「モテる男は好きじゃないから。」
新宿御苑にほど近いタリーズ・コーヒーで、友達が口を開いた。
「疲れるだけだって。」
どうしてこうもタイムリーな意見を言ってくれるのだろう。そこが友人たる所以だろうか。顔が広い、クラブで育った様な男と知り合い嫌な思いをしているさなか、友人の言葉が胸に突き刺さる。
「そう思わない?」
本当にそうだと思う。いや、言われてやっと思った。例えばオレは体育会系の男が好きなのだが、体育会系でも2通りいて、スーパースターの様な男とそう目立たない男といると思う。後者は、体育の授業とかでそっと手を差し伸べてくれるような、でも女のコからはチヤホヤされない男。そういう男は社会人になって凄いモテ出すと思っているのだが、そういう男が絶対いい。ジムとかでも華やかさはないけど好感が持てる一生懸命な人っている。男に華やかさなんていらない。普通でいいはずだから。
「自分の事をカッコいいと思っていない男にしたら?」
彼が笑顔でアドバイスしてくれる。
「そうかもね。」
きっとそう。そういう男がずっと好きだったはずだから。