皆様こんばんは。
まずはお知らせです。
1/3(火)、横浜の宇宙棋院にて、著書の販売イベントを行います!
内容は、当初はサイン会&トークショーの予定でしたが・・・。
1人で30分も喋るネタが無いので、大盤解説をやる事にしました(笑)。
本でどんな事が学べるのかを、しっかりお伝えしたいと思います。
解説を聞くだけなら無料なので(サロンの入場料は必要)、ご都合の合う方はぜひお越しください。
時間は確か、12時30分頃からだったと思いますが・・・ちょっと自信がありません。
詳しくは宇宙棋院の方へお問い合せください。
年末年始も、元日以外は営業しているそうです。
さて、本日もナショナルチームの強化合宿で行われた、トーナメントの1局を題材にします。
3位決定戦、許家元四段(黒)と井山裕太六冠の対局です!

1図(実戦白50~白52)
井山六冠が、白1、3と左辺に打ち込んだ場面です。
これは単に地を荒らす手ではなく、黒の上下を分断する事で攻めを狙っています。
とはいえ、左辺は元々黒の構えがあった所です。
黒としては怖がっている場合ではなく、むしろ先制攻撃を仕掛けたいですね。
ただし、その方法が難しいのです。
白Aなどと、左右を繋がられてはいけない事ははっきりしていますが・・・。

2図(変化図1-1)
黒1と左右を分断し、白2には黒3!
このように、勢い良く攻めたくなる方が多いでしょう。
しかし、白2、4に石が来て、左上の黒も心配になってきました。

3図(変化図1-2)
そこで、黒1と逃げる事になりますが、白2に対しては一転して黒3などと、下辺の白と繋がらせないよう打たなければいけません。
何だか流れがチグハグですね。
白10となって、黒の方が弱くなってしまいました。

4図(実戦黒53)
実戦は、黒1のツケ!
格好良い手が飛び出しました!
この手は、所謂モタレ攻めです。
左辺の白を直接攻めても上手く行かないので、そのための準備をしようという事です。
ツケという手は強制力が強く、相手としては何か対応すれば自然ですが・・・。

5図(変化図2)
白1と受ければ、黒2からどんどん押して黒8までと、大きく網を張る予定でしょう。
これなら左上の黒が危なくなる心配もなく、左辺白の凌ぎは大変です。
また白Aには黒Bと、黒1子は喜んで捨ててしまいます。
白2子が置き去りになっては、勿論黒良しです。

6図(実戦白54)
そこで、白1と左辺から動きました。
それなら、黒2、4と目一杯の形を作る事ができます。
下辺白への攻めまで視野に入って来ました。
白としても、一方的に攻められては面白くありません。
この後白Aから反撃し、激しい戦いへと突入しました。

7図(実戦黒83)
その後黒1と、要石の黒△を助けた場面です。
まずは白Aの切りが目に付きますね。
しかし白Aには、黒Bあたりに打って来るでしょう。
左辺の白には眼が無く、厳しく攻められる恐れがあります。
そこで実戦は・・・。

8図(実戦白84)
白1と、左上の黒を閉じ込めました!
黒Aと繋がって来れば、それから白Bに打とうというのです。
黒を閉じ込めた事で左辺の白は強くなっており、もう攻められる心配が無くなっています。
これは白にとって最高の図です。
つまり、黒の立場からすれば、絶対に許す訳には行きません。

9図(実戦黒85~黒87)
左上を放置し、黒1と繋ぎました!
白2で左上の黒が危険ですが、黒3でこちらの白と差し違えようというのです!
一方的にやられるよりも差し違えを目指すのは、プロの本能のようなものです。

10図(実戦白88~白94)
白は左上を取っても、下辺を取られては不満と判断しました。
そこで、生きを目指して動き出しました!
左上を取ってこちらも生きようという、欲張りな打ち方です(笑)。
結局、下辺の白はコウになりましたが、コウ替わりで左上の黒が復活する事になりました。
そして、さらにもう1つ大きなコウが発生し、そのコウ替わりで何と左上の白が取られる展開に!
何とも派手な碁でしたが、許四段が見事勝利を収めました。
許四段は今年あまり目立ちませんでしたが、今は色々な碁を模索している最中のように見えます。
余正麒七段や一力遼七段との力の差は僅かで、遠からずタイトルに絡んで来るでしょう。
まずはお知らせです。
1/3(火)、横浜の宇宙棋院にて、著書の販売イベントを行います!
内容は、当初はサイン会&トークショーの予定でしたが・・・。
1人で30分も喋るネタが無いので、大盤解説をやる事にしました(笑)。
本でどんな事が学べるのかを、しっかりお伝えしたいと思います。
解説を聞くだけなら無料なので(サロンの入場料は必要)、ご都合の合う方はぜひお越しください。
時間は確か、12時30分頃からだったと思いますが・・・ちょっと自信がありません。

詳しくは宇宙棋院の方へお問い合せください。
年末年始も、元日以外は営業しているそうです。
さて、本日もナショナルチームの強化合宿で行われた、トーナメントの1局を題材にします。
3位決定戦、許家元四段(黒)と井山裕太六冠の対局です!

1図(実戦白50~白52)
井山六冠が、白1、3と左辺に打ち込んだ場面です。
これは単に地を荒らす手ではなく、黒の上下を分断する事で攻めを狙っています。
とはいえ、左辺は元々黒の構えがあった所です。
黒としては怖がっている場合ではなく、むしろ先制攻撃を仕掛けたいですね。
ただし、その方法が難しいのです。
白Aなどと、左右を繋がられてはいけない事ははっきりしていますが・・・。

2図(変化図1-1)
黒1と左右を分断し、白2には黒3!
このように、勢い良く攻めたくなる方が多いでしょう。
しかし、白2、4に石が来て、左上の黒も心配になってきました。

3図(変化図1-2)
そこで、黒1と逃げる事になりますが、白2に対しては一転して黒3などと、下辺の白と繋がらせないよう打たなければいけません。
何だか流れがチグハグですね。
白10となって、黒の方が弱くなってしまいました。

4図(実戦黒53)
実戦は、黒1のツケ!

格好良い手が飛び出しました!
この手は、所謂モタレ攻めです。
左辺の白を直接攻めても上手く行かないので、そのための準備をしようという事です。
ツケという手は強制力が強く、相手としては何か対応すれば自然ですが・・・。

5図(変化図2)
白1と受ければ、黒2からどんどん押して黒8までと、大きく網を張る予定でしょう。
これなら左上の黒が危なくなる心配もなく、左辺白の凌ぎは大変です。
また白Aには黒Bと、黒1子は喜んで捨ててしまいます。
白2子が置き去りになっては、勿論黒良しです。

6図(実戦白54)
そこで、白1と左辺から動きました。
それなら、黒2、4と目一杯の形を作る事ができます。
下辺白への攻めまで視野に入って来ました。
白としても、一方的に攻められては面白くありません。
この後白Aから反撃し、激しい戦いへと突入しました。

7図(実戦黒83)
その後黒1と、要石の黒△を助けた場面です。
まずは白Aの切りが目に付きますね。
しかし白Aには、黒Bあたりに打って来るでしょう。
左辺の白には眼が無く、厳しく攻められる恐れがあります。
そこで実戦は・・・。

8図(実戦白84)
白1と、左上の黒を閉じ込めました!
黒Aと繋がって来れば、それから白Bに打とうというのです。
黒を閉じ込めた事で左辺の白は強くなっており、もう攻められる心配が無くなっています。
これは白にとって最高の図です。
つまり、黒の立場からすれば、絶対に許す訳には行きません。

9図(実戦黒85~黒87)
左上を放置し、黒1と繋ぎました!
白2で左上の黒が危険ですが、黒3でこちらの白と差し違えようというのです!
一方的にやられるよりも差し違えを目指すのは、プロの本能のようなものです。

10図(実戦白88~白94)
白は左上を取っても、下辺を取られては不満と判断しました。
そこで、生きを目指して動き出しました!
左上を取ってこちらも生きようという、欲張りな打ち方です(笑)。
結局、下辺の白はコウになりましたが、コウ替わりで左上の黒が復活する事になりました。
そして、さらにもう1つ大きなコウが発生し、そのコウ替わりで何と左上の白が取られる展開に!
何とも派手な碁でしたが、許四段が見事勝利を収めました。
許四段は今年あまり目立ちませんでしたが、今は色々な碁を模索している最中のように見えます。
余正麒七段や一力遼七段との力の差は僅かで、遠からずタイトルに絡んで来るでしょう。