白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
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阿含桐山杯日中決戦

2019年12月03日 23時59分59秒 | 囲碁界ニュース等

<本日の一言>
仲邑菫初段(10)と呉依銘二段(13)の三番勝負第2局は、呉二段の白番2目半勝ちでした。
三番勝負は呉二段の2連勝で決着しました。
敗れはしましたが、仲邑初段らしさが存分に発揮された一局だったと思います。



皆様こんばんは。
本日は阿含桐山杯日中決戦が行われました。
日中それぞれの阿含桐山杯の優勝者は、張栩九段(39)と范廷鈺九段(23)です。
それでは振り返っていきましょう。

 1図(実戦)
范九段の黒番です。
白1~7は、いかにもAIが好みそうな打ち方ですね。
張九段は昔からこんなことをやっていた気がします。



2図(実戦)
黒1と、ツケで対抗!
白Aのシチョウ対策のようでもあり、黒Bとコウを仕掛けたときのコウ立て作りのようでもあり・・・。
ここから2人だけの世界に入っていきました。



3図(実戦)
黒1のツケに対して、両当たりを承知で白2、4とやっていったのには驚きました。
ポン抜きを許すことは、考えもしない棋士も多いと思いのではないでしょうか。
いかにも張栩九段らしい、現実主義の打ち方だと思います。



4図(実戦)
黒1の押しに対して白6と伸びると、黒Aで白が簡単に負けそうです。
そこで、白2、4を利かして黒Aを防ぎ、取って返して白6・・・。
張九段の必死の頑張りだったと思います。

そして、この部分が後の逆転の手がかりになりました。
最後は張九段の1目半勝ちとなり、日中決戦を制しました!
范九段を相手に、はっきり悪くなった碁をひっくり返すとは素晴らしいですね。



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