白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
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仲邑菫-呉依銘 三番勝負第1局

2019年12月02日 19時49分16秒 | 囲碁界ニュース等

<本日の一言>
明日15時30分から、阿含桐山杯の日中決戦が行われます。
対局者は日中それぞれの阿含桐山杯の優勝者である、張栩九段(39)と范廷鈺九段(23)です。
日本棋院ネット対局幽玄の間にて一力遼八段の解説付きで中継されますので、ぜひご覧ください。



皆様こんばんは。
本日は仲邑菫初段(10)と呉依銘二段(13)の三番勝負第1局が行われました。
早速振り返っていきましょう。

1図(実戦)
呉二段の黒番です。
序盤は2間高バサミからの変化ですが、こういうところでは経験の積み重ねはあまり関係なく、今どれだけ研究しているかどうかが全てですね。
2人とも間違いなく私より詳しいでしょう。
ただ、黒△のハネで要石の白×が助けられなくなったのには、おやと思いました。
白が苦しい出だしになってしまったのではないでしょうか。




2図(実戦)
黒1~5が、いかにも呉二段らしい手堅い打ち回しだと思いました。
私なら、同じ守るにしても黒Aと飛び、黒Bの飛び込みを狙いたくなります。
また、手を抜いて黒Cに先行するのも魅力的です。
これはおそらく多数派の発想なのではないかと思います。

しかし、呉二段はぼんやりした手を好まず、計算できる手を着実に積み重ねていくタイプのようです。
李昌鎬九段と似ているかもしれませんね。
 




3図(実戦)
白1とケイマしましたが、これは仲邑初段の悪い癖が出てしまったと言って良いでしょう。
左右を割いて勢いがあるようですが、黒Aと打たれて白×を動けないのでは明らかに空振りです。
これではっきり劣勢になりましたね。





4図(実戦)
白1の打ち込みに対して、黒14までの対応は「金持ち喧嘩せず」ですね。
がっちり生きてしまい、取り付く島がありません。
ここからほとんどチャンスを与えず、黒が勝ちきったと思います。
 
 
本局は呉二段のペースで打ち回されてしまいましたね。
仲邑初段の、鋭さや思い切りの良さといった長所が生かせませんでした。
明日の第2局は黒番でしょうし、仲邑初段らしい碁を見せて欲しいですね。



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