長生きも、才能のひとつです。
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エリザベス女王、在位記録更新=63年超、ビクトリア女王抜く―英
【ロンドン時事】英女王エリザベス2世が9日、ビクトリア女王(在位1837〜1901年)を抜き、同国君主の在位最長記録を更新する。在位63年7カ月で、89歳となった今も健康状態は良好。「君臨すれども統治せず」を実践し、第2次大戦後の英国史の大部分を見守ってきた女王の時代は、国民の支持の下、さらに続きそうだ。
祝賀行事が盛大に行われた2012年の在位60年(ダイヤモンド・ジュビリー)とは異なり、大規模な公式の記念行事は予定されていない。女王は9日、通常の公務として、北部スコットランドで鉄道開通式に出席する。
最近の世論調査によれば、英史上最も偉大な君主は誰かとの問いに27%がエリザベス女王と回答。13%のエリザベス1世女王(同1558〜1603)や12%のビクトリア女王を大きく引き離している。
大英帝国の最盛期を治めたビクトリア女王は、政治に介入し、向こう見ずな言動も多かった。対照的に、目立つことを好まないエリザベス女王の態度について、王室専門家のリチャード・フィッツウィリアムズ氏は「現実的で思慮深く献身的」と特徴付ける。「女王は英国が得意とするソフトパワー(非軍事的な影響力)の発揮を体現している」との見方だ。
英エリザベス女王が在位記録更新 63年余、ビクトリア女王抜く 「国民に親しまれる王室」築く
【ロンドン=内藤泰朗】英国のエリザベス女王(89)は9日、在位63年216日を数え、大英帝国繁栄の象徴である高祖母のビクトリア女王(在位1837〜1901年)を抜き、在位期間が歴代最長の英国君主となった。
すでに英史上最高齢君主の女王は健康に恵まれ、9日には英北部スコットランドで再建された鉄道の開設式に参列。AP通信によると、女王は「国内外から届いた、心に触れる実に温かいメッセージに感謝します」と述べた。
英王室によると、エリザベス女王がビクトリア女王の在位期間を抜く9日午後5時半ごろ以降に祝賀式典が行われるが、その在位期間は平坦(へいたん)ではなかった。
女王が父ジョージ6世の死去により25歳で王位を継承したのは52年2月6日。第二次大戦の傷を残していた時代だった。
女王は、すでに植民地時代が終わった大英帝国の衰退を目にしながら戦禍からの復興に努め、英連邦諸国や世界各国を積極的に訪問するなど「国民に親しまれる王室」を目指した。
居城ウィンザー城の火災(92年)やチャールズ皇太子とダイアナ元妃の離婚(96年)、翌年の元妃の事故死など数々の苦難に見舞われ、一時は君主制廃止論すら持ち上がった。だが、これを機に女王は改革に乗り出し国庫からの王室費を削減。若い世代へ情報を発信して、さらに国民に身近な王室に変貌させた。
キャメロン首相は「女王陛下の無私の奉仕と義務感は激変する英国と世界を安定させる礎石になってきた」と賛辞を述べた。
◇ビクトリア女王を抜く
【ロンドン矢野純一】英国のエリザベス女王(89)が9日、国王(女王)在位期間を63年217日に延ばし、英王室史上最長だったビクトリア女王(在位1837〜1901年)を抜いた。女王は同日、北部スコットランド地方の鉄道開通式に出席し「いや応なく人生は過ぎ去り、私の場合も例外ではありません。メッセージを寄せてくれた多くの人に感謝します」と述べた。
女王はこの日、公務の開通式に出席するだけで特別な行事はなかった。「ビクトリア女王の死を祝うことになるので、パーティーは望まないとの女王の意向」(英インディペンデント紙)で、休暇先のスコットランド・バルモラル城で夫のフィリップ殿下(94)や家族らと過ごした。
地元メディアによると、王室一家も「普段通りに過ごすように」と言われており、チャールズ皇太子(66)は女王と一緒ではないという。
女王は1926年4月、ヨーク公(後の国王ジョージ6世)と母エリザベス(同エリザベス王妃、皇太后)の長女として生まれた。
52年2月、父ジョージ6世国王の急死に伴い、25歳で即位。近年、公務を徐々に減らしているものの、89歳の現在も健康状態は良好で、王位継承前の21歳のときに「命の続く限り大英帝国に奉仕する」と演説したように、生前退位する可能性はないとみられている。
健康の秘訣(ひけつ)について、王室専門誌「マジェスティ」のイングリッド・シュワード編集長は「56歳で亡くなった父ではなく、101歳まで長生きした母の遺伝と、規則正しい生活だ」と話す。今も愛犬と散歩しており、足腰も丈夫だという。
97年にダイアナ元妃が事故死した際は、女王に対する国民の反発も生まれたが、その後、女王は親しみやすい王室を演出し、人気を回復させた。最新の世論調査では、71%が王室制度の存続を望んでいる。
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