これは、大変。でも、面白い。記録しておきましょう。
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「ハワイの火星」で8か月隔離生活、有人探査の模擬実験開始
AFPBB News 2014年10月28日 10:20 発信地:ワシントンD.C./米国
【10月28日 AFP】米ハワイ(Hawaii)島のマウナ・ロア( Mauna Loa )山の麓に建てられた白いビニール製のドームの中で今月、6人の男女が外の世界から隔絶された8か月間の生活を開始した。有人火星探査における人間の心理状態の変化を調査する模擬実験「HI-SEAS(Hawaii Space Exploration Analog and Simulation)」だ。
米航空宇宙局(NASA)が支援するこの実験プロジェクトは、米国で行われる火星探査の模擬実験としては最長となる。参加者6人は実験期間中、新鮮な食料は食べられず、インターネットの使用も接続に20分かかるなど宇宙空間で生活するのと同様の隔離状態に置かれる。
ドームの大きさは直径約11メートル、高さ約6メートル。外に出るときは宇宙服を着用しなければいけない。
「周囲は見渡すかぎり、マウナ・ロア山の玄武岩質の溶岩に覆われている。植物も動物も、ほとんど見ない」と参加者の1人、米パデュー大学(Purdue University)産業工学部の博士課程で学ぶジョスリン・ダン(Jocelyn Dunn)さんは17日、ドーム内で丸1日を過ごした感想をブログ(http://fivestarview.blogspot.com)に記した。
NASAは、2030年代までに有人火星探査ミッションの実施を目指している。だが、片道だけで8か月かかる火星への旅の間に受ける放射線に人間が耐えられるかどうかは、専門家たちにもまだ分からない。
最近の研究では、現在の技術的限界だと火星へ向かうクルーは出発して68日目から次々と死亡していくことが分かった。別の研究では、放射線が誘発するがんリスクを考慮すれば火星への旅は1年以内に終わらせないとならないことが示された。
クルーの精神状態が火星ミッションの重圧に耐えられるかという点もNASAは重視していると、「HI-SEAS」主任調査官のキム・ビンステッド(Kim Binsted)氏はAFPの取材に語った。クルーの心理状態は、放射線とともに有人火星探査の「レッド・リスク」だと認識されているという。「つまり、原則としてこれらの問題を解決しない限り、火星には行けないということだ」
■「火星生活」の人間関係をシミュレート
ビンステッド氏はドーム外から今回の実験を調整している。ドーム内の6人は、科学・宇宙分野に深い関心を持ち高い教育を受けた20~30代の健康な男女だ。「リアリティー番組とは逆に、ドラマの起きないような人たちを選んだ。互いに歩調を合わせ、団結してやっていかれる冷静でおおらかな人たちだ」とビンステッド氏。彼らの共同生活ぶりと、それがミッション遂行にどのように影響するかを調べるのが、今回の実験の目的だ。
問題は実験の後半に起きる可能性がある。「第3学期症候群」の名で知られる気うつに襲われる時期だ。実験は当初ほど楽しくなくなり、終了までが長い道のりに感じられることだろう。
クルー同士やドーム外の管制室とのコミュニケーションがうまくいかなくなる問題も起きるだろう。宇宙ミッションではよくあることだとビンステッド氏は言う。「クルーは、自分たちのつらさを管制室が理解せず、多くを求めすぎる上に十分なサポートをしてくれないと感じるようになる。一方、管制室ではクルーが女王様気分になっていると感じ始める。『なんでこっちの指示に従わないんだ』と」
「HI-SEAS」ではまた、クルーの話す声の大きさとクルー同士の話す距離の近さを測定・記録し、各クルーが孤立していないか、クルー間にいさかいが起きていないかを調べる技術の実験も行う。(c)AFP/Kerry SHERIDAN
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映画やテレビでは宇宙旅行は当たり前のものですが、実際はとんでもない難しさを抱えています。この実験を見るだけで、その凄まじさを感じます。6人のクルーが、8ヶ月の隔離実験に耐えられるのかどうか。経緯を見守ることにしましょう。
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