新幹線に普段乗らないでいたら、まだ完全禁煙にしていないのですね、JRは。何を考えているのでしょう。
**********
(ヒストリー東海道新幹線50年)禁煙車増加 世の流れ
朝日新聞 2014年3月3日15時31分
■日本禁煙科学会理事長・高橋裕子さん(60)
当初、東海道新幹線に禁煙車が1両しか設けられず、なかなか増えなかったのは、喫煙者に過度の配慮があったからではないでしょうか。1988年、日本航空が羽田―大阪を禁煙化し、たばこを我慢できない乗客を新幹線に取り込む狙いもあったと思う。
実際に禁煙車を導入すると、シートの焼け焦げや壁が黄色くなるのを防げ、車内清掃などでコスト削減効果があった。思いがけないメリットもあったわけです。
世界保健機関(WHO)が2003年に受動喫煙を防止する条約を採択し、世界的に受動喫煙の危険が叫ばれるようになった。翌04年ごろには、わずかなたばこの煙を吸っても心筋梗塞(こうそく)などの冠動脈疾患になる割合が上がり、喫煙後の呼気や服に付いたニコチンなども有害であることがわかってきました。
フランスの高速鉄道TGVは、04年12月に全面禁煙になっている。欧米では「屋根のあるところは禁煙」が基本です。
厚生労働省の調査では、12年の日本の成人喫煙者は人口全体の20・7%で、8割はもはや吸っていない。東海道新幹線も完全禁煙化すべきではないでしょうか。
◇
たかはし・ゆうこ 奈良女子大教授。内科医で、日本初の禁煙外来を開く。
■禁煙車の登場(1976年8月20日)
1964年の開業時、東海道新幹線は12両編成で、いずれの車両でもたばこが吸えた。16両編成化が完了した73年も、全車が喫煙車。その3年後、嫌煙権など世論の高まりを受け、国鉄は「こだま」の16号車のみを禁煙車にした。
96年には禁煙車が10両になり、喫煙車数を逆転。2003年、受動喫煙の防止(努力目標)を明記した健康増進法が施行され、集客施設などでの禁煙は時代の流れになった。07年に登場し、主力車両として運行中のN700系はデッキに喫煙ルーム4カ所を設け、客室16両全てを禁煙に。一方、1世代前の700系はグリーン車と普通車の計3両がいぜん喫煙車だ。
04年開業の九州新幹線は全席禁煙。05年には長野新幹線が、07年には上越、東北、山形、秋田新幹線が禁煙化された。新幹線の座席でたばこが吸えるのは東海道・山陽新幹線だけだ。
**********
海外に行く飛行機では、15時間以上も禁煙させられるのが当たり前なのに、たかだか5時間程度の移動に禁煙を要求されない。日本がいかにスモーカー天国であるかがわかります。
喫煙ルームを4箇所に作っているのも、同じ発想。高橋先生がおっしゃるように、「屋根のあるところは完全禁煙」にすべきなのです。
公共の場所の完全禁煙には、まだまだ越えなければならないハードルがいくつもありそうです。嗚呼。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます