INDECは、主にビジネスパーソンを対象とした英語塾です。したがって、会員諸君の礼儀・常識には人一倍うるさく指導します。もちろんその中には日本語の正しい話し方も含まれます。そのために、PANC(Presentation and Negotiation Course)という日本語プレゼンテーション・交渉スキルの上達をめざしたクラスを設けているほどです。
そんな立場で次の記事を読むと、少し複雑な気分になりました。
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安倍首相就任会見 「しっかりと」32回「思います」35回 (産経新聞) - goo ニュース
2006年 9月28日 (木) 03:50
■自信のなさ表れ? 専門家は辛口分析
「しっかりと教育再生改革に取り組んでまいりたいと思います」
26日夜の就任記者会見で安倍晋三首相は「しっかりと」「思います」「まいります」という表現を連発した。
「首相としての初会見で緊張していた」(自民党関係者)との見方がある一方、専門家は「自信のなさの表れでは」と辛口の分析をしている。
就任会見は首相官邸で約26分間行われた。発言の中でとりわけ目立ったのは副詞の「しっかりと」だ。「しっかりとスタートする」「しっかりと支援していきたい」など32回登場。1分間に1回以上使った計算だ。
また、文末では「思います」(35回)、「まいります」(22回)、「考えています」(18回)を多用。「しっかりと」強調した決意が最後に「思います」といった形で弱まった印象を与える。
「上手な“聞き方”“話し方”の技術」(ダイヤモンド社)などの著書がある話し方研究所の福田健会長は「同一表現がこれだけ多いとは…」と驚く。福田氏は「首相の重責に『しっかりしないといけない』との思いから『しっかりと』という力強い表現を無意識に多用しているのではないか」と指摘。「文末で『思います』『まいります』を繰り返すのは、弱さや自信のなさの表れ」という。
政治家の言葉や話し方は、国民への説得力を左右するが、福田氏は「安倍氏自身の言葉はまだ見られない。特徴が出てくるのはこれからだろう。日常生活の中の平易な表現でハッとさせる言葉がもっとあるはず」と助言している。
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いやはや、こんな話し方をすると、INDECの会員諸君はボロクソ言われます。特にPANCのクラスではビデオ撮影された自分のプレゼンテーションを大画面で映して反省・分析・修正を行いますので、本人も気づかない癖がこうして出てきて、会員諸君はいつも頭をかいています。
そんなところから申し上げると、こういう言い方をしては何ですが、いまの安倍総理はまだまだ社長になれないサラリーマンの言葉使いです。INDECの20代の会員諸君に似た話し方なのですから。
このような話し方では、どこかで責任逃れをしているかのような印象を与えます。上の指摘にもあるように、小泉総理のような、善し悪しは別にして、自分の言葉を持ってもらわないと、この高支持率も持続しないかもしれません。国民は移り気です。
それにしても、この程度の日本語運用能力だとぶらさがり会見を1日1回にとどめたいと言い出すのも仕方ないのかもしれません。
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安倍首相の直接取材「1日1回」を提案…記者会は抗議 (読売新聞) - goo ニュース
2006年 9月27日 (水) 23:50
首相官邸は27日午後、報道各社で構成する内閣記者会に対し、安倍首相に対する直接取材について、「原則1日1回、夕方に行う」と提案した。
これは、首相が立ちながら記者の質問に答える「ぶら下がり取材」と呼ばれるもの。だが、記者会側は、小泉前政権時代に首相官邸側と合意した「1日2回」の取材機会を減らすことになるとして「認められない」と抗議した。双方は、引き続き協議する。
広報担当の世耕弘成首相補佐官は、記者会側に対し、〈1〉1日1回とするのは、安倍首相の意向〈2〉質問の自由を制限するものではない――などと説明した。
首相へのぶら下がり取材は、小泉前首相時代に昼と夜の計2回行う方式が定着。しかし、今年7月、昼の取材は一方的に取りやめられた。記者会側はこれに抗議し、昼の取材を復活するよう強く求めていた。
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元官房長官としては、ちょっとさびしいマスコミ対応です。日本語と政治をもっと勉強して強気に立ち向かわないと、こうした産経・読売という、本来味方である保守系新聞からも批判を頂戴することになりかねません。
