白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
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奇妙な形(出題編)

2016年12月20日 23時59分59秒 | 問題集
皆様こんばんは。
本日は私の対局から、面白い形をご紹介しましょう。
以前ご紹介した両セキ崩れも見た事のない形でしたが、こちらもなかなか実戦に現れない形だと思います。
実は既にTwitterに投稿した形ですが、詳しくやってみます。



1図(テーマ図)
著書の題材にもなった、佐藤昌晴九段との対局です。
黒番で、焦点は左下ですが、私はどう打ったと思いますか?





2図(変化図)
当たりなので、黒1と繋ぐ手がまず思い浮かびますね。
勿論考えられる手ですが、何故私がこう打たなかったかは・・・忘れました。
恐らく白2から、下辺で居直られる事を嫌ったのでしょうね。
この白はとても取れそうにありません。





3図(実戦)
繋ぎでは白への響きが弱いとみて、黒1と当てて行きました。
黒△も当たりのままですが・・・。





4図(実戦)
白1と取って来ましたが、白4子がまた当たりです。





5図(実戦)
そこで黒1と取り返します。
しかし、またこの石が当たりです。





6図(実戦)
で、白1とまた取り返しました。
取り返し2回というのがまず珍しいですが、まだ本題には入っていません。





7図(実戦)
黒1~5まで、強硬に迫って行きました。
ここで白Aと打てば生きていますが、ただ生きるだけでは、つらい感じもします。





8図(実戦)
そこで、実戦は白1から黒地を破って来ました。
しかし黒4と眼を取って、何やらきな臭い状況になって来ました。





9図(実戦)
白1~7で下辺の黒が切れましたが、石が2線に8本並んでいます。
6死8生の格言通り、黒石は生きています。
そこで白9と眼を作りに来ましたが、この白は一体どうなっているのでしょうか?





10図(実戦)
という訳で、問題です。
次の黒の1手と、この白の死活がどうなっているか、考えてみてください。
なお、中央には眼ができないので、そちらを気にする必要はありません。

解答編の投稿は明日の23時を予定しています。