*唐十郎作 松本修演出 シアター・ブラッツ
昨年近畿大学演劇・芸能専攻の学生が卒業公演として本作を上演し好評を得、勢いにのって東京公演を実現させた。こういうことはめったにないのではないか。学生諸氏はじめ、公演に関わる多くの方々の努力と熱意に敬意を表したい。
今年上演が相次ぐ唐作品であるが苦手意識が強く、たぶん自分は1本もみないだろうと思っていたところ、MODEからのダイレクトメールに同封された演出の松本修の熱意溢れる案内文を読んで、「よし!見に行こう」と決意した。
休憩をはさんで3時間近い長丁場である。小さな劇場の背もたれのないベンチ席で体力がもつか心配だったが、不思議と疲れを感じず。学生たちは(既に卒業している人もいるので、厳密にはすべて学生ではないが)唐の戯曲から逃げず、からだも頭も心もぜんたいでぶつかっている。その姿に思わず「頑張れ、唐に負けるな」と心のなかで励ましている自分に気づく。演劇とは戯曲との闘いであることを実感できたのが、本日の収穫であった。
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