まずは、強気に言い切ること。安倍総理には、それだけを望みます。
そんな立場で次の記事を読むと、少し複雑な気分になりました。
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安倍首相就任会見 「しっかりと」32回「思います」35回 (産経新聞) - goo ニュース
2006年 9月28日 (木) 03:50
■自信のなさ表れ? 専門家は辛口分析
「しっかりと教育再生改革に取り組んでまいりたいと思います」
26日夜の就任記者会見で安倍晋三首相は「しっかりと」「思います」「まいります」という表現を連発した。
「首相としての初会見で緊張していた」(自民党関係者)との見方がある一方、専門家は「自信のなさの表れでは」と辛口の分析をしている。
就任会見は首相官邸で約26分間行われた。発言の中でとりわけ目立ったのは副詞の「しっかりと」だ。「しっかりとスタートする」「しっかりと支援していきたい」など32回登場。1分間に1回以上使った計算だ。
また、文末では「思います」(35回)、「まいります」(22回)、「考えています」(18回)を多用。「しっかりと」強調した決意が最後に「思います」といった形で弱まった印象を与える。
「上手な“聞き方”“話し方”の技術」(ダイヤモンド社)などの著書がある話し方研究所の福田健会長は「同一表現がこれだけ多いとは…」と驚く。福田氏は「首相の重責に『しっかりしないといけない』との思いから『しっかりと』という力強い表現を無意識に多用しているのではないか」と指摘。「文末で『思います』『まいります』を繰り返すのは、弱さや自信のなさの表れ」という。
政治家の言葉や話し方は、国民への説得力を左右するが、福田氏は「安倍氏自身の言葉はまだ見られない。特徴が出てくるのはこれからだろう。日常生活の中の平易な表現でハッとさせる言葉がもっとあるはず」と助言している。
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いやはや、こんな話し方をすると、INDECの会員諸君はボロクソ言われます。特にPANCのクラスではビデオ撮影された自分のプレゼンテーションを大画面で映して反省・分析・修正を行いますので、本人も気づかない癖がこうして出てきて、会員諸君はいつも頭をかいています。
そんなところから申し上げると、こういう言い方をしては何ですが、いまの安倍総理はまだまだ社長になれないサラリーマンの言葉使いです。INDECの20代の会員諸君に似た話し方なのですから。
このような話し方では、どこかで責任逃れをしているかのような印象を与えます。上の指摘にもあるように、小泉総理のような、善し悪しは別にして、自分の言葉を持ってもらわないと、この高支持率も持続しないかもしれません。国民は移り気です。
それにしても、この程度の日本語運用能力だとぶらさがり会見を1日1回にとどめたいと言い出すのも仕方ないのかもしれません。
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安倍首相の直接取材「1日1回」を提案…記者会は抗議 (読売新聞) - goo ニュース
2006年 9月27日 (水) 23:50
首相官邸は27日午後、報道各社で構成する内閣記者会に対し、安倍首相に対する直接取材について、「原則1日1回、夕方に行う」と提案した。
これは、首相が立ちながら記者の質問に答える「ぶら下がり取材」と呼ばれるもの。だが、記者会側は、小泉前政権時代に首相官邸側と合意した「1日2回」の取材機会を減らすことになるとして「認められない」と抗議した。双方は、引き続き協議する。
広報担当の世耕弘成首相補佐官は、記者会側に対し、〈1〉1日1回とするのは、安倍首相の意向〈2〉質問の自由を制限するものではない――などと説明した。
首相へのぶら下がり取材は、小泉前首相時代に昼と夜の計2回行う方式が定着。しかし、今年7月、昼の取材は一方的に取りやめられた。記者会側はこれに抗議し、昼の取材を復活するよう強く求めていた。
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元官房長官としては、ちょっとさびしいマスコミ対応です。日本語と政治をもっと勉強して強気に立ち向かわないと、こうした産経・読売という、本来味方である保守系新聞からも批判を頂戴することになりかねません。
まずは、強気に言い切ること。安倍総理には、それだけを望みます。
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