これで中国人の公衆道徳意識が高まるというのは、怪しいものです。
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【世界を読む】中国・高速鉄道、禁煙違反者は「一生、乗せない」…マナー徹底に強権発動
産経新聞 2016.9.7 05:00
車内は全面禁煙なのに、喫煙する乗客が後を絶たない中国の高速鉄道で、業を煮やした当局側が、違反者の「永久乗車禁止」を含めた厳しい規定を設けることになった。中国メディアが報じた。違反を見つければ罰金を科して“誓約書”にサインさせ、同じ人物がもう一度違反した場合に「永久追放」にすることも可能になる仕組み。乗客の安全確保のほか、批判されることが多い中国人のひどいマナーを改善しようという当局側の措置だが、さて、効果は上がるだろうか。
火災報知機の作動も
中国メディアの報道などによると、中国高速鉄道の車内は全面禁煙になっているものの、トイレなどに隠れて喫煙したり、車内で堂々と吸ったりするなどの光景がよく見られ、火災報知機が作動して電車の運行が遅れるトラブルが発生することもあるという。
当局側はこれまでも違反者に罰金を科すなどの対策を取ってきたが、効果はあまり上がっておらず、このため今回、新しい規定を設け、厳罰化に乗り出した。
新しい規定は、車内で喫煙しているのを見つけた場合、違反者に500~2000元(約7500~約3万円)の罰金を科す。その際に違反者が“誓約書”にサインすれば乗車禁止とはしないが、この違反者が再び喫煙しているのを見つけた場合には、永久に乗車させないようにするのを可能にするという。
このニュースを取り上げた中国メディアは「車内で喫煙すると火災の危険があり、電車の安全な運行に影響を与える」と強調して違反者を厳しく批判。車内で火災が発生すれば大惨事になるとも指摘し、当局側の対応を評価している。
今回の措置に対し、中国国内の反応は「安全性のことを考えると当然だ」「罰則を厳しくしないとマナー違反はなくならない」などの肯定的意見が多い一方、「永久乗車禁止は厳しすぎるのでは」との声もあるという。
トラブルは空の上でも
中国の乗り物での喫煙違反は旅客機でも頻発している。最近でもこんなニュースがあった。
中国メディアによると、海南省の公安当局が、重慶から三亜に向かう旅客機内のトイレでたばこを吸ったとして、29歳の乗客の男に3000元(約4万5000円)の罰金処分を科したと発表した。トイレの近くにある座席の乗客から「たばこの臭いがする」と乗務員に連絡があり、調査したところ、男が喫煙したことが判明したという。
機内での喫煙の違反については今のところ、違反者に「永久搭乗禁止」の処分を科す規定はない。しかし、中国のインターネットなどでは「もっと厳しい処分が必要。罰金額を上げたり、逮捕して身柄を拘束してもいいのでは」「罰金だけなら違反してもいいと思っている人が多い」などの意見が出ており、厳罰化を求める声が多いようだ。
罰則強化相次ぐ
喫煙マナーの悪さを改善しようと罰則を強化する動きは、近年増えている。
北京市が昨年6月に施行した中国史上最も厳しいとされる「禁煙条例」もその一つ。駅、空港といった公共交通機関や、オフィスビル、病院、ホテル、レストランなどの公共施設では屋内の喫煙を全面禁止とし、学校から100メートル以内でのたばこの販売禁止、待ち合わせの列などでの喫煙の禁止なども規定されている。
違反が見つかった場合、個人なら最高200元(約3000円)の罰金、会社や飲食店などが違法に喫煙場所を設置した場合は最高3万元(約45万円)の罰金が科される。
条例を周知させるための大きな看板や垂れ幕を各地に設置したり、取り締まりに当たっては違反者の写真を撮影して当局に報告する“密告ボランティア”の制度を導入したり、3回違反した人は氏名をネットのホームページで公表したり、と当局側も本気度を見せている。
中国疾病予防コントロールセンターがまとめた「2015年中国の成人喫煙調査報告」によると、中国の喫煙率は27・7%(男性52・1%、女性2・7%)。喫煙人口は約3億1600万人で、世界の喫煙人口の3分の1を占める。中国にとって、この数字はあまり気にならないかもしれないが、「中国人の喫煙マナーはひどい」が世界の共通認識になっていることについては、頭の痛い話だ。
マナー教育が行き渡っていないのが根本原因なのだが、近年の中国の罰則強化の動きは、教育の充実よりも罰則強化で強権的にルールを守らせよう、ということのようだ。
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これで、急に中国人のマナーがよくなるとは思いません。
それでも、これだけの喫煙規制ができるのは、うらやましいこと。日本も、世界の先進国に倣って、早く屋内の全面禁煙を法制化してもらいたいものです。
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