因幡屋ぶろぐ

劇評かわら版「因幡屋通信」主宰
宮本起代子による幸せの観劇記録。
舞台の印象をより的確により豊かに記せますよう・・・

Wonderlandに劇評掲載『八月のバス停の悪魔』

2008-11-30 | お知らせ
 劇評サイトWonderlandに拙稿が掲載されました。今回はミナモザ公演『八月のバス停の悪魔』(瀬戸山美咲作・演出)です。題名の通り、夏の盛りにみた舞台の印象をようやくまとめることができました。少々気合いが入り過ぎたかなと思いますが、ご笑覧くださいませ。ベースになったブログの記事はこちらです。
 書くことは旅に似ています。それも自分の場合、日程表も目的地までの地図も持たず、ただ書いてみたい、書けるかもしれないという微かな感覚をたよりに歩き出す、実に無謀な旅です。設計図もないのに家を建てようとするに等しいでしょう。神懸かったことを言うわけではありませんが、知識も乏しく考えに偏りがあり、言葉も拙い者が一編の文章を書き終えるには、やはり何かの導きがあるように思えてなりません。それはあるときはラジオドラマ『大つごもり』で聞いた杉村春子の声であり、中村伸郎と渋谷ジャンジャンの思い出であり、関根信一(劇団フライングステージ)のあの一言だったりします。舞台をみると、何かしら感じます。しかしそれを考えて、ある程度の長さのまとまった文章を「書く」行為にまで繋げられることは少ないのです。ミナモザの舞台には、「みて、感じる」から「考えて、書く」ことに繋ぐ、何か強い力がある。自分はそのように実感しています。あてのない旅をいたずらに不安に思うことなく、目的地に導かれることを信じて、これからも舞台をみて感じて考えて書いていきたい。そう願っています。
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