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Fatal Disease from Secondhand Smoke

2005年09月16日 08時03分09秒 | 気になる英語表現
アメリカには、全国紙と呼びうるものは、USA TODAYしかありません。New York TimesやWashington Postのような有名な新聞であっても、全国紙ではないのです。その証拠に、前者はアメリカの大概の町のdrugstoreやgas stationで買えますが、後二者は買えない所だらけです。

そのUSA TODAYの名物コラムにSnapshotというものがあります。毎日イラスト付きで「へえー」と唸らせるトリビアだけど重要な統計データを示してくれるものです。したがって、このSnapshotを読み続けておけば、アメリカ通になれることを保証します。

ちなみに、snapshotとは、いわゆる「スナップ写真」のことです。スナップ写真が一瞬の動きを切り取る写真であることから、「寸評」とか「雑感」といった意味が派生してきました。もちろん、このコラムがイラスト付きであるのも、短い文(章)から出来上がっているのも、この言葉の意味を知っていれば、納得できることでしょう。

そこで、今週の気になる英語表現を9月15日付けのSnapshotから採用することにしました。奇しくも、受動喫煙の被害に関するものです。昨日の拙文ならびに「禁煙運動」というカテゴリーに入る記事と併せて読んでもらえれば嬉しい限りです。

Fatal Disease from Secondhand Smoke

Each year, 3,000 non-smokers die of lung disease linked to environmental tobacco smoke.

いかがですか?問題なく意味が取れましたか?しばらく難しい英語表現ばかりでしたが、今週は基本に立ち返ります。

1分以内で辞書に頼らずにきちんとこの文が訳せれば、TOEICなら750点くらいは行ける実力です。易しい文ですが、侮れません。なかなかどうして、重要な表現が隠れているのです。

二つの太字の重要熟語を中心に行きましょう。

(1)die of  「(病気など)で死亡する」

辞書を見ると、ofだけではなく、fromもdieと共に用いられると書いてあります。しかもその区別がはっきりしません。

「通例,病死・餓死・老衰死にはof、けが・不注意などに起因する死にはfromを用いるが,逆のこともある」(プログレッシブ英和中辞典第3版)

「普通, 直接の死因(病気)にはof, 間接の死因(けが, 過労など)にはfromを用いるが, ofとfromが区別なく用いられることもある」(新グローバル英和辞典)

特に真面目な性格の人には、この曖昧な説明に混乱を引き起こしてしまうかもしれません。

そこでゴウ先生が一刀両断いたします。die ofだけを覚えなさい!die fromは忘れてよろしい!

そう断言する理由は、「言葉というものが、時間が経つに連れて、単純化されていく」という進化の法則を持っているからです。つまり、人間は、2種類の言い方を使い分ける面倒臭さを嫌がり、言葉の用法を一つに収斂させていくのです。人間は横着者であるということです。そして実際、最近のアメリカ英語では、前者を好んで使われる傾向にあります。

さらに重要なのが、die ofを覚えることで、重要前置詞ofに対して深い理解が得られるという利点があるということです。ofを「~の・・・」だけしか知らないようでは困ります。ここで使われているように、「理由」、「原因」を表せたりするのです。それに近いものでは、他には皆さんが知っている熟語に「XをYの理由で責める」という意味になるaccuse X of Yがあります。

ゆえに、“Each year, 3,000 non-smokers die of lung disease”は、「毎年3000人の非喫煙者が肺の病気が原因で死んでいる」となります。

(2)link to

linkという単語は、カタカナ日本語で「リンクする」というように使われていますので、皆さんには馴染み深い言葉でしょう。英語本来の用法でも、名詞・他動詞・自動詞の三つの働きがある重要単語です。ぜひ辞書をじっくり読んで正しく使えるようになってください。

この文では他動詞のlinkが受身形で使われています。本来はこの動詞は、link X to Yの形で使われます。意味はもちろん「XとYをリンク(結合、関連)させる」という意味です。

ゆえに、“linked to environmental tobacco smoke”は、「周囲のタバコの煙に関連した」という意味になるのです。

しかし、ここでまた辞書を見ると、混乱する人が出てくるかもしれません。この熟語の場合も、どの辞書を見ても、linkがto だけでなくwithとも使われると書いてあるからです。そのくせ、用法に示されているのは、toだけなので、真面目な人であればあるほど、悩みはつきないことでしょう。

そこで、またもやゴウ先生がズバッと言わせてもらいます。最近はtoが多い!だから、toを使いなさい!

これはrelationでもそうです。toも withも使えると書かれてはいますが、最近のアメリカ人が書いたものを見ると、まずwithは使いません。ですから、linkもrelationも後に続く前置詞はtoであると覚えておけばよいのです。

いつも申し上げている通り、覚えない勇気を持つことがすべからく上達の秘訣ですから。

というわけで、“Each year, 3,000 non-smokers die of lung disease linked to environmental tobacco smoke.”の和訳は、「毎年3000人の非喫煙者が、周囲のタバコの煙に関連した肺の病気で死んでいる」となります。

なお、「副流煙」にあたる英語として、このSnapshotでは”passive smoke”ではなく、”secondhand smoke”という言葉が使われていることにも注目してください。通常、「中古」という意味のsecondhandが使われると、passiveがただ単に受身でタバコの煙を吸い込むだけなように聞こえるのに対して、本当に汚い煙を吸ってしまう危険性を表現している気になります。ゴウ先生、これからはsecondhand smokeを使わせてもらいます。

ゆえに、このコラムのタイトル“Fatal Disease from Secondhand Smoke"は「副流煙による死に至らしめる病気」となります。怖いですね。

ともあれ、この3000人とはアメリカ国内だけなのか、それとも世界中なのか、判然としません。USA TODAYの性格からして、前者だとゴウ先生は思っております。しかし、どちらであったとしても、この数字は小さなものではありません。

危険性を承知してタバコを吸っている人がそれが原因で死ぬのは、その人の勝手です。しかし、それに巻き込まれる罪のない周囲の人は哀れです。

特に親の副流煙に苦しめられる子供は悲惨以外の何ものでもありません。お父さん・お母さん、まだ吸っているのならば、いますぐやめてください。かつてのヘビー・スモーカー親父からのお願いです。

この世の中からsecondhand smokeの被害をなくしていきましょう。そのために、禁煙そして周囲の人への禁煙勧告運動を続けていきましょう。英語を真剣に学ぶ皆さん、ご協力よろしくお願いします。
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1 コメント

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Snapshotをチェックしていきます (タゴサク)
2005-09-17 09:23:34
USA TODAYのコラムをご紹介頂きまして誠にありがとうございます。



die of、link toの用法及びsecondhand smokeという表現等、とても勉強になりました。



私も禁煙家としてsecondhand smokeの被害を無くすべく、禁煙勧告運動をしていきます。
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