)であるとか、

日常生活に支障をきたすようでは、好きという理由だけではないかもしれません。

 

このような状態のときは、前回お話しした心のコップがいっぱいになり、

今まさに溢れようとしているかもしれません。

自分の気持ちを落ち着けようと、

一生懸命コップの水を減らそうとしているかもしれないです。

 

私の息子は、保育園に行っていたとき、道順にかなりこだわりがありました。

いつも緊張した面持ちで、少しでも違う道を行くと

車の中で大パニックが起きます。

自分の顔をひっかき、窓に頭を打ち付け、

火がついたように泣きます。

私は、その頃は、心の仕組みや心のケアについて知らなかったので、

ただただ、このかわいそうな息子が、自分自身を傷つけないようにと、

一生懸命配慮して、道順や手順を守ることに必死でした。

 

でも、息子の本心は道順にあるのではなく、

保育園で頑張っていることや、緊張して疲れていること、

親と離れて不安なこと、

そんな気持ちを、受け取ってもらいたかっただけだったのではないかと思います。

 

自分の心をわかってもらい、なぐさめてもらったり、支えてもらったりしたいけど、

伝える手段がなかった息子は、

なんとか自分で立て直そうと、

道順にこだわり、心を落ち着かせようとしていたんですね。

その自分で頑張ろうと必死で道順にこだわりを見せていたのに、

そのこだわりが守れなかったら、

心のコップは見事にあふれ、もう自分ではどうにもこうにもできなくなってしまいますね。

 

息子の話のように、

障がいを持つ方の、脅迫的なこだわりや儀式的行動は、

「なんとかして!」という、その人のSOSかもしれません。

 

そういった状態のときは、

見せかけの行動(脅迫的なこだわりや儀式的行動)に振り回されるのではなく、

本音の気持ちに寄り添ってあげるのが大切だなと感じています。

 

具体的には、寄り添ったり、体のお話をしたり、語りかけたり、筆談したりと、

たくさんの技法があります。

 

その中の『筆談』について、次回お話しさせていただきます。

 

 

 

 

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