護憲派がよく言う言葉の一つに「日本が平和なのは憲法第九条のおかげである」があります。この言葉に私は違和感を覚えます。本当にそうなんでしょうか?
憲法第九条の全文です。
第二章 戦争の放棄
第九条 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
第二項 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。
第九条の解釈については様々にありますが、私は次のように解釈しています。
・第一項は他国との紛争時における武力行使の放棄。基本は外交によって解決すべきである。または侵略行為の禁止。と理解しています。
大東亜戦争が侵略戦争(そうであったかは別にして)であったと定義されていますので、上記のような条文になったのだと思います。
・第二項は他国を攻撃できるような武力を持ってはいけない。と理解しています。
では自衛権を否定しているかと言うとそうではなく、あくまでも侵略行為や国境紛争などを否定しているのだと思います。
自衛権については国連憲章でも認められています。自国が侵略されようとしているのに防衛しない国は存在しません。
軍隊を持たない小国もありますが、そのような国はどこかの国と防衛条約を結んでいることがほとんどです。
以前はこの問題でスイスが引き合いに出されることがありましたが、実際とは異なっていました。
スイスは永世中立国であるが故に自国を侵略されても他国に助けを求めることができません。ようはどこの国とも同盟を結ぶことができません。
スイスは自国を防衛するために徴兵制があり、かなり強力な軍隊を保持しています。また、各家庭には小銃が備えてあるそうです。以前は実弾も配布されていたようですが、現在は銃のみだそうです。
閑話休題
第九条を修正するとしたらどのようにするのかということになります。
私は第三項として「自衛権行使に足りる必要最小限の戦力を有することができる」を追加することでしょうか。
第九条は解釈が色々とできるために議論が巻き起こっているわけですが、自国を防衛しようとしない国はあり得ません。
最初の問題ですが、私の答えは「否」です。残念ながら世界の情勢は武力を待たなくても済むような状況になっていません。
日本にアメリカ軍や自衛隊がいなければとっくに他国に侵略されていたことでしょう。
日本という国が独立を保つためには何らかの武力を持つことを否定することは不可能だと思います。