白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
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苑田勇一-羽根泰正戦

2018年11月22日 23時45分34秒 | 囲碁界ニュース等
<本日の一言>
本日の対局は勝ちました。
内容はかなり押されていましたが、運が良かったですね。
来週も頑張ります。
</本日の一言>

皆様こんばんは。
木曜日は日本棋院棋士の公式対局日です。
本日も多くの対局が日本棋院ネット対局幽玄の間で中継されました。
今回は苑田勇一九段と羽根泰正九段の対局をご紹介しましょう。
苑田九段は関西棋院、羽根九段は日本棋院中部総本部の所属です。



1図(実戦)
苑田九段の黒番です。
黒△はいかにも良さそうな手ですね。
単に白のハザマを衝いただけでなく、白A、黒B、白Cの切断を防いでいます。
攻防兼備の一着です。





2図(実戦)
黒△まで、白×を取り込むことになっては黒成功でしょう。
黒全体に不安が無くなったことが大きいですね。





3図(実戦)
白△の強烈なカケは、羽根九段らしいですね。
黒×を最も厳しく攻める手です。
中京のダイヤモンドの異名を取る羽根九段は、武闘派として有名です。





4図(実戦)
しかし、黒はさらっとかわしてしまいました。
黒×が取られると中央白は強力な厚みになりますが、働く場所が無いとみているのですね。
その判断は正しく、黒がこのまま押し切って中押し勝ちとなりました。


これで苑田九段は1000勝を達成しました。
西の宇宙流として有名ですが、それは一面に過ぎず、碁盤全体を見た打ち回しができることが強みなのではないかとみています。
付け加えるなら、名前も良いですね。
迷惑されているかもしれませんが・・・(笑)。