皆様こんばんは。
本日、第41期碁聖戦挑戦手合五番勝負の第1局が行われました。
早速振り返ってみましょう。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2e/48/98a1d765b29593d439ee7f92972a6c53.jpg)
白12手目まで、非常にありふれた布石です。
ここで黒A、白B、黒Cといった進行ならば平凡な布石が続きます。
しかし流石井山碁聖、皆さんの期待を裏切りません。
ここで斬新な打ち方を見せてくれました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/71/9b/641d013bd70966e073a2fdadb62d5a39.jpg)
黒1!
上辺の黒3子はプロの感覚からすると異様な構えです。
しかし実は左下の定石と関係があり、打たれてみるとなるほどと思いました。
ただし高級な考え方になるので、説明は省略・・・![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/face_ase2.gif)
既存の常識に囚われない柔軟な発想、とだけ申し上げておきます。
白Aと左下黒を攻めに来るのが心配ですが、構わず黒Bと大場に展開する予定でしょう。
左下黒は攻めさせてサバこうという作戦です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/64/2c/f22cf0f11672e89617982e5d246b3df6.jpg)
右上でも見慣れない形が出来ましたが、白Aと打った所に注目してみましょう。
「ツケにはハネよ」で、黒Aが普通ですが・・・
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7d/34/f7d70f1003a6039b49dfdfc84c594632.jpg)
このような変化が想定されます。
定石のような形ですが、黒2子が宙に浮いて白が主導権を握りそうです。
そこで黒は・・・
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/34/e5/c38a9c16e11a4758131fb93a060e42d4.jpg)
右上の競り合い重視で、黒1と打ちました。
手を抜かれた白としては勢い白2と連打、黒も3と連打してお互いに主張を通しました。
右下白も好形ですが、左上黒も立派です。
双方気合の入った分かれでした。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/78/87/87cd96e7e2597d12d6f7c4f7017d60ba.jpg)
そして白1と迫った場面です。
黒2が井山碁聖らしい目一杯の手です。
黒石は弱いので、この手では少し遠慮してAと打つのが普通の感覚です。
黒2に対して白Bならそこで黒A、それは黒良い形なので・・・
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2c/8a/5f235a98a03bd73bba3b018ad575e5d4.jpg)
村川挑戦者、白1のノゾキから白5と切断!
鋭い反撃で、井山碁聖参ったかと思われました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/56/bb/5cc2ba2e3e731aa59208801b43380612.jpg)
しかし黒も11までと冷静に対処しました。
下辺を捨石にして左上一帯の黒模様で勝負する作戦です。
鮮やかな分かれでした。
この後白Aと黒模様に突入、激しい戦いが始まりました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6e/56/8de2787af1c6426085359892085d7245.jpg)
白△と打たれた場面です。
押さえると切られていけませんし・・・
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/43/26/e4f0b4bc8f405aa1b7bd5e0d5751744e.jpg)
緩めるのもいけません。
やはり左下黒が取られてしまいます。
黒、参ったでしょうか?
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/07/c1/5456d3f6b817b284b63801eee8941d2f.jpg)
ところが黒1がうまい返し技でした。
白AとB2つの傷を作って、どちらを守るのか聞いています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2a/32/03b5df2d30f8aa5a08a34c862cdf0ca6.jpg)
白1と下を守れば黒4までとなります。
攻め合いで左下黒を取る事が出来ますが、上辺の黒模様が完成してしまいます。
これは黒が良いでしょう。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/66/00/50763be31706f79b3db45687846faed1.jpg)
そこで白は上を繋ぎ、黒は2、4と脱出する事が出来ました。
一歩間違えると潰れる所ですが、見事な読みでした。
すると今度は白が凌ぐ番、白Aと切って難解な読み合いは続きます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/06/92/6e47ab71af121f4a0dd2273e76813398.jpg)
その戦いの結果、白1と脱出に成功しました。
それと同時に周囲の黒が弱くなっており、白優勢でしょう。
ここで黒は自身の安全を確保しようとするのが普通の発想ですが・・・
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/60/97/abb99d9084dbf983f818106cf1a1223e.jpg)
中央は黒1、5で間に合わせて、下辺の動き出し!
井山碁聖渾身の勝負手と見ました。
これが井山碁聖の怖い所ですね。
白8と分断されて苦しそうですが・・・
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/76/22/b1e62332b12dcfc778c5fff708262154.jpg)
黒AやBの弱点を狙いに、黒7と中央の白に絡んで行きました。
超難解な戦いです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5b/2f/c7841fa684770c792212043fe519bfeb.jpg)
戦いは黒23子対白22子の大攻め合いに発展!![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/face2_shock_s.gif)
ぎりぎりの読み合いでしたが、勝負を制したのは黒の井山碁聖でした。
村川八段にも十分チャンスがあったのではないかと思います。
結果的に大石が取られる事になりましたが、内容は僅差です。
むしろ途中までは村川八段が押していた碁だったと思います。
最近一段と力強くなった村川八段、井山碁聖に対しても一歩も退かない戦いぶりでした。
2局目以降も激しい戦いになる予感がします。
第2局は7月18日(祝・月)に石川県金沢市の「北國新聞会館」で行われます。
お楽しみに!
