因幡屋ぶろぐ

劇評かわら版「因幡屋通信」主宰
宮本起代子による幸せの観劇記録。
舞台の印象をより的確により豊かに記せますよう・・・

鉄割アルバトロスケット『高みからボラをのぞいている』

2006-08-20 | 舞台
*戊井昭人作 牛嶋彩緒演出 こまばアゴラ劇場 夏のサミット2006
 この舞台には恐れ入った。最初から最後までほとんどわけがわからず、これまでみた芝居の中で「困惑のベスト5」に間違いなく入るだろう。昨年夏発行の『ユリイカ』小劇場特集で、この劇団についての批評(柴田元幸)を読み返してみたがやはりだめだ。当日配布チラシには「流れのようなもの」として37ケのタイトルが書き連ねられており、一応それに沿って話(?)は進むのだが、コントやネタ、瞬間芸のいずれとも考えにくいのである。最後は全員がネギを持って殴り合い。あれはいったい何だったのだろうか。

 芝居をやりたい、戯曲を書いて舞台で上演したい、人にみてもらいたいと思うからには、何か表現したいもの、訴えたいこと、伝えたいことがあるからだと思うし、観客はそれを見たくて劇場に足を運ぶのだ・・・と自分は思っているのだが、そういったものがあるのかないのかすらわからなかった。

 当日パンフ掲載の今回の公演についての主宰の戊井昭人のコメントを読んだ。川にボラが大量発生したとき、人間はその様子を口をポカンと開けてみていた。その人間とボラの関係性を考えてみたが何もなく、「今回の舞台も、そんなポカンな関係が僕等とご覧になってくださる皆様の間に築ければと思います」。
 ん?とすると、今日の自分の感覚は敵の思うツボということなのか?!

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 『ムーンリバー』 | トップ | ハイリンド第2回公演『牡丹燈... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

舞台」カテゴリの最新記事