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消えないドーピング、いっそ許可してしまうのもありかもしれない

2016年09月21日 07時20分20秒 | 時事放談: 海外編

恐るべし、ロシアのドーピング努力。しかし、その他の国も似たようなもののはずです。

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ロシアのドーピング隠し、深い闇 旧ソ連時代から脈々と
朝日新聞 2016年9月21日03時03分

 リオデジャネイロのオリンピック、パラリンピックで浮上したロシアのドーピング問題。世界反ドーピング機関(WADA)の調査で「組織的」と認定された隠蔽(いんぺい)の歴史は、旧ソ連の時代にさかのぼる。ロシアの研究者らの証言や非公開の資料からたどった。

 「我々(ロシア)にはドーピング技術がある。私が開発した。同時に、隠蔽する技術も必要なのに、我々は持っていない

 ロシア国立体育・スポーツ・青年・観光大学のセルゲイ・サルサニヤ教授(79)が断言した。

 1960年代末、筋肉増強作用のある「アナボリック・ステロイド」(AS)によるドーピング手法を秘密裏に開発し、旧ソ連・ロシアのトップ選手育成に関わったスポーツ科学者だ。このほど、モスクワ市内の自宅で取材に応じた。

 旧ソ連では、種目ごとの代表選手がスポーツ省直轄のトレーニングセンターに集められ、科学者がトレーニング方法から食事、薬の投与まで指導してきた。この過程で、研究者は多くのデータを得てきたという。

 五輪でASを対象にしたドーピング検査が本格的に導入されたのは、76年のモントリオール五輪だった。

 サルサニヤ氏は、この大会の重量挙げ110キロ級の金メダリスト、ワシーリ・アレクセイエフ選手(故人)がASの常習者だったと語った。「(同選手は)尿検査を困難にするため、(ASを体から抜く効果があるという)クエン酸を前夜に飲まされ続けた」。検査技術が進んだ現在では、こんな手法では隠蔽できない。

 88年のソウル五輪。ソ連は大型客船をソウル近くの仁川に派遣した。「ソ連選手用の医療センター」と紹介された。だが、実際は数億円に及ぶ高価なドーピング検査機器が船内に搭載され、ソ連選手の体内から薬物が抜けたことを検査前に確認していた――。ロシア反ドーピング機関(RUSADA)の前身組織トップで、親交があったビターリ・セミョーノフ氏(故人)などから聞いた話だ、とサルサニヤ氏はいう。

 この大会ではカナダの陸上選手ベン・ジョンソン選手のAS使用のドーピング違反が発覚。米ニューヨーク・タイムズ紙は当時、匿名のソ連コーチの「お気の毒。我々も含め9割の選手が薬物を使っているのに」との発言を掲載している。

 旧ソ連時代のドーピングの実態を示す秘密資料を所有していたのは、旧ソ連のウクライナ出身で現在は米マリー州立大(ケンタッキー州)の生化学者、マイケル・カリンスキー教授(72)だ。資料の名前は「アナボリック・ステロイドとスポーツのパフォーマンス」(72年)。旧ソ連のASを使ったドーピング手法を詳述している。

 カリンスキー氏が90年、当時の職場だったキエフ体育大学から米国に持ち出した。「私が見たのは、(ドーピングをする)国家機構だった。異論は許されず、ただ沈黙しなくてはならない。そこで私がしたのは受動的な反抗。この秘密資料を引き出しに保管してね

 この資料の筆者が、若き日のサルサニヤ氏だ。旧ソ連のトップ医学研究機関の援助を受けて、国内トップ選手を「実験台」として研究を進めていた。

 資料は、ASの研究が進んだ理由について「(検査がなかった)東京五輪の砲丸投げで米国の(2人の)メダリストたちが使用していた」との情報があったためと記す。冷戦下で、旧ソ連はドーピングの分野でも米国を意識していたことをうかがわせる。

 ドーピング技術での米国との差は、今も変わっていない――。サルサニヤ氏らはそう考えている。

 その一例が、2002年に当局が捜査を始めた米国の栄養補助食品会社バルコを中心としたドーピング事件だ。米国の女子陸上短距離のマリオン・ジョーンズ選手や大リーグ選手らが、カスタムメードで化学構造を変えるなどして見つかりにくくした筋肉増強剤を摂取していた。だが、ロシアには同時期、このレベルの技術はなかったとされる。

 最新技術の開発には、優れた組織と高度な科学技術、潤沢な資金が必要で、今のロシアにはそれらが欠けている、とサルサニヤ氏は指摘。こう付け加えた。

 「ドーピングはどの国でも行われている。ドーピングのためには(選手や科学者は)何でもするだろうし、検査に引っかからない新しい手法が使われるだろう」(モスクワ=松尾一郎)

     ◇

 《ロシアのドーピング問題》 ドイツや米国などの報道で、ロシアの陸上界で不法薬物の摂取が広がっていることや、諜報(ちょうほう)機関の要員によるソチ冬季五輪(2014年)でのドーピング検査の検体すり替えといった不正行為の疑惑が次々と発覚。世界反ドーピング機関(WADA)のもとで行われた調査で、旧ソ連以来の選手育成システムの介在を指摘するなど、国ぐるみの不正と認定された。リオ五輪ではロシアの陸上選手のほとんどが出場禁止になり、続くパラリンピックではロシア選手団全体が排除された

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ロシアだけではないでしょう。アメリカでも、マリオン・ジョーンズもそうですが、ツール・ド・フランス7連覇をドーピングで達成したランス・アームストロングなど、多くのドーピング選手がいます。

ドーピングはあってはいけないと思いつつも、ここまで巧妙に隠蔽操作ができるのなら、思い切って利用許可を与えるのも面白いかと考えてしまいます。

「公平性が崩れる」という意見がありますが、オリンピックや世界選手権で活躍している選手は、どの国でも国家からの手厚い優遇措置を受けているわけで、すでに一般の選手とは雲泥の扱いを受けており、すでに不公平な状態が生まれています。

「薬物を使って作った記録が意味がない」というのなら、記録の欄に「薬物使用記録」という注記をすればよいのです。パワーリフティング競技で、関節その他を保護するためのギアを使った記録か、そうでない記録かがわかるようになっているのと同じです。

使用ドーピング薬を申告して、競技に臨むようにすれば、逆に選手の安全も守られるかもしれません。

極論ですが、「ドーピングは、本当に悪いのか」という問題を、「核兵器・原子力は、本当に悪いのか」と同じく、真剣に議論すべき時なのだと考えます。


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