本日、第41期碁聖戦挑戦手合五番勝負の第1局が行われました。
早速振り返ってみましょう。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2e/48/98a1d765b29593d439ee7f92972a6c53.jpg)
白12手目まで、非常にありふれた布石です。
ここで黒A、白B、黒Cといった進行ならば平凡な布石が続きます。
しかし流石井山碁聖、皆さんの期待を裏切りません。
ここで斬新な打ち方を見せてくれました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/71/9b/641d013bd70966e073a2fdadb62d5a39.jpg)
黒1!
上辺の黒3子はプロの感覚からすると異様な構えです。
しかし実は左下の定石と関係があり、打たれてみるとなるほどと思いました。
ただし高級な考え方になるので、説明は省略・・・
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/face_ase2.gif)
既存の常識に囚われない柔軟な発想、とだけ申し上げておきます。
白Aと左下黒を攻めに来るのが心配ですが、構わず黒Bと大場に展開する予定でしょう。
左下黒は攻めさせてサバこうという作戦です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/64/2c/f22cf0f11672e89617982e5d246b3df6.jpg)
右上でも見慣れない形が出来ましたが、白Aと打った所に注目してみましょう。
「ツケにはハネよ」で、黒Aが普通ですが・・・
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7d/34/f7d70f1003a6039b49dfdfc84c594632.jpg)
このような変化が想定されます。
定石のような形ですが、黒2子が宙に浮いて白が主導権を握りそうです。
そこで黒は・・・
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/34/e5/c38a9c16e11a4758131fb93a060e42d4.jpg)
右上の競り合い重視で、黒1と打ちました。
手を抜かれた白としては勢い白2と連打、黒も3と連打してお互いに主張を通しました。
右下白も好形ですが、左上黒も立派です。
双方気合の入った分かれでした。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/78/87/87cd96e7e2597d12d6f7c4f7017d60ba.jpg)
そして白1と迫った場面です。
黒2が井山碁聖らしい目一杯の手です。
黒石は弱いので、この手では少し遠慮してAと打つのが普通の感覚です。
黒2に対して白Bならそこで黒A、それは黒良い形なので・・・
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2c/8a/5f235a98a03bd73bba3b018ad575e5d4.jpg)
村川挑戦者、白1のノゾキから白5と切断!
鋭い反撃で、井山碁聖参ったかと思われました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/56/bb/5cc2ba2e3e731aa59208801b43380612.jpg)
しかし黒も11までと冷静に対処しました。
下辺を捨石にして左上一帯の黒模様で勝負する作戦です。
鮮やかな分かれでした。
この後白Aと黒模様に突入、激しい戦いが始まりました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6e/56/8de2787af1c6426085359892085d7245.jpg)
白△と打たれた場面です。
押さえると切られていけませんし・・・
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/43/26/e4f0b4bc8f405aa1b7bd5e0d5751744e.jpg)
緩めるのもいけません。
やはり左下黒が取られてしまいます。
黒、参ったでしょうか?
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/07/c1/5456d3f6b817b284b63801eee8941d2f.jpg)
ところが黒1がうまい返し技でした。
白AとB2つの傷を作って、どちらを守るのか聞いています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2a/32/03b5df2d30f8aa5a08a34c862cdf0ca6.jpg)
白1と下を守れば黒4までとなります。
攻め合いで左下黒を取る事が出来ますが、上辺の黒模様が完成してしまいます。
これは黒が良いでしょう。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/66/00/50763be31706f79b3db45687846faed1.jpg)
そこで白は上を繋ぎ、黒は2、4と脱出する事が出来ました。
一歩間違えると潰れる所ですが、見事な読みでした。
すると今度は白が凌ぐ番、白Aと切って難解な読み合いは続きます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/06/92/6e47ab71af121f4a0dd2273e76813398.jpg)
その戦いの結果、白1と脱出に成功しました。
それと同時に周囲の黒が弱くなっており、白優勢でしょう。
ここで黒は自身の安全を確保しようとするのが普通の発想ですが・・・
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/60/97/abb99d9084dbf983f818106cf1a1223e.jpg)
中央は黒1、5で間に合わせて、下辺の動き出し!
井山碁聖渾身の勝負手と見ました。
これが井山碁聖の怖い所ですね。
白8と分断されて苦しそうですが・・・
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/76/22/b1e62332b12dcfc778c5fff708262154.jpg)
黒AやBの弱点を狙いに、黒7と中央の白に絡んで行きました。
超難解な戦いです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5b/2f/c7841fa684770c792212043fe519bfeb.jpg)
戦いは黒23子対白22子の大攻め合いに発展!
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/face2_shock_s.gif)
ぎりぎりの読み合いでしたが、勝負を制したのは黒の井山碁聖でした。
村川八段にも十分チャンスがあったのではないかと思います。
結果的に大石が取られる事になりましたが、内容は僅差です。
むしろ途中までは村川八段が押していた碁だったと思います。
最近一段と力強くなった村川八段、井山碁聖に対しても一歩も退かない戦いぶりでした。
2局目以降も激しい戦いになる予感がします。
第2局は7月18日(祝・月)に石川県金沢市の「北國新聞会館」で行われます。
お楽しみに!