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AI「ワトソン」、がん診断8割で成果

2016年09月19日 07時22分11秒 | 時事放談: 国内編

こういう形でAIが利用できたら、AI脅威説も薄れていくことでしょう。

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人工知能ワトソン、がん診断支援 8割で有用な情報提供
朝日新聞 2016年9月18日18時11分

 米IBMの人工知能「ワトソン」をがん患者の診断支援に使った東大医科学研究所の研究で、8割近くの症例で診断や治療に役立つ情報を提示したとの研究成果がまとまった。がんの原因となっている遺伝子変異を10分程度で特定し、適切な抗がん剤の処方につながったケースもあった。

 より早い正確な診断・治療につながると期待される。

 ワトソンは文章の意味や文脈を理解し、膨大なデータの中から特徴を見つけ出して学習し、回答する能力がある。

 同研究所の研究では、患者から採取したがん組織の、がんに関係する遺伝子の塩基配列を解析してオンラインで入力する。ワトソンは過去に発表された2千万本以上の医学論文や薬の特許情報などを参照し、がん発症や進行に関係している可能性のある遺伝子変異の候補を見つけ、根拠となるデータや抗がん剤の候補と一緒に提示する。

 同研究所分子療法分野の東條有伸教授(血液腫瘍(しゅよう)内科)によると、昨年7月以降、血液がん患者ら71人の延べ約100例で遺伝子情報を入力し、診断支援に活用。今年3月までの54人で分析すると、30人で診断や病態の解釈に役立つ情報を提示し、ほかの11人でも治療方針の参考になり、8割近くで有用な情報が得られた。

 昨年7月には、敗血症のおそれがあった急性骨髄性白血病の60代の女性患者について、原因の遺伝子変異を10分で特定。医師らがワトソンの情報に基づいて抗がん剤を変更したところ、治療が効果を上げ、2カ月ほどで退院できたという。東條さんは「医師なら2週間かかる変異の特定を、10分で突き止めた」と話す。

 ほかにも、ワトソンが提示した遺伝子変異に関する情報を元に、医師が血液がん患者への臍帯血(さいたいけつ)移植を決めるなど診断や治療方針に影響を与えたケースが数例あった。2割の症例では関係する変異を見つけ出せなかったが、患者の入力情報を増やせば改善される可能性が高いという。

 東條さんは「かなりの速度と正確さで遺伝子情報から必要な情報を提示し、役立つという実感がある」と話す。ただ、現場で広く活用されるには精度向上が必要といい、今後も研究を続ける方針だ。

 ワトソンを導入した同研究所の宮野悟・ヒトゲノム解析センター長は「がんの黒幕となっている遺伝子変異を突き止めるのに、医師が人海戦術で様々な文献やデータベースを調べるのは限界がある。良い医療を提供するためには、ワトソンのような技術の活用が今後欠かせない」と話す。(川村剛志)

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 〈ワトソン〉 米人気クイズ番組向けに開発された「認知型コンピューターシステム」。会話や論文など様々な自然言語の意味・文脈を解釈して、データ間の関連性や規則性を見つけて分析していく「機械学習」の能力を持つ。日本IBMによると、医療分野では藤田保健衛生大(愛知県)などと共同で、糖尿病患者の症状や治療などの情報をもとに重症化リスクなどを予測する研究を実施している。また大塚製薬と共同で、精神疾患のある患者の電子カルテ情報を分析する会社も設立した。

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人間を支配するのではなく、人間と共存して、人間のために役立ってくれるAI。その理想形が、今回のワトソン利用に見ることができます。

ぜひとも、精度を上げて、正確な診断治療に役立てるように、研究者の皆さんにはがんばってもらいたいものです。


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