いい女よりもいい男の数は少ない

男の恋愛ブログです。
過去の記事は随時掲載していきます。
以前読んで下さっていた方、ありがとうございます。

一緒に歩こう

2016-06-25 22:59:08 | 日記
「勃ってきちゃった」

初めて会ってお茶をした帰り、次は食事でも、と誘われた。いいよ、と答えてから数日後、彼の家の近くでスパゲティを一緒に食べた。好きな男と一緒であれば何でも最高の料理になる事を知った。出てきたアイスコーヒーもサラダも全てが美味しかった。好きでもない男であれば、食べ終わって少ししたら「そろそろ行きましょうか」となりそうなところ、好きな男の場合は、「何かドリンクでも頼みますか?」となる。そして帰りは遠回りをして公園を通り抜けた。

「ちょっと触っていい笑?」

真っ暗闇の公園は街灯に照らされていても前を歩く人がはっきりとは見えないほどだった。周囲に気付かれないようにそっと手を握ると、彼は照れながら勃起したと教えてくれた。スウェットの上から触ると堅いモノが手に当たってお互いに笑ってしまった。

エロい事が好きだという男は世の中多いと思うが、ではエロい事って何だろうと思う。鍛えたマッチョがエロい下着を穿いて挑発してきてそのまま最高にエロいプレイをする事だろうか。だとしたら自分は違う。好きな相手と手を握ったり部屋でいちゃいちゃしている方が何百倍もエロいと思うからだ。

やり目的の男というは寂しい男達なのかもしれない。SEXが一番エロいと思っているのだとしたら、だが。

既婚者

2016-06-25 14:08:51 | 日記
その男は、自宅の鏡の前で全裸でポージングするのが日課だった。人前で脱ぐ機会はないが、飲み会で強要されて全裸にさせられたいという願望があった。マッチョな自分があの手この手で脱がされて、チ○ポをじっくりと観察される事を想像すると勃起した。彼はもちろん女性が好きで、結婚もしていた。子供もいたし、筋トレが趣味のよくいるサラリーマンだ。ただ1つ変わった点は、男性の体に興味があった事だった。

筋トレに夢中になって体が見違えてマッチョになっていくにつれ、男性の体に目が行くようになった。あの脚は凄い、とか、カッコいい体だなあと思っていたのが、いつしか、あの憧れの体を触ってみたい、とか、あの最高の体だったら抱き合ったりしてもいいなと思うようになっていった。

「オレは頭がおかしくなってしまったのか?」

鏡の前で自分の裸を見ながらあちこち触ってオナニーするのがたまらなかった。男は嫌だけど、自分とだったらSEXしてもいい。いや、これ以上の体のヤツだったらしごいたりしゃぶったりしてもいいかもしれない。元々Mだったのもあるが、完璧な体作りを追求していくうちに、ノンケとゲイの境界線が揺らいだ。

パンプアップしてから鏡の前でパンツを脱ぐと仮性包茎のチ○ポが目に入った。しごいて勃たせると黒ずんだ亀頭がぴくぴく震えていて、いつも通りに色々体をいじって鏡に射精した。この最高の瞬間を誰にも見せないのはもったいない。そう思うと、彼は海外サイトに自分の射精した動画をアップするようになった。LIVEチャットをしたいとは思わない。一方通行だが動画を掲載してコメントを見ることで反応を確かめた。

都内に住む日本人の男性からメッセージが届いた。外人からは大量にメッセージが送られて来てはいたが日本人から来るとは思っていなかったので嬉しかった。開くとプロフィールが添えてあり、体の画像も添付されていた。

ゲイには興味がない。男とSEXなんてしたくはない。でも自分のオナニーは見て欲しい。ジムで着替えている時にジロジロ裸を覗き見られるのも内心嬉しかった。手を出されたくはないが、自分の体がゲイのおかずにされていると思うと興奮した。

「よかったら会いませんか?」

この日本人男性はかなり鍛えている。会うのは怖いと思ったが、カフェでの待ち合わせだったし、成り行きでラブホテルに行くことになったとしても、オナニーを直接見てもらったり、触る程度であればむしろ興味がある。男の自分が何かされる事もないだろう。変な安心感が背中を押してくれた。

「はい、ぜひお願いします」

オレが先日カフェで待ち合わせたのが、既婚者の彼だ。

スーパーヒーロー

2016-06-21 23:39:44 | 日記
大塚ゴールドに行くと、ラウンジにはいつもの笑顔が待っていた。

「今日も一緒に頑張りましょう」

彼の笑顔が好きだった。「好き」と言っても恋愛のそれではない。自分は決してノンケを恋愛対象にはしない。

「はい」

素直に返事をしている自分に驚く。実は彼の為にこの曜日だけ大塚ゴールドジムに通っていたのだ。ファンだとか追っかけではない。ただ約束を守りたかっただけだ。

オレは彼が大学生の頃から知っている。ジムで会った時に就職は?と聞いたら、「トレーナーになりたいです」と笑って答えてくれた。「じゃあ、オレがお客さんになってあげるよ」こんな他愛もない約束が2人の人生を変えた

1番目の客はオレだった。トレーナーと客。彼はオレの先生になった。社会人になった彼の顔に以前のあどけなさはもうない。「先生」と一緒にトレーニングすることが自分の人生において、いつしか大きな心の支えとなっていった。

