白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
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仲邑菫-小松大樹

2019年12月12日 23時59分59秒 | 幽玄の間

<本日の一言>
明日は日本棋院有楽町囲碁センターにて指導碁を行います。
皆様のお越しをお待ちしております。



皆様こんばんは。
木曜日は日本棋院棋士の公式対局日です。
本日も多くの対局が日本棋院ネット対局幽玄の間にて中継されました。
今回は仲邑菫初段(10)と小松大樹三段(29)の対局をご紹介します。

1図(実戦)
仲邑初段の黒番です。
黒1と這い、白2のケイマを許しました。

右辺黒が心配なので、黒1では黒2あたりに構えておく棋士も多いと思います。
しかし、そのような守りだけの手は打ちたくなかったのでしょう。
実戦は「攻められるものなら攻めてみろ」と開き直りました。
仲邑初段は、攻めていても攻められていても目一杯に打ちますね。



2図(実戦)
途中黒が打ちやすくなったように見えましたが、この時点では黒苦戦でしょうか。
それにしても、ここで黒1とは驚きました。
白4と急所に迫られ、黒大石が危険です。

普通の人は黒1では黒Aなどと、黒一団の安全を確保するでしょう。
白Bと割り込む手は残りますが、大した手ではありません。
しかし、それでは勝ち目が薄いと感じ取り、危険を生じて頑張ったのでしょう。
勝負師の発想ですね。



3図(実戦)
白△まで、白一団は生きています。
となると黒×の生きは困難で、ここで投了もあるかと思っていました。



4図(実戦)
それを粘って生きたのは、仲邑初段の強いところですね。
しかし白△に回られ、黒Aと小さく生きるのでは勝てません。
そこで実戦は黒Bから丸取りにいきましたが、成功せず黒投了となりました。

仲邑初段、国内の公式戦では男性棋士相手に初めて負けました。
本局は力を発揮しにくい碁に上手く誘導されてしまったかもしれませんね。
これで今年の成績は14勝6敗となりました。




☆各所で指導碁を行っています。皆様のお越しをお待ちしています。

日本棋院有楽町囲碁センター・・・JR有楽町駅前の交通会館9Fです。毎月1回、指導碁当番を担当しています。今後は10月11日(金)、11月15日(金)、12月13日(金)に指導碁を行います。

永代塾囲碁サロン・・・武蔵小杉駅徒歩5分です。毎月第2土曜日に講座と指導碁を行っています。

白石囲碁教室・・・五反田駅徒歩4分です。指導碁や個人レッスンを行っています。

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