福島県相馬市で、農人ナベさんは「有機栽培米・ミルキークイーン」をつくってきました。
農人ナベさんのおたよりから、一部を転載します。
有機稲作を実践しているわたしたちは、「福島県環境保全稲作研究会」という組織をつくっています。
19名のメンバーがいますが、原発にちかく放射能のたかい地域のメンバーのなかには、避難していたり、作付けができなかったり、という人もいます。
東電への補償を請求して、少しずつ受け取っている人もいるそうです。
でも、いつまでこの補償があるのか、不安の声もあります。
ちなみに、私はまだ、この東電への補償を請求しておりません。
原発事故の被害が確定した (米の販売がおわった時) 後に、請求する予定です。
米の場合、風評などで売れなくても、米を在庫としてもっているかぎり、東電へ補償の請求はできません。
これは、いまはお米が売れなくても将来にたかく売れるかもしれないので、被害額が確定できないからだそうです。
被害の補償をうけるのには、米を廃棄 (焼却) 処分にするか、やすく売ってしまい、被害額を確定する必要があるわけです。
私は、自分の米は売れなくても、廃棄処分はできません。
安全でおいしい米と確信しておりますので、販売に努力したいと思っています。
宮城県や岩手県から、復興にむけての明るいニュースがはいってきます。
しかし、福島のニュースは、原発の事故、放射能の除染、がれきの処理、ふるさとから離れる住民、県外への避難などなど、復興というにはほど遠く、暗い問題ばかりです。
あせっても仕方ないので、皆さんからのあたたかいお心遣いやご支援をいただき、一歩一歩、前にすすむことが復興につながるものと思っています。
3月にはいり、農水省の方針が発表されました。
相馬市は、一部をのぞき、2012年も作付けできることになりました。
ひと安心です。 本格的に作付けの準備にはいります。
今年も、皆さんにおいしく安心して食べていただける米作りをしていきます。
農人ナベさん、おたよりありがとうございました。
今年の「有機栽培米・ミルキークイーン」も、期待して待っていま~す!