「好きな人が出来ました」

彼女ができたと報告を受けた。いつか直接紹介すると言われたが、オレの知っている人の様でもあった。

「おめでとう」

彼とオレが初めて出会って、彼はトレーナーになって、そんな彼に彼女ができて、その間に5年の月日が流れていた。次に報告を受けた時は「今度結婚します」だった。

「そのTシャツ、自衛隊っぽくてカッコいいですね」

「航空自衛隊のTシャツだよ。」

「え、何でそんなTシャツ持ってるんですか?」

「さあね。」

彼がこの世を去ったのは、それからすぐだった。悲しいとか、そういった感情は湧かなかった。当たり前にいつも会っていた彼ともう会えないんだ、という気持ちと、もうオレは大塚には来ないかもしれないな、とだけうっすらと思っていた。

「あの、これからもずっと通って頂けますか?」

心配してくれた社員に声を掛けられた。退会はしないが他店に通うつもりでいた。大塚ゴールドは思い出が多過ぎて、あまりにもつらかったのだ。でも不思議とこう答えていた。

「分かりました。」、と。

彼と出会えて、本当にいい人生だったと思う。






インスタグラム

2016-06-12 00:23:18 | 日記
プロテインのイメージモデルをしているノンケの選手と食事をした。FBは知人とだけクローズドな感じだったがインスタグラムは華やかだった。美味しそうな食事や風呂上りの姿などが定期的にアップされている。彼のインスタグラムを一緒に見ながら1枚1枚解説してもらった時は、何だか舞台裏を覗き見た感覚がして嬉しかった。

「腹減った」

「じゃあ、どこかで食べて行って下さい」

元々は食事をする予定はなく別件でお会いしたのだが、「腹が減った」と言ってたのでどこかで食べて行って下さいと伝えた。自分は新宿で食べるつもりだったから、ここで別れればいいかなと思っていたのだ。

駅まで歩いている途中で、あの焼肉屋旨そう、あの店何かな?とずっと言っているので笑ってしまった。

「美味しい店がすぐそこにありますから、オレも一緒に行きましょうか?」

「はい!」

一緒に頼んだランチの画像が彼のインスタグラムに追加される。
こういうのもいいな、と、ちょっと思った。


航空自衛隊という生き方

2016-06-10 00:16:37 | 日記
その男が音楽を聴きながら窓の外に目をやると、航空自衛隊防府南基地が目に入った。特に何の迷いもなく入隊試験を受けたが、晴れて受かってこうして基地にやってきたというのになぜか寂しさが込み上げてきた。もう到着するのだと悟り音楽プレーヤーをかばんにしまい込むと、車内のアナウンスに従い外に降り立った。夏の山口県は灼熱という言葉がまさに相応しい。まるで地獄の業火の中に向かって行くかのようにグラウンドへと向かった。

同じ自衛隊でも陸上や海上に比べたら航空はましだろう。しかも昔の航空自衛隊員はクーラーも携帯もなかったと聞いた。それに比べたら自分は幸せな人間だ。そう言い聞かせて毎日を過ごした。起床時のラッパには最後まで慣れなかったが、消灯後に窓から見える漆黒の空を眺めているのが好きだった。四六時中大勢と暮らしているせいか、時折一人になりたくなる。6人部屋だったが、5人がさっさと寝付いてしまうので、この静寂の時だけ一人になれた気がする。一切の光が存在しない暗闇では皆一人なのかもしれない。

初めてシャワーを使わせてもらったのは入隊して1ヵ月が経った頃だっただろうか。毎晩皆で揃って大浴場に行かなければならなかったので、3分間だけだったが列に並んで個室のシャワーが許された。ボディシャンプーで体を洗っていると指が乳首に当たる度に変な気分になった。そういえば1ヵ月もオナニーをしていなかったと気付くと突然勃起した。あと1分半ある。曇りガラスの後ろにはずらっと隊員達が全裸で並んでいるのが見えたが構うもんか、と背中を向けたままチ○ポを一気にしごき上げて射精した。黄色に近いゼリー状の精液が大量にボタッボタッと飛び出し、まだ止まらないのかよ、と凄まじい程の快感の中で精液を出し尽くした。時間が無い。立ちくらみとめまいで立っていられない状況だったがチ○ポを握りしめたまま何とか呼吸を整えた。「時間だ」と教官がドアをノックしたので返事をした後、勃起したチ○ポのままドアを開けた。

指折り数えた新隊員課程の「卒業日」は、いつの間にかやって来た。いつも通り平等に時間が過ぎて行ったのだとは思うが、後半から速度を増した気がする。不思議な事にこんな生活にも慣れるのだ。煩わしかった共同生活もなぜか愛おしく思えてくる。もちろんこんな生活はごめんだし、このままずっと続いたら発狂するかもしれない。なのに、みんなと別れるのは嫌だと思った。バスに乗り込むときに何とはなしに振り返ると教官の半分が泣いていた。仕事とは言え、自分の子供くらいの新隊員に対して一貫して容赦なく厳しく接しなければならなかったのは時にはこたえただろう。ラグビーや野球部出身のごつい新隊員が何人も夜泣いているのを目にしたものだ。それももう終わる。ホっとはしたが涙は流れなかった。

珍しく日差しが強い日が続く中、昼休憩で近所の弁当屋に向かうと丁度赤信号に引っかかってしまった。何気なく見上げると日差しに照らされて輝く街路樹が目に入った。ぼーっと見つめているとグラウンドを走る大勢の掛け声が遠い記憶から聴こえてきた気がした。