深夜の中目黒で待ち合わせをしていると、友人の姿が見えてきた。笑顔で手を振ると、早足でこちらにやって来てくれた。
「先に何か食べようか?」
代官山で深夜までやっているお店で食事をし、イベントのフライヤーを1枚手渡した。
クラブのイベントは、やはりこうして気の知れた友達と行くのが楽しい。出会いが目的でもいいが、中で別々に行動するのも少し寂しい。2人で常に移動し、2人で常に寄り添って会話を楽しんだ。飽きたらすぐに帰ろうという約束だったが、結構楽しんでいたと思う。あっという間に朝が来た。
「これから部屋に行ってもいい?」
一人暮らし故に、こうした誘いは当時多かった。話し足りない続きは部屋でという意味での「行ってもいい?」ではない。
「オレらはそういうのじゃないよね(笑)?」
やんわりと断わると、お互いの家路へと別れた。彼と寝て、その先に一体何があっただろうか。
あの日クラブのイベントに行ったのは、きっと誰かを忘れるため。お願い、今夜ぐらいは忘れさせて。
シャワーを頭から浴びる。明日から、また一週間が始まるから。
(mixi日記2006年06月29日より抜粋)