夢と希望と笑いと涙の英語塾

INDECという名の東京高田馬場にある英語塾で繰り広げられる笑いと涙の物語
新入会員募集中!

大地真央、黒木瞳、宝塚の思い出を語る

2013年11月25日 07時15分16秒 | 時事放談: 国内編

宝塚なんか一度も見たことないのに、こういう対談を読むと、あこがれてしまいます。

**********

大地真央×黒木瞳、思い出トーク タカラヅカ100年
朝日新聞 2013年11月23日04時33分

 宝塚歌劇は来年4月1日、100周年を迎える。記念すべき公演「ドンブラコ」から積み重ねた歳月。その歴史に名を残す大地真央さんと黒木瞳さんは、歌劇団きっての月組コンビとして輝いた。美しすぎる名コンビが明かす青春の一幕。宝塚への思いや舞台裏の秘話を語りあってもらった。

     ◇

 大地 最初の出会いは1番教室に私がいて、ショーコ(黒木さんの愛称)が同期生たちと入ってきたんです。えって思ったのがこの人。タイトスカートをはいて。その頃の娘役ってファッションがあったんです。ブリッとしたスカートとかね。その中で目をひきました。

 黒木 フレアスカートじゃなかった。

 大地 その後、「あしびきの山の雫に」で相手役に。大抜擢(ばってき)だったね。

 黒木 1年目です。第一声が「はー」。演出の柴田侑宏(ゆきひろ)先生と「はー」特訓がありまして。「はー」だけ何時間もやりました。忘れもしない公演の初日。「はー」って出ていったら、大劇場の3階席まで爆笑されたんです。緊張のあまり声がひっくり返ってしまって。

 大地 私は、謀反の罪をきせられて殺されてしまう悲劇の大津皇子だった。

 黒木 辞世の句をよまれるとき、私はそばにいたんですが、真央さんの目から涙がつーっと流れたんです。芝居って虚像を演じることだと思っていたけれど、その人になっていらっしゃる。こういうふうに芝居って取り組むんだって。

 大地 かわいいね。自分も舞台にいるのに。

 黒木 ほとんどお客さんになっていましたし、そばで学ばせてももらいました。

 大地 トップお披露目公演「情熱のバルセロナ」のとき、ショーコは初舞台から2年目だから大変だったと思うんです。男役は10年といわれますが、娘役も並大抵の苦労ではない。わかってたんですけど、びっしびし言いました。宝塚の1番になろうって。

 黒木 ついていかなくちゃって必死。22歳でした。「ひとが10年かかってできることを、あなたは今できなきゃいけない」って。

 大地 本当にがんばりやさんで。泣いたこともいっぱいあったと思うけれど。ふたりでやった作品はすべて満足しています。毎日反省会した。あそこ、ちょっと角度が違うとか。このタイミングもうちょっと待ってとか。やり直したいなあ、なんてない。それぐらい燃え尽きた感。

 黒木 私はもう一度やらせてもらいたいな。あまりにもできなかったから……。舞台の袖にひっこむたび、今のシーンどうでしたかって必ず聞きにいきましたね。「いいと思ってんの」って。「失礼しましたー」みたいな(笑)。それもコミュニケーションでしたね。一度大部屋で下級生を叱咤(しった)激励されたことがあった。舞台人というのはね、感性、想像力、努力よとおっしゃったんです。

 大地 感性、努力、研究心じゃない?

 黒木 そうそう。みんな怒られてるのに、見とれてました。

 大地 自分も失敗ばっかりしてたのに。立場上言わなきゃって。でも、しかしよく食べたし、よく飲んだね。

 黒木 焼き肉を食べにつれていって下さるんですけど、私のママチャリがあって2人乗りで。申し訳ないから「私が先に運転します」といっても、「私が先でいいから」っておっしゃって。ふたりで10人前ぐらい食べて、さあ、じゃあ運転しようと思ったら、上り坂なんですよ。ゆるい坂がずっと続く。これかーって。翌日、舞台でリフトされたとき、支えられなくなったんですよね。

 大地 ころんだね。「ガイズ&ドールズ」で。でも、2人の息はぴったりだったと思います。愛し合ってました。私はこの人が相手役として最高だと思ってました

 黒木 私はヨメにきましたんで、ついていくって

 大地 宝塚ってすごくいいところなんで、きりがないんですよ。でも、いつかは卒業していくと決めていたので、退団を決心した時、やめるよってショーコに一番に言った。

 黒木 「一緒にやめてもいいですか」って聞きました。1年生のときからご一緒させていただいているので、ほかの方とは考えられなかったし。

 大地 彼女がほかの人と組んだら、わが妻をとられたような気になったかもしれないですね(笑)。私は退団後、男役だったことを無理に捨てようとはしませんでした。今でも底辺に薄く、引き出しみたいにありますよ(笑)。私は、男である、その人物になりたかった。白馬にのった王子様でなくて、ちょっとかっこ悪いところや暗いところ、多面性のある男の理想像を目指していました。だから赤い口紅つけて男って抵抗あった。唇は「肉色」といっていた色にしたり。

 黒木 娘役は髪飾りとか自分で考えなきゃいけないんです。一つの場面で三つぐらい用意しておかないと、へんて言われるんですよ。「これ、へん」「こっちは?」「へん」「こっちは?」「まあまあ」「はい」みたいな。

 大地 「へん」しか言わなかった。時間ないんだもん。でも、センスよかったよ。衣装の先生も着せがいがあったと思います。お人形みたいだったもん。あ、いまもかわいいよ。

 黒木 娘役って存在をなくせるんですよ。それができないと娘役はできない。「私が、私が」なんていう性格だと、悪目立ちしちゃうので。お客様のいい気持ちをじゃましちゃいけない。でも、きれいでないといけない。

 大地 男役の横にいる人がかわいい人だと悔しいといいながら、かわいくなきゃイヤ。ファンの心理ってね。

 黒木 今もマミさん(大地さんの愛称)は、私にはあのころとまったく一緒。どうしてこんなにきれいなんだろう。どうしてこんなに上手なんだろう。私もがんばらなきゃ。あこがれのおねえさん。時々叱ってほしい(笑)。

 大地 最近は私が叱られる。マミさん、それだめですよって(笑)。最後に卒業旅行にいきました。うちの母と姉とショーコのお母さんと5人で。オーストラリアとニュージーランド。そのときもアルバムをきれいにつくってくれて。

 黒木 A型だから。ふふ。

 大地 そんな思い出が詰まった宝塚歌劇も100周年。世界に誇れる劇団です。ほかにないですから。その歴史の中にいたんだなって、とても誇りに思う。

 黒木 歴史の積み重ねの一つであることは誇りですし、あんなに訓練された人たちって、日本にそんなにいらっしゃらないと思う。宝塚の生徒は日本の宝だと思うんです。もっと輝いていってほしい。100周年を一緒に迎えられることがうれしいです。

 大地 200年にむけて、宝塚がますます愛されるといいなと思いますね。

     ◇

 だいち・まお 1956年、兵庫県出身。73年、宝塚歌劇団に入団。月組トップスターを務める。華やかな容姿に実力をそなえて人気を誇った。85年の退団後も舞台を中心に活躍を続ける。1月2~27日、東京・明治座の新春公演「コンダーさんの恋~鹿鳴館騒動記~」に主演。

     ◇

 くろき・ひとみ 1960年、福岡県出身。81年、宝塚歌劇団に入団。月組のトップ娘役を務め、85年に退団。テレビドラマ「下流の宴」「おトメさん」など数多く主演。映画や舞台でも幅広く活躍。2014年NHK大河ドラマ「軍師官兵衛」では、おね役で出演予定。

**********

すばらしいコンビです。宝塚どころか、日本の演劇を代表する女優でもあるわけで、その秘密が芸を追及するための厳しさであることもわかり、勉強になりました。

歌舞伎ばかりではなく、宝塚も見に行かないといけないような気がしてきました。これからも、このおふたりのようなスーパースターがきっと出てくるのでしょう。生き証人になってみたくなります。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 中国の尖閣「防空識別圏」設... | トップ | 中国の身勝手防空識別圏設定... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

時事放談: 国内編」カテゴリの最新記事