ゲイとしてスタートラインにも立っていなかった、かつての自分。掲示板やエロDVDを見ていると、20代前半という若さで顔も体も完璧な男が多くて、どうしても当時の自分と比べてしまい哀しい。何でもできるよ、それだけ揃っていれば。
就職しても、しなくても。できれば就職して普通の人生を歩んで欲しいけど、お父さんくらいの男性に愛されて何でも買ってもらえる人生だっていい。就職しても週末だけGO-GOをやったり、アフター5にウリ専で働いてもいい。いつか好きな人ができて自然と平凡な生活を望むようになるまで。
そんな人生の選択肢もなく、普通、といっても悪い意味だが、そんな人生を送ってきた自分が情けなく思う。スポーツばかりの人生でもよかった。
そんな、男として貧しいスタートを切ったからこそ、全てに対して貪欲なのかもしれない。顔も体も男としての魅力も、全てが欲しい。では、どうしたら手に入るの?そんな事を自問自答している人生だった。そして、自分を決して受け入れられない人生でもあった。かつては誰かいい人と付き合う為にいい男を目指していたはずだが、もはやそういう事は人生のGOALではなくなってしまった。自分の理想の相手など探してはいない。自分が自分の理想になりたいだけ。あ、いい男がいる、そう街中で思った5秒後には自分に目が向いている。「もっとオレも脚を鍛えなきゃ。」こんな人生だけは誰にも送ってほしくないと思う。
ファッションも結構どうでもよくなってしまった。他人によく映る格好をしようという姿勢がなくなってしまったから。そういう意味では自然体になれた。ジャージやスウェットでいつもいるから。誰かを好きになることが急激に減ったのもそう。凄いタイプの男がいたら一瞬夢中になるが、自分のお手本になってしまうので恋愛には至らない。コピーしたい対象として、心に焼きつけられるだけ。いつから自分はこんな人間になってしまったのだろう。
仕事が忙しくなって、少しほっとした。会社とジムしか行ってないんだけど、それがなぜか心地いい。出会いなし、恋愛なし、ゲイ友とのお茶もなし。これでいいと思う。鍛えて鍛えて、自分を変えていく作業に没頭できる。そして、いつか誰かに好きだと言われる。そんな人生を心の奥底では望んでいるのかもしれない。
通りがかりです。
ずいぶん前の記事のようでしたが思わずコメントしてしまいました・・・。
あまりに今の自分と重なるので・・。
またぜひ更新再開してください。
とても面白いです。