因幡屋ぶろぐ

劇評かわら版「因幡屋通信」主宰
宮本起代子による幸せの観劇記録。
舞台の印象をより的確により豊かに記せますよう・・・

『マクベス』

2010-03-07 | 舞台

*ウィリアム・シェイクスピア作 河合祥一郎翻訳 野村萬斎構成・演出 公式サイトはこちら
世田谷パブリックシアター 20日まで
 登場人物はマクベス夫妻(野村萬斎、秋山菜津子)ふくめ5名、上演時間は1時間30分だという。極限まで削ぎ落したスピーディな展開が予想される。3階席からは確認がむずかしかったが、舞台の両袖にあるのは盛り塩だろうか?ぞくぞくと期待が高まる。

 残念ながら短い上演時間にも関わらず、時間の経過が長く感じられ、集中を欠く観劇となった。設定を変えたり戯曲を大幅に改訂したり、演出家それぞれに方法があってよいと思う。しかし、一昨年になるだろうか、赤坂ACTシアター上演チェーホフの『かもめ』の大看板に記された、「100年以上も上演されているのには理由があります」のキャッチコピーを改めて思い出す。『かもめ』に限ったことではない。シェイクスピアが400年以上も世界各国で上演されつづけてきたのにも、理由があるはずだ。昨年の『44マクベス』(中野成樹誤意訳・演出)を楽しめなかったのと、おそらく似たような理由で、今回の『マクベス』に、心が掻きたてられるような高揚感は持てなかった。シェイクスピアが上演されつづけている理由と考えると同時に、自分が楽しめなかった理由を単純なの好みと片付けるのではなく、考えつづけている。

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