今日は、2名の私立専願入試合格の連絡を頂きました。・・・
ありがたいです!・・・
一人は女子で、学校で先生との折り合いが悪く定期テストを捨てて来た子。当然学校での成績が良くなかったのです。音楽が好きで吹奏楽部です。吹奏楽で高校へ行きたいと相談に来られたのです。しかし、音楽だけでは高校は合格しない事を話し、今からでも間に合うと説明しました。・・・
それ以来、毎日自習に授業にと来てくれました。日祝関係なし、自宅から自転車で30分掛かります。親御さまの送迎も欠かせません。ある時は電車で来てくれてもいました。彼女は、我々を信じ期待して必死に頑張ってくれたのです。なかなか成績には結びつかず、時には涙も流していました。でも、その私立へ入りたい一心でした。・・・
「受かりました~」・・・
見事合格を勝ち取りました。素晴らしいです。・・・
もう一人は男子です。彼は、サッカーの選手を目指しています。サッカーで強豪の高校へ行きたい。しかし、学力レベルが届いていなかった。必死にやると思いきや、遊びや周りの友達に振り回されて(振り回して)、一向に上がる気配がない。お母さんとも話を何度も繰り返しました。お母さんも涙を流していました。・・・
彼は、初めは推薦枠で高校へ行けるつもりだったのです。だから余裕をかましていました。しかし、この成績では推薦出来ない事が分かりそこから必死モードに入りました。(やや弱かったですが)そして今日、無事合格のお知らせを受験した私立高校から直接私の所に連絡頂きました。・・・
「ありがとうございます!高校ではクラブも勉強も一生懸命取り組むと思いますので、どうかよろしくお願い致します。」・・・
明日以降、私立の合格の連絡が相次ぐと思います。・・・
そうこうしていると、公立前期試験に向けてのご相談で中3生女子のお母さまが緊急面談にお越しになりました。・・・
「学校の先生には、前期試験は難しい。後期試験でもこれぐらいの高校です。」と言われたと、でも彼女の夢は先生の提案の高校へ行く事では実現できないのです。・・・
「ここは、一か八かでも前期試験へチャレンジして貰い、後期試験は夢が実現できるここが良いですね。ここなら大丈夫ですよ。学校の先生が勧める処はあまりにも下げ過ぎですね。」・・・
お母さまは納得いただいたようです。・・・
「何分家ではあまり集中できる子ではないので、よろしくお願いします~」・・・
そうこうしていると、違うお母さまから電話です。・・・
心配で自習にちゃんと来ているかどうかの確認でした。・・・
「はい!来てくれてますよ!前期試験まで10日ですので心配しますよね~」・・・
親の心子不知!・・・
親に心配をかけるまでもなく、しっかり一年前から頑張り続けてくれていればこういう事にはなりません。・・・
こどもたちの中には、どうしても勉強が嫌い、辛い、面白くない。などなどが原因でなかなか本腰を入れてくれません。どんどん自ら進んで取り組んでくれれば、どんなにか楽です。親として・・・
今後の話として、ではどうすればみんなやる気をどんどん出して、しかも楽しく学んでくれるのか?・・・
そのヒントは、「トムソーヤ」のお話しの中に出て来ます。・・・
トムソーヤのペンキ塗りのお話しです。・・・
「トムはある日、伯母さんから柵のペンキ塗りのお手伝いを頼まれます。彼はそれが嫌でしょうがない。それよりもみんなと一緒に釣りに出かけたいのです。もしくは野球に出かけたいのです。もしくは探検に出かけたいのです。要するに遊びに行きたいのです。お手伝いなんて、大嫌い!」・・・
「しぶしぶペンキ塗りを始めます。しかしどうしたら逃げられるか思案します。そこへ、ハックルベリーと友達が現れるのです。」・・・
「トムは、一瞬で閃きます。そうだ!こうしよう!」・・・
「近づいてくるハックに見えるように、オーバージェスチャーでペンキを塗り始めました。しかもとんでもなく笑顔で、むちゃくちゃ楽しそうに柵を塗っていきます。」・・・
「楽しそうなトムの行動を見てハックが言います。トム!楽しそうだね~」・・・
「ハックか!楽しいよ!僕はこのペンキ塗りが一番大好きさ!釣りなんてペンキ塗りに比べたら月とすっぽんさ!」・・・
「へぇ~!楽しそうだね~。トム!僕にもそのペンキ塗りやらせてくれないか?」・・・
「トムは、しめしめと思いました。」・・・
「いいよ!やってみるかい!と、はけとペンキを渡しました。」・・・
「ハックは、なんだかとても楽しくなりました。そこでどんどん塗って行っても良いかとトムに聞きます。」・・・
「良いよ!ちょうど伯母さんにお使いを頼まれているから、おもしろいけれど今日の所はハックに任せるよ。残念だけど~」・・・
「ありがとう!と、ハックは上機嫌です。」・・・
「たのんだよ~と、トムはいそいそと公園へ野球に出かけたのです。」・・・
彼の作戦は大成功です。・・・
これが、やる気を起こさせる原理です。・・・
これを私は「トムソーヤの誘惑」と呼んでいます。・・・
こどもは、親の背中を見て育ちます。親が、仕事も家事も楽しそうにワクワクしながらやっている所を見せつけられたら、必ずこどもも勉強をワクワクしながらやって行きます。勉強は、楽しいのだと思えるようになるのです。それを親が、いやいや仕事をしていたりダラダラ家事をしていたり、苦痛にうちひしがれての行動であれば、一体誰が真似したいですか?・・・
どんな仕事も楽しい事だけではないです。どちらかと言えば辛い事が多いです。しかし、それを楽しくする事が出来ればどんなにか楽ですね。また楽しくやれば効率も上がります。・・・
苦痛の中、必死に取り組んでいる姿は日本人の美意識の中にある事は確かです。でも、それは決してこどもたちにとって有効ではないのです。大人の美的感覚です。・・・
苦労に苦労を重ねて、事故や病気で四苦八苦。それでも頑張って大成するというサクセスストーリーが大好きですね。特に日本人は・・・
でも、こどもたちがわざわざそんな苦しみにの中に行けるはずが無いのです。初めに楽園ありきです。その後苦しみの中に行かなければいけない状況なら這い上がれます。初めから地獄では這い上がる事すら気づかないのです。・・・
どんなに苦しくてもそれを楽しみに変える機能が人間にはあります。・・・
それが「トムソーヤの誘惑」です。(悪用禁止です。)・・・
勉強とは、本来楽しいものなのです。ワクワクする物なのです。それを小さいときに捻じ曲げられてしまっています。元に戻すには、周りの「生きる事を楽しむ姿勢」が重要なのです。勉強もしかりです。大人がもっとワクワクしながら日々の人生を生き続ける事。ワクワクしながら毎日仕事や家事や勉強に取り掛かる事です。その内、こどもたちから「やりたい!」と言い始めます。・・・
これが、「トムソーヤの誘惑」の原理です。・・・
しかし、決してワザとらしいのはいけません。真剣に楽しむことが原則ですので、トムソーヤのように騙してはいけませんよ。こどもたちは敏感なのですぐに化けの皮がはがれますのでご用心下さいませ。・・・
明日に、期待!・・・祈「全員合